尾崎翠 の商品レビュー
作品集。『第七官界彷徨』が入っている。やはり第七〜が一番良い。第七〜に行く前に、こおろぎ嬢、地下室アントンの一夜、歩行が並んでおり、それら似たような舞台設定の短編を読んでから第七〜を読むと理解が深まったのでより読みやすくてよかった。「小野町子」って名前、好き。 少女漫画っぽ...
作品集。『第七官界彷徨』が入っている。やはり第七〜が一番良い。第七〜に行く前に、こおろぎ嬢、地下室アントンの一夜、歩行が並んでおり、それら似たような舞台設定の短編を読んでから第七〜を読むと理解が深まったのでより読みやすくてよかった。「小野町子」って名前、好き。 少女漫画っぽさがあるというか、夢見がちというか、静かだが少しふわっとしている作風。現代でも十分通用というするというか、中高のメンヘラ気質の女子に好まれそう。 『無風帯から』もそこそこ良いが、なぜ光子がその出自以外の面で可哀想がられているのか良く分からなかった。物静かでコミュニュケーション取れないからってことなのか。 私の教養がないからなのか、後半のチャップリンだか、ゲーテだかについての文章は良く分からなかった。
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「第七官界彷徨」の一風変わった登場人物達が織り成す一幕に惹きつけられました。蘚の恋愛や分裂病により、各々の恋愛観を表しているところが変わっていて、面白く読み進められました。 「無風帯から」は手紙から妹の光子が詳らかになっていく度に、世間一般とは違っている兄妹の間にある、愛と...
「第七官界彷徨」の一風変わった登場人物達が織り成す一幕に惹きつけられました。蘚の恋愛や分裂病により、各々の恋愛観を表しているところが変わっていて、面白く読み進められました。 「無風帯から」は手紙から妹の光子が詳らかになっていく度に、世間一般とは違っている兄妹の間にある、愛と呼ぶべきものを感じました。それと同時に、兄としてしてやるべき事が出来なかったという後悔が聞こえてくる様でした。
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第七感界…は昔読んだのに、だいぶ忘れていた。 登場人物の皆が、こだわる、というか倦むポイントが変で、おもしろい。かわいらしい。 きれいな文章。夢の話のような。
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「第七官界彷徨」を読む. 奥付きは1991年.その当時も読んだはずだが,記憶はかすか. 今読んでみると,ドタバタな設定の初恋小説という感じで,どうも私が読むためのものではないようだった.
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「途上にて」までしか読めなかった。 個人的にはめちゃくちゃつまらなかったんだけど、結構評価高いのね。 年取ってから興味があればまた。
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なぜか今まで読んでいなかったので. どれも儚いような少し宙に浮いたような透明感のある作品で、恋愛か何かわからない危うさ?が心地よい作品だった. これに毒が混じると夢野久作になるのかな、という気もする.
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尾崎翠は初読。ずっと読みたいと思っていた作家で、今月の猫町課題図書が「第七官界彷徨」だったのを機にちくま文庫の日本文学シリーズを手に取った。このちくま文庫のシリーズ中では内田百間(から始まる日本文学集もどうかとは思うのだが)、芥川、宮沢賢治に次いで 4巻目という若番で編まれていて...
尾崎翠は初読。ずっと読みたいと思っていた作家で、今月の猫町課題図書が「第七官界彷徨」だったのを機にちくま文庫の日本文学シリーズを手に取った。このちくま文庫のシリーズ中では内田百間(から始まる日本文学集もどうかとは思うのだが)、芥川、宮沢賢治に次いで 4巻目という若番で編まれていて、現代における尾崎翠への注目度の高さがわかる。 お気に入りは、やはり代表作の「第七官界彷徨」(1931年。その後、1968年 花田清輝によって発掘されたエピソードが有名)。短篇が多く収録されている本書中にあって、ボリュームもほど良いし、登場人物の個性も際立ち、最後の展開も含めて小説らしい面白さ。まったく古くささを感じさせない爽やかな文体は真骨頂で、なるほど彼女が「現代的」という評価を受けることが多いのもうなずける。「アップルパイの午後」もやはり代表作の一つで、コミカルな会話と進歩的な恋愛観が軽快で楽しい。次点「歩行」は、「こおろぎ嬢」、「地下室アントンの一夜」と三部作を成す一篇で、この 3作の中では最も完成度が高い。
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再読。 数十年前に読んだ頃より、読み返した今の方がのめり込むように面白く読み進んだ。 読み終わったばかりなのに、もう彼女の文章(世界)が恋しい。 ・こおろぎ嬢 ・地下室アントンの一夜 ・歩行 ・第七官界彷徨 ・山村氏の鼻 ・詩人の靴 ・新嫉妬価値 ・途上にて ・アップルパイ...
再読。 数十年前に読んだ頃より、読み返した今の方がのめり込むように面白く読み進んだ。 読み終わったばかりなのに、もう彼女の文章(世界)が恋しい。 ・こおろぎ嬢 ・地下室アントンの一夜 ・歩行 ・第七官界彷徨 ・山村氏の鼻 ・詩人の靴 ・新嫉妬価値 ・途上にて ・アップルパイの午後 ・花束 ・初恋 ・無風帯から ・杖と帽子の偏執者 ・匂い ・捧ぐる言葉 自分の記録用に引用を残しておく。
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瑞々しい。後半にある、「花束」「初恋」「無風帯から」がお気に入り。ほかにも蘚苔類の恋愛事情には興味を引かれる。
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「こおろぎ嬢」が一番好き。 編纂仕方が素晴らしいと思う。 尾崎翠のちょうしの悪さとかそういう精神的な変遷まで透けて見える。
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