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テースト・オブ・苦虫(1) の商品レビュー

3.4

27件のお客様レビュー

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2023/08/05

著者の苦虫を噛み潰したような日々を綴ったエッセイ。価値観は多様で多様であるからこそ素晴らしい。君も僕もありのままで生きていこう、というダイバーシティな世界で起こる他者との軋轢は必然。しかし素晴らしいと世間が称賛するのだから、なんとかこの世界を生き抜くために必要な心構えはやはり諦念...

著者の苦虫を噛み潰したような日々を綴ったエッセイ。価値観は多様で多様であるからこそ素晴らしい。君も僕もありのままで生きていこう、というダイバーシティな世界で起こる他者との軋轢は必然。しかし素晴らしいと世間が称賛するのだから、なんとかこの世界を生き抜くために必要な心構えはやはり諦念であることをつくづく思い知らされる内容に一喜一憂しながら読んだ。うくく

Posted byブクログ

2016/09/29

図書館で。 う~ん、こういう文章はダメだ。頭に入ってこない。特に面白いとも思えなかったので途中で断念。

Posted byブクログ

2016/06/05

”というのはすなわち、愛は愛。これは人間にとって重要なことで、愛の歌を歌うのはよいのだけれども、それとカネとは全く無関係で、それは例えば、「ちょっと姐ちゃんウイスキー頂戴」と酒を注文。しかるに姐ちゃんは、「あらごめんなさい。ウイスキーは売り切れっす」「飲み屋でウイスキーないちゅう...

”というのはすなわち、愛は愛。これは人間にとって重要なことで、愛の歌を歌うのはよいのだけれども、それとカネとは全く無関係で、それは例えば、「ちょっと姐ちゃんウイスキー頂戴」と酒を注文。しかるに姐ちゃんは、「あらごめんなさい。ウイスキーは売り切れっす」「飲み屋でウイスキーないちゅうのはどもならんな。ほた、ビールでええわ。ビール頂戴、ビール」「ビールも売り切れっす」「ビールも売り切れやの?しゃあないなあ。ほた酒でいいわ。酒頂戴、酒」「売り切れっす」「しまいに怒るで。ほた、いったいなんやったらあんねん?」「そっすね。冷蔵庫があります」「は?」「日本酒もビールもウイスキーもありませんが冷蔵庫ならあります」「おまえなに考えとんねん。冷蔵庫が飲めるかあ、ぼけ」という御論議と同様で、それぞれ人間にとって同じくらい重要であるにもかかわらず、決して冷蔵庫はウイスキーの替わりにはならぬように、愛がいかに重要であろうと、ふたつは別のもので、決してカネの替わりにはならぬのである。”

Posted byブクログ

2015/12/14

 日常に存在する理不尽、不条理、儘ならないことに鬱憤を溜め込みながら生きる町田さんのエッセイ。まさに口中に苦虫の味が広がるようなことばかりだけど、町田さんの文章を読むとスカッとする。パンクでロックでファンキーな町田さんの土台にはモラルや正義感がしっかりと存在していて、だからこそパ...

 日常に存在する理不尽、不条理、儘ならないことに鬱憤を溜め込みながら生きる町田さんのエッセイ。まさに口中に苦虫の味が広がるようなことばかりだけど、町田さんの文章を読むとスカッとする。パンクでロックでファンキーな町田さんの土台にはモラルや正義感がしっかりと存在していて、だからこそパンクロッカーをやれるのかなと思った。

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2015/01/25

ダメ男、好きでしょ?と貸された本。はい好きでした。大学のバンドサークルの先輩、全員こんな感じだった。ズイジャーノ?

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2014/03/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これは何というの?随筆、なのか?濃密な、しかし一切中身のない話。それでいて引き込まれるこの感覚。文末の「~苦虫の味」という決め台詞もついたりつかなかったりといういい加減な按配がいい。つかない場合は「あぎゃ」とかそんな間投詞(?)で締める。昔サークルの部室においてあったノートにびっしり汚い字で書き込まれた馬鹿文章を思い出す。

Posted byブクログ

2014/01/16

息苦しい読書制約(勝手に自分で設けただけだが)から抜け出して、一本目、町田節が読みたくなった。 久しぶりの町田康、初めてエッセイを読んだわけだが、この人はやっぱり面白い。 人間の、ちょっとした欲望や不満や疑念やらをズルリと引き出して、嘲笑とも苦笑ともつかない、シニカルな笑いで包...

息苦しい読書制約(勝手に自分で設けただけだが)から抜け出して、一本目、町田節が読みたくなった。 久しぶりの町田康、初めてエッセイを読んだわけだが、この人はやっぱり面白い。 人間の、ちょっとした欲望や不満や疑念やらをズルリと引き出して、嘲笑とも苦笑ともつかない、シニカルな笑いで包みこむ。 ゲラゲラ笑った後に、わお!苦虫の味!というわけだ。 虚構を演ずるパンク歌手であり文筆家である町田康、ならではと言ったところだろうか。 あとは、この人はやっぱり落語が好きだったのか、とか、思った通りオダサクは意識しているのだな、とか、町田康を構成する一要素を垣間見ることができる。 テースト・オブ・苦虫はシリーズものなので、ゆっくりと追っていこうと思う。

Posted byブクログ

2014/01/12

苦虫シリーズ第1巻。短編と捉えました。 苦々しいエピソード満載にも関わらず、ブラックユーモアに富んだ言い回しで不思議と気持ちは晴々。細かいことや小難しいこと抜きに読める1冊。

Posted byブクログ

2013/08/12

町田康の作品を読むとなんだかほっとする。こんなアホ臭い人間が世の中にいるんだなあと。何をやっても駄目な自分が勇気付けられるというか、優越感に浸れるというか、俺なんかよりよっぽど下層でバカな人間がいたもんだなと安心する。が、実際はそうでもないようで。 町田康の作品をいくつか読んでき...

町田康の作品を読むとなんだかほっとする。こんなアホ臭い人間が世の中にいるんだなあと。何をやっても駄目な自分が勇気付けられるというか、優越感に浸れるというか、俺なんかよりよっぽど下層でバカな人間がいたもんだなと安心する。が、実際はそうでもないようで。 町田康の作品をいくつか読んできて、作品を重ねるごとに感じるようになってきたのだが、そこには常に笑いをもぎ取ろうとする緻密な計算と思考があるようにしか思えてならない。このエッセイ集もそう。自然体のように見せかけて、天才的なアホのように見せかけて、実は裏で入念な笑いの仕掛けを施し、読み手を見事にその罠にハメ込んでいる。そして俺もハマる。ハメられる。 そんな町田康の詐欺的な計算力といい、緻密な努力といい、その生真面目さといい・・・優越感に浸り、馬鹿笑いしていた自分こそが本当のアホにしか見えてこなくなってきた。苦々。

Posted byブクログ

2013/04/07

パンク歌手で小説家の町田先生はエッセイ集もすごい!念入りに準備して計画したものを、あたかも自然に楽チンそうに見せる事って重要だと思うのですが、この人のこの言葉の選び方、組み立て方はどっからどこまで計算されたものなのでしょうか?

Posted byブクログ