押入れのちよ の商品レビュー
最初から最後まで、ワクワク、ドキドキ、時に、ほんわかした気持ちになったり、恐ろしさに鳥肌が立ったりと、短編集で、こんなにも、気持ちを揺さぶられるのは、久しぶりの事でした。“しんちゃんの自転車”のしんちゃんや、“押入れのちよ”のちよに、切ない気持ちでいっぱいになった。“介護の鬼”で...
最初から最後まで、ワクワク、ドキドキ、時に、ほんわかした気持ちになったり、恐ろしさに鳥肌が立ったりと、短編集で、こんなにも、気持ちを揺さぶられるのは、久しぶりの事でした。“しんちゃんの自転車”のしんちゃんや、“押入れのちよ”のちよに、切ない気持ちでいっぱいになった。“介護の鬼”では、自分の今の心の中とだぶって、少しだけれども、やましい気持ちが芽生えてしまった。恐ろしい話でした。
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「お母さまのロシアのスープ」 スープについては薄々感づいてはいたのですが、双子についての真相には驚きました。悲しい物語です。しかし、やっぱり母は強し、ですね。 「コール」 じんわりと心に沁みました。悲しくて、美しくて、切ない物語。最後の一行で、胸をギュッと鷲掴みにされた感じです...
「お母さまのロシアのスープ」 スープについては薄々感づいてはいたのですが、双子についての真相には驚きました。悲しい物語です。しかし、やっぱり母は強し、ですね。 「コール」 じんわりと心に沁みました。悲しくて、美しくて、切ない物語。最後の一行で、胸をギュッと鷲掴みにされた感じです。でも、すごく好きです。 「押入れのちよ」 怖いけれど、ほんのりとした温かさもあります。ちよがとっても可愛い!こんな幽霊なら私も怖くないかも…いや、やっぱりちょっと怖いか(笑) 「老猫」 怖いと言うより不気味。何で猫ってこんなイメージ?愛猫家の私にとっては受け入れ難い物語でした…。 「殺意のレシピ」 シュールな笑いですね。夫と妻、それぞれの視点から見た相手の姿が面白かったです。その後、この二人はどうなったのかしら…。 「介護の鬼」 …これはえげつないです。善三も怖かったけど、苑子が怖い。怖過ぎます。本当に鬼以外の何者でもありません。 「予期せぬ訪問者」 どことなくコミカルで笑えました。「ダスクリーン」が何者なのかは途中で分かってしまったんですが、それでも面白かったです。 「木下闇」 ゾワゾワとする怖さでした。どこかで読んだことのあるような感じの物語でしたが、楽しめました。ただ、この一冊の中でのインパクトは少々、薄めです。 「しんちゃんの自転車」 しんちゃんの言葉が悲しさを誘います。夢物語のように儚い物語。でもしんちゃんはきっと、主人公にとっていつまでも大切な存在なんだろうな、と思います。
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短編集だと思わなかった。読後感があまり良くないのが多い、かな。「押入れのちよ」と「コール」は良かった。
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・お母さまのロシアのスープ ・コール ・押入れのちよ ・老猫 ・殺意のレシピ ・介護の鬼 ・予期せぬ訪問者 ・木下闇 ・しんちゃんの自転車 の9つの話が収録された短編集です。 ミステリー系のものと、ファンタジー系のものとありましたが、私が好きなのは、「...
・お母さまのロシアのスープ ・コール ・押入れのちよ ・老猫 ・殺意のレシピ ・介護の鬼 ・予期せぬ訪問者 ・木下闇 ・しんちゃんの自転車 の9つの話が収録された短編集です。 ミステリー系のものと、ファンタジー系のものとありましたが、私が好きなのは、「コール」と「押入れのちよ」と「しんちゃんの自転車」です。 「コール」は、話のカラクリが分かったページを読んでから理解するのに最初から読み直しました。こういうトリックが好きです。 「押入れのちよ」は表題作だけあってお勧めですね。ちよがかわいい。 「しんちゃんの自転車」もお勧め。せつない話でした。
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短編集。王様のブランチに影響され呼んでみたが、「老猫」と「介護の鬼」は受け付けなかったが、「コール」と「押入れのちよ」は面白かった。
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新聞チラシで見て、『ぼくたちの戦争』がおもしろくて、借りた本。短編集。表題作はいいけど、他が。。。ちょっと期待はずれ。表題作は続編が読みたい。
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短編集。読みやすい。ものすごく面白い、という訳ではないけれど、案外面白い。ひねりが効いていて結構好きです。
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いろんなホラー(?)スタイルが集まった短編集。本のタイトルにもなっている「押入れのちよ」と「介護の鬼」は☆4。他は☆2〜3といった感じ。
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ちよちゃんのお話が詰まってるのかと思いきや、関連のない短編集でした。ちよちゃん話で、一冊読みたいな〜。
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「お母様のロシアのスープ」「コール」「押入れのちよ」「老猫」「殺意のレシピ」「介護の鬼」「予期せぬ訪問者」「木下闇」「しんちゃんの自転車」の9編の作品が収録されている作品集。 てっきり表題作の「押入れのちよ」、つまり押入れに住みついてるちよという名の幽霊と、それに気がついちゃ...
「お母様のロシアのスープ」「コール」「押入れのちよ」「老猫」「殺意のレシピ」「介護の鬼」「予期せぬ訪問者」「木下闇」「しんちゃんの自転車」の9編の作品が収録されている作品集。 てっきり表題作の「押入れのちよ」、つまり押入れに住みついてるちよという名の幽霊と、それに気がついちゃった住人との心温まる交流が描かれた連作集だとばかり思っていたので、短編集なのに驚いちゃいました。 しかも、え??何これ?もしかしてホラー作品集?ホラーというよりは、奇妙な味わいのある作品集とでも言えばいいのか。 「荻原さんてこんな作品も書かれるのか。意外!」と思いながら、さくっと読了。「お母さまのロシアのスープ」 “物語の語り手となる人物が誰なのか”が、キモになる作品だと思ったら!そうくるか! 小説ならではの作品ですな。肉、肉、肉。肉が気になります。。。 「コール」 男2人に女1人の友情の行方。どうってことない話だけど、見せ方が巧い。この作品も、小説ならではですねえ。怪談ではあるものの、作者が狙ってるのはつんとくる切なさ。 p.57の15行目を読んで「えええええ!なんですっと!?」 慌てて冒頭に戻って読み返しちゃいましたともさ。見事にやられちゃって悔しい〜! 「押入れのちよ」 築35年のボロアパートに引っ越してきたら、そこには明治生まれのちんまい女の子、ちよがいた、、、。ちよと主人公の心温まる交流のようすがいいですねー。かるぴすとビーフジャーキーが大好きなちよが微笑ましくって、思わずにまにま。なので、思いがけないアレは、なーんか蛇足だったような気がする。ま、しっかと伏線があったにもかかわらず、まるで気がつかなかったけど(汗)。 なぜそこにちよが住みつくことになったのかとか、ちよのこれからとか、きっちり話に決着をつけて欲しいー!連作の続編希望〜♪「老猫」 わ、わ、わ!「年取った猫は、別の生き物になる」を地でいくような正真正銘の猫怪談。ラストに向けて、次第に緊迫感が高まってくところがたまりません。怖いっ! すべてを明らかにせず、曖昧を曖昧のままにしておくところなんか、なおさら!「殺意のレシピ」 夫婦仲が冷え切っている夫婦の最後の食卓。夫は妻を、事故を装って殺そうと企てるのだが、、、。ブラック。だけど、ドタバタコメディの感、強し。どっちもどっちなのね(苦笑)。中途半端で終えてしまってツマンナイです、はい。「介護の鬼」 タイトルが意味深なブラックな話。やや悪ノリしすぎと思わないでもないが、受け止め方が人によって異なりそう。人によってはホラーだったり、願望だったり(汗)。このタイトル、“介護してるうちに鬼になっちゃった嫁”かと読み始めて思ったけど、“介護されているうちに鬼と化した舅”なのかしら(汗)。どっちもどっちなので、どちらにも声援が送れない(汗)。むむむ。「予期せぬ訪問者」 シチュエーション・コメディ。つい過って愛人を殺害。死体をどうしようか思い悩んでるところに、清掃業者が訪ねて来ちゃったから、さあ大変!! 主人公に思いっきり感情移入してしまい、思わず一緒にあたふたあたふた(笑)。一難去ってまた一難のラストに、ついくすり笑っちゃいました(笑)。「木下闇」 私には15年前に行方不明になった妹がいる。妹がいなくなった親戚の家を15年ぶりに訪ねた私、、、。妹の失踪の真相をサスペンスタッチに描いた話。 真相は、引っ張った割にはある意味あっけなかったかな。すべて明らかにせず、含みを持たせたまま終えても良かったかと。ただ、くすの木の巨木が落とす影の濃さ、ひんやりした空気、木々のざわめきなどなど、何ともいえない雰囲気がいい。 直前の「予期せぬ訪問者」と文体も雰囲気もがらりと変わっていて、作品集内での配置の仕方もお見事。「しんちゃんの自転車」 「コール」と同様、怖い話ではあるものの、つんと切ない郷愁の物語。ただ、もっとはっきり女性のモノローグだと判るように書けば良かったのにと思います。それがちと残念。ちらり「朱川さんだったらどう書くのかな?」なーんて思っちゃった(汗)。 一編一編は確かに巧いんだけど、作品集としてまとめると、結構バラバラですねえ。9編のうち、1番好みだったのは「押入れのちよ」かな、やっぱり。 「お母様のロシアのスープ」「木下闇」「しんちゃんの自転車」のホラーだけどちょっと切ない話や、奇妙な味わいの作品も好み。筒井康隆風ブラックな作品や、怖がらせるホラーも巧いんですね、荻原さんて。意外な一面を垣間見た気分です。
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