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駅前旅館 の商品レビュー

3.5

44件のお客様レビュー

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2022/09/29

「井伏鱒二」の傑作ユーモア小説『駅前旅館』を読みました。 『黒い雨』に続き「井伏鱒二」作品です。 -----story------------- 日本映画史上に輝く人情喜劇『駅前シリーズ』第1作原作!  抱腹絶倒傑作ユーモア小説。 昭和30年代初頭、東京は上野駅前の団体旅館...

「井伏鱒二」の傑作ユーモア小説『駅前旅館』を読みました。 『黒い雨』に続き「井伏鱒二」作品です。 -----story------------- 日本映画史上に輝く人情喜劇『駅前シリーズ』第1作原作!  抱腹絶倒傑作ユーモア小説。 昭和30年代初頭、東京は上野駅前の団体旅館。 子供のころから女中部屋で寝起きし、長じて番頭に納まった主人公が語る宿屋稼業の舞台裏。 業界の符牒に始まり、お国による客の性質の違い、呼込みの手練手管……。 美人おかみの飲み屋に集まる番頭仲間の奇妙な生態や、修学旅行の学生らが巻き起こす珍騒動を交えつつ、時代の波に飲み込まれていく老舗旅館の番頭たちの哀歓を描いた傑作ユーモア小説。 ----------------------- 雑誌『新潮』で1956年(昭和31年)9月号より翌年9月号まで連載された作品、、、 現在ではビジネスホテルやシティホテルに駆逐され、ほとんど見かけなくなった懐かしい駅前旅館… そういった旅館の番頭「生野次平」を主人公に据えて、彼の独白体で描かれた物語です。 いい加減で助平で昔ながらの抜け目ない番頭気質を持っていて義理堅い「次平」の性格がイイ雰囲気を醸し出しているし… ライバル旅館「水無瀬(みなせ)ホテル」の番頭「高沢」等の番頭仲間やアルバイトの旅行社社員「万年さん」と織り成す人間模様が愉しく描かれていますね、、、 そして、ちょっとした色濃い沙汰… 行きつけの小料理屋「辰巳屋」の女将や以前吉原で豆女中をしていた「於菊(おきく)」、甲府湯村の温泉旅館の「ジュコさん」とのちょっとしたロマンス等々が、昭和の匂いが漂う情景とともに活き活きと描かれていました。 劇的でドラマティックな展開はないものの、男女関係に起因するちょっとしたドラマやトラブル、珍騒動が散りばめられており、懐かしさを感じつつ、心地良い気持ちで読めた作品… 読んでいると郷愁と共感を覚えずにはいられませんね、、、 1958年(昭和33年)に「森繁久彌」が主人公の「次平」を演じて映画化されているようです… 一度、観てみたいですね。 本作品は、「井伏鱒二」作品の中では『本日休診』、『珍品堂主人』と並び、昭和の風俗小説の三大作品とも言える作品らしいです、、、 機会があれば『本日休診』、『珍品堂主人』も読んでみたいですね。

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2022/08/28

 たまたまいつも行っている図書館の書棚で目につきました。  久しぶりに、ちょっと昔の有名作家の作品を読んでみようと思った次第です。(とはいえ、井伏鱒二さんと言っても「山椒魚」が代表作だというぐらいしか分かっていません)  さてこの作品、昭和31年から1年間ほど「新潮」に連載された...

 たまたまいつも行っている図書館の書棚で目につきました。  久しぶりに、ちょっと昔の有名作家の作品を読んでみようと思った次第です。(とはいえ、井伏鱒二さんと言っても「山椒魚」が代表作だというぐらいしか分かっていません)  さてこの作品、昭和31年から1年間ほど「新潮」に連載されたものとのことです。  戦後、ちょっと落ち着いたころの都会の世情を「駅前旅館」の番頭の独白といった形で面白く描き出していて、時代色の濃い興味深い内容でしたね。

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2022/06/30

正確に書くと星3.5。 私はずっと純文学系は苦手だと思っていたのだが、これは少し読みやすかった。 井伏鱒二の他の小説も読んでみる。

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2021/08/24

 能登生まれの女中の息子次平が旅館の下働きから番頭になり上野駅前の旅館番頭として送る日々を綴った小説だが番頭の淡い恋愛が心地よい。芸者お菊と小料理屋辰巳屋の女将への何となく優しい好意に満ちた付き合いの為に結局何も起きない。

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2021/05/31

芝居っ気のある語り口でストーリーが進み面白かったが、ほかの小説にはない感じで読みにくい部分もあった。

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2020/12/19

井伏鱒二なんて学校の教科書でしか 読んだことなかったけど これは表紙のジャケットに惹かれて。 字も大きく読みやすくなってたし。 番頭さんの自叙伝みたいなおはなし。 仕事のあれこれを追うだけで 戦後の東京の旅館業の盛衰が楽しめる。 品の悪い修学旅行生が 関西方面からなのが、ひっか...

井伏鱒二なんて学校の教科書でしか 読んだことなかったけど これは表紙のジャケットに惹かれて。 字も大きく読みやすくなってたし。 番頭さんの自叙伝みたいなおはなし。 仕事のあれこれを追うだけで 戦後の東京の旅館業の盛衰が楽しめる。 品の悪い修学旅行生が 関西方面からなのが、ひっかかるけど(笑)

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2020/12/18

まぁ、よくしゃべる番頭さんだこと。 読み手に一息つく暇も与えず、旅館の裏話や色恋話を愉快に語る。 昭和初頭のにぎやかな風情を感じられます。

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2020/11/22

昭和三十年ごろの、上野駅前の旅館の番頭の一人語り。 ユーモア小説か、と言われると、もはやそうは読めない。 むしろ、当時の雰囲気を味わうところに価値がある気がする。 柊元(くきもと)旅館の番頭、生野次平。 なさぬ仲の母に連れられ、上野の旅館の女中部屋で育ったという人物。 十代で母...

昭和三十年ごろの、上野駅前の旅館の番頭の一人語り。 ユーモア小説か、と言われると、もはやそうは読めない。 むしろ、当時の雰囲気を味わうところに価値がある気がする。 柊元(くきもと)旅館の番頭、生野次平。 なさぬ仲の母に連れられ、上野の旅館の女中部屋で育ったという人物。 十代で母に死に別れ、その後ずっと旅館で働く。 当時の日本有数の旅館激戦地だった江の島での修行、修学旅行生や引率教師のあしらい方など、その業界の裏話が興味深い。 履物、持ち物でどこから来たか分かる、泊まるお客を一目で見抜き、遠くからお辞儀一つで、糸をかけたようにして客を吊り上げる。 こういう番頭の技は、今はもう絶えてしまったのだろう。 一方では、今でも接客業の人は、これとは違う、いろんな手管を持っていそうだ。 そういった業界の裏話とともに、番頭仲間の遊びの様子も語られる。 女性関係に疎くはなさそうな次平だが、結局結婚も、特定の女性と深い中になるわけでもない。 誘う水あらば、という風情なのに。 番頭仲間の杉田屋の高沢の愛人が引き起こす騒動やら、学生の客の松山さんの騒動やらに巻き込まれてばかりいる。 プロットがない小説。 ラノベに慣れた人だと、堪えられないかも?

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2020/07/25

個人的名作です。 番頭さんや女中と、お客様のやり取りに風情があり味わい深い作品です。 小説全体から旅情が溢れだし、旅好きでお酒好きな私としては場面毎の風景が頭の中で浮かんできました 笑 コロナ禍のいまだからこそ家で旅行気分に浸れる小説かと思います。

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2019/05/14

いつまでも感想を空白にしておくのもしゃくなので、他の方の感想も見ながら少しだけ記録。 読み終えたら、その本をぱらぱらとめくって内容を思い出しながら感想を書く性質なのですが、どういうわけか、引っ越しのあわただしさに巻き込まれ、本書が見つからないのです。 引っ越し前に読んだのが悪かっ...

いつまでも感想を空白にしておくのもしゃくなので、他の方の感想も見ながら少しだけ記録。 読み終えたら、その本をぱらぱらとめくって内容を思い出しながら感想を書く性質なのですが、どういうわけか、引っ越しのあわただしさに巻き込まれ、本書が見つからないのです。 引っ越し前に読んだのが悪かったか… 語り口は、とても軽妙だったことを覚えています。 井伏鱒二というと、『黒い雨』が有名ですし、みんな大好き太宰治が「師匠、描写力が半端ない」とはしゃぐくらい写実的な方だと思うのですが、だからと言って決して重くはなく、廃墟同然の姿しか見たことのない駅前旅館の風景に、知らないはずなのにノスタルジーを感じてしまうくらいでした。 それにしても、本当に、どこに紛れてしまったのか…

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