龍の棲む家 の商品レビュー
読書開始日:2022年2月22日 読書終了日:2022年2月25日 所感 良かった。 痴呆という症状に対する寄り添い方や考え方がよくわかる作品だった。 著者の作品「アミターバ」と一貫した部分がある。 痴呆や苦境に立たされた高齢者の「今」が、過去を徘徊するということ。 散歩と徘徊...
読書開始日:2022年2月22日 読書終了日:2022年2月25日 所感 良かった。 痴呆という症状に対する寄り添い方や考え方がよくわかる作品だった。 著者の作品「アミターバ」と一貫した部分がある。 痴呆や苦境に立たされた高齢者の「今」が、過去を徘徊するということ。 散歩と徘徊は紙一重 寄り添うことの第一歩は心を込めて聴くこと 徘徊してるときは、玩具箱に落ちてしまったようなもの。「今」は縁を歩いている状態。落ちれば中は暗くごちゃごちゃしているが、昔懐かしい玩具が顔を覗かせる 玩具箱のなかを引っ掻き回してるだけで遊べないのが鬱 父といっても、細切れに見ればさまざま。痴呆により総合的に表現できず、それぞれを彷徨う玩具箱 夭折 退嬰 父の行為や状態を、症状ではなく表現 山手線の網棚に「忘れられた多くの骨壷」 誰にでも無限に通じる過剰がある。佳代子でいう自信 痴呆にはクローズドクエスチョン 介護士に負担をかけているという加害者意識から無意識に逃れるため、介護士を加害者にしたてる。 すずり 理屈の使い方も間違ってた 蛍の光は目を細めれば視野いっぱいに光は広がり、見開くと小さくなる 梔子 人は人生のシナリオを修正しながら進む 好対照 呆けるとは、自然な人間に還る 呆けは、今の自分が自分らしくないと思い始めるところからはじまるのか 若ハゲはボケにくい、現実を早くから直視する 苛立つことには何のメリットもない 幹夫の自由は不自由を享受する気分のうちにあった。父にどこまでも応じるという自由 風呂の固形物。臍を固めるつもりで追い焚きスイッチを押し、そのお湯を顔に運ぶ。父と一緒に住むのはこういうこと 名前など忘れていいものは、この世にたくさんあるのだろう 父に龍が棲む 父は2人の鎹 きれいがわかる父なら
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「老乱」に続きまたもや認知症がテーマの本。 2004年12月痴呆症→認知症へ 物忘れとの違い→体験そのものを忘れる 見事に認知症を受け入れて接する次男の幹夫と、不思議な介護士の女性佳代子。 二人に市役所の上司として、時に現実に戻り、時に過去へ跳び、会話する父。 佳代子の穏やかさ...
「老乱」に続きまたもや認知症がテーマの本。 2004年12月痴呆症→認知症へ 物忘れとの違い→体験そのものを忘れる 見事に認知症を受け入れて接する次男の幹夫と、不思議な介護士の女性佳代子。 二人に市役所の上司として、時に現実に戻り、時に過去へ跳び、会話する父。 佳代子の穏やかさとたまに垣間見える不安定さ、ひょうひょうとした幹夫と、隣に住む兄、哲夫。 皆のバランスがよく、ギスギス感のない介護の物語となっている。 こんなに美しく、穏やかに介護ができたらよいけど、先立つものも必要だし、、とりあえず心に留めておこう。
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認知症を発症した父親に、仕事を辞め介護することを決めた次男の幹夫。 寄り添うと決めたはずなのに、徘徊や過去の話しばかりする父親に、戸惑い翻弄されてる毎日。 ある日、父とよく行く龍が峰の公園で、佳代子に出会った。介護の仕事をしていた佳代子のアドバイスで父との関係も穏やかになっていく...
認知症を発症した父親に、仕事を辞め介護することを決めた次男の幹夫。 寄り添うと決めたはずなのに、徘徊や過去の話しばかりする父親に、戸惑い翻弄されてる毎日。 ある日、父とよく行く龍が峰の公園で、佳代子に出会った。介護の仕事をしていた佳代子のアドバイスで父との関係も穏やかになっていく。 私も母が突然亡くなり、残された父親は実家で独り暮らし、三年前に癌を煩い入退院を繰り返した後、私も姉も離れて暮らしている為に、最後は施設にお願いすることに。食べられなくなってからは軽く認知症がでたらしい。離れていて、頻繁に会えないせいか、夜中に父の携帯から何度か電話がきたことがあった。「どうしたの?」と聞いても終始無言。 会いに言った時に、父にその記憶はなく、最後の最後まで私には甘く優しい父だった。 介護と言えることは何ひとつ出来ていないまま終わってしまったが、自分が一緒に暮らしていたらこんなふうに寄り添う事が出来たか、まるで自信が無い。 佳代子にも、トラウマになった過去があるが、彼女のような人から介護されたら、家族も救われるだろうな。 タイトルもそうだが、変わった名前の作家さんだなと思っていたら、住職だそうだ。 龍の話がちょくちょくでてきて、週末は私の好きな龍神神社へ行こうと決めた。 紫陽花の花が綺麗に咲いているころだろう。
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※このレビューにはネタバレを含みます
心温まる家族の物語。 認知症のせいで徘徊が始まった父親と暮らすために実家に戻ってきた幹夫。 父が日課のように散歩に出かける龍が淵公園で2人は偶然に介護のプロである佳代子と出会う。 ホームヘルパーとして父に寄り添いながら、認知症について幹夫は佳代子から学び、父に寄り添い続ける。 嫁の両親も含め幸せなことに4人の親は健在です。 そんな私にもいつの日か訪れる親の介護という現実。 私自身も幹夫のように寄り添える息子でありたいと心から思いました。 説明 内容紹介 記憶をさまよう父と暮らす幹夫は、介護のプロ・佳代子と出会う。部下や家族を演じるうちに二人は……僧侶作家があたたかく描く人の絆 内容(「BOOK」データベースより) 父が呆けたと兄から知らされ、家実へ戻ってきた幹夫は、記憶をさまよう父と出かけた公園で、介護のプロ・佳代子と出会う。父の散歩につきあい、大切な誰かを演じ、いっしょに父の記憶のおもちゃ箱をのぞきこむうち、二人は…待望の最新小説。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 玄侑/宗久 1956年福島県生まれ。慶應義塾大学文学部中国文学科卒業。83年、天龍寺専門道場に入門。現在、臨済宗妙心寺派福聚寺副住職。2001年、『中陰の花』で第百二五回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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認知症になった父がいて、介護の話なのに、なんか明るいというか希望がみえるというか。作者がお坊さんだからってのはあるのかもしれないなと。起きたことをただ「起きてること」ととらえてそれ自体が不幸でも幸せでもなく、ただ起きてるっていう感じで。この人の本は二冊目だけど他の本も、もっと読ん...
認知症になった父がいて、介護の話なのに、なんか明るいというか希望がみえるというか。作者がお坊さんだからってのはあるのかもしれないなと。起きたことをただ「起きてること」ととらえてそれ自体が不幸でも幸せでもなく、ただ起きてるっていう感じで。この人の本は二冊目だけど他の本も、もっと読んでみたくなった。
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タイトルに惹かれて読んでみたけれど、内容は意外にも介護の話。 小説のスタイルではあるけれど、認知症の人との接し方などはとても参考になる。 けれど小説としてはどうなんんでしょう?著者が僧侶と言う事もあるせいか、何かにつけて説明過多の気がして、読んでいてもどこかに感情移入することもな...
タイトルに惹かれて読んでみたけれど、内容は意外にも介護の話。 小説のスタイルではあるけれど、認知症の人との接し方などはとても参考になる。 けれど小説としてはどうなんんでしょう?著者が僧侶と言う事もあるせいか、何かにつけて説明過多の気がして、読んでいてもどこかに感情移入することもなく距離を感じてしまった。 内容的には面白いと思うだけに残念な気がします。
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経営していた喫茶店を畳んで、認知症の父親と共に生活をすることになった主人公。 父親との散歩中に出会った佳代子と共に、父をめぐるあれこれや佳代子の過去が描かれている作品。 いやいや、出来過ぎた人間ばかりでしょう。 それとも比較的仲が良いというか一般的な家庭で育つとこんな感じなんで...
経営していた喫茶店を畳んで、認知症の父親と共に生活をすることになった主人公。 父親との散歩中に出会った佳代子と共に、父をめぐるあれこれや佳代子の過去が描かれている作品。 いやいや、出来過ぎた人間ばかりでしょう。 それとも比較的仲が良いというか一般的な家庭で育つとこんな感じなんですかね。 症状がそこまで激しく出ていないからまだこの程度なのかもしれないけど。
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老人のボケについて、とても考えさせられた。ボケてしまって、現在のことが分からなくなったら本人も、それ以上にその周りの人間もつらいのだなと思った。でも、一人で介護するんでなく、この本のように二人で理解してボケた家族と付き合っていけたら、それが幸せな道なんじゃないかな、と思う。
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私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ ...
私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2011.10.30読了 なかなか、こういう小説を評価するのは難しいです。 他の方が心静かに読めたと書かれていましたが、まさに、私も静かに読めました やはり、静謐な文体に依るところが大きいのでしょう。 読んでいる後半では、この内容だと書き方によっては、サスペンス風にも、エロティック風にもなりそうだな、などと不埒な事を考えてしまいました。
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