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悦楽の園 の商品レビュー

4.3

19件のお客様レビュー

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2015/02/03

相原真琴、13歳。 母親は、15歳で彼女を生んで、死んだ。父親は、どこかに行ってしまった。 祖母と曹祖母と3人で暮らしている。行き場のなくなった子どもたちも同居していて、2人のおばも週の半分はここにいる。 学校の前の席の南一と知り合う。 ある日、彼が教科書に描いた絵を見...

相原真琴、13歳。 母親は、15歳で彼女を生んで、死んだ。父親は、どこかに行ってしまった。 祖母と曹祖母と3人で暮らしている。行き場のなくなった子どもたちも同居していて、2人のおばも週の半分はここにいる。 学校の前の席の南一と知り合う。 ある日、彼が教科書に描いた絵を見せる。奇怪な生き物が蠢く絵だった。 「素敵ね」と、彼女がいったのが、全ての始まりだった。彼は、生まれて初めて彼を受け入れてくれる人間に出会った。しかし、彼女がそのことに気づくまで、たくさんの時間がかかった。 学校はおかしな所だった。普通という概念が作り出され、みんなが、そこからはみ出さないように自分を作っていた。 12歳のとき、真琴は後ろの席の男子に、しつこく攻められていた。無視していたが、ついに担任に話した。担任は、彼は真琴が好きなんだ、といった。 真琴は、学校へ行かなくなった。祖母は、休めば、といい、曹祖母は「逃げてきたのは情けない」という。そして、真琴は普通の家庭は、本人が嫌だといっても、殺されそうになっても、学校へ行け、というのだということを知る。 いけめんの染谷くんが真琴と南に興味を持ち、家にも出入りを始めて、真琴は南を受け入れられない学校を変えていこうと思うのだが…。 真琴という変わった環境で育った女の子が、もっと特殊なところで育った南に出会い、自分の生き方や、生きがたい子どもたちの環境を考え、変えていこうと行動する。 普通とは何か、という問いかけが、全く意識されない中、展開されていくのが凄い。

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2012/01/17

読み終わった後、うーんとうなってしまった。 テーマは重い。 「普通に生きられない」と感じる人たちを「普通」の枠になんとかして押し込めようとする集団の恐さが読み取れました。 私なんぞはごくごく「普通」に「学校に行くのが当たり前」と思って小中学校を過ごしてきたので、その頃はたぶんこ...

読み終わった後、うーんとうなってしまった。 テーマは重い。 「普通に生きられない」と感じる人たちを「普通」の枠になんとかして押し込めようとする集団の恐さが読み取れました。 私なんぞはごくごく「普通」に「学校に行くのが当たり前」と思って小中学校を過ごしてきたので、その頃はたぶんここに出てくる先生みたいな意見を持っていて、「多数サイド」でいることに安心感を持ったんじゃないかなー 少女がたくましいです!喝采したくなるところが多々。

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2011/02/17

革命を起こそうとした少女の物語。 そうか こういう価値観もあるのか。と思った。 基本的にみんな頭いい。 真琴がんばれw 染谷くそかっけぇ!

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2010/05/16

永野のりこの「電波オデッセイ」読んだ直後にこの本を図書館から借りて読んだ。 近い、つながってる…(電波夫婦って!(笑)) この物語が、この物語を必要とする少年少女の元へ届きますように。

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2010/04/22

一人の女の子が、愛する男の子のため に革命を起こそうとするお話。 話のテーマは、著者がデビュー作から取り上げているもの。 LDやADHDという名前は、教育関係者の間では当たり前のものになっているけれど、名前だけでわかった気になっている人も多いんだろうなあ。 染谷君の存在がと...

一人の女の子が、愛する男の子のため に革命を起こそうとするお話。 話のテーマは、著者がデビュー作から取り上げているもの。 LDやADHDという名前は、教育関係者の間では当たり前のものになっているけれど、名前だけでわかった気になっている人も多いんだろうなあ。 染谷君の存在がとてもありがたい。 異性間の親友関係が、「ああ、あるある。」と思う。 13歳でこの先一生ずうっとこの人と生きていくんだと決められるのは、幸福だけれど、自分を顧みるとなんだか不思議。 きんぴかでザクロをもぐ姿が、目の前に浮かんできて。とてもハッとした。

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2011/08/01

タイトルとジャケットからは、かつて超話題になった大人の小説を想像させるが…アスペルガー症候群で絵画に天才的才能を持つ同級生を「学校」という「普通の集まり」から救うために敢然と立ち向かう少女の命の戦いが激しく生々しく描かれていく。後半少女の精神が混乱していく様子が出てくるが、実際に...

タイトルとジャケットからは、かつて超話題になった大人の小説を想像させるが…アスペルガー症候群で絵画に天才的才能を持つ同級生を「学校」という「普通の集まり」から救うために敢然と立ち向かう少女の命の戦いが激しく生々しく描かれていく。後半少女の精神が混乱していく様子が出てくるが、実際にこういう治療をしているときに心の深い深い場所で起こるまさにそのカオス状態がリアルに描写されている。「普通」であることを強いられる学校生活。そこにムリヤリはめ込まれる「普通でない子供達」をどうやって理解していけばいいのか、これを読めばそのヒントが得られるかもしれない。

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2009/10/10

相原真琴、13歳。「普通」が求められ、息詰まる学校で、彼女は見出した。パパとママと同じように、妥協せずに。相手は、驚天動地、天衣無縫の先天性不思議少年。 『氷の海のガレオン』の著者が描く、気高き少年少女の物語。

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2009/10/04

 児童文学、なのかなこれは。  とりあえず手に取るときドキリとする題名ですねー。  木地さんの新作。そうきたかーと思いました。  気が付けば体制側の人間になっているじぶんには、ほろ苦くもあり。  でもこの不安定さを忘れたくはないと思う。

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2009/10/29

発達障害を持ちながら、天才的な絵の才能を持つ男の子 彼と出会い、ともに歩みはじめる少女 13歳の青春たち。 脇役ながら染谷くんが格好いいぞ!

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2009/10/07

相原真琴、13歳。 母は15歳で彼女を産み死亡、父は失踪という、 複雑な家庭環境に育ちながらも、 祖母や祖祖母、叔母たちに囲まれ、まっすぐに生きてきた。 そんな彼女が、心惹かれるかれたのは、 クラスメイトたちに変人だと思われている同級生・南。 不思議な絵を描く自閉症の彼に、いつ...

相原真琴、13歳。 母は15歳で彼女を産み死亡、父は失踪という、 複雑な家庭環境に育ちながらも、 祖母や祖祖母、叔母たちに囲まれ、まっすぐに生きてきた。 そんな彼女が、心惹かれるかれたのは、 クラスメイトたちに変人だと思われている同級生・南。 不思議な絵を描く自閉症の彼に、いつしか恋に落ちるのだった。 いじめや虐待などの問題も描かれ、ただの中学生の恋愛小説とは違う、 ある意味、刺激的で、ドキドキしつつ、幸福感も味わえ、 なんとも、すっきりとして、さわやかで、不思議な読後感で、 今までにない、好奇心をそそられる本でした。 中学生にしては、大人びていて、ちょっと違和感を感じたりもしたけれど、 いまどきの中学生は、こんな感じかな?と思い直し、 年齢設定は気にしないようにして物語を楽しみました。 真琴に恋をするもう一人のヤンキーの少年が、私は好き! とっても可愛くていい男なんです!

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