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悦楽の園 の商品レビュー

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19件のお客様レビュー

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2009/10/07

「ふつうの子」以外ははじかれてしまう学校で、輪に入ることができない発達障害の少年と、彼を守るためたたかう少女の物語。 すごくよかったです。感動しました。少女が賢すぎ、ありえない物語展開などの難点はありますが、発達障害の子の苦しみや中学校の閉塞感をよく描いています。 いいな...

「ふつうの子」以外ははじかれてしまう学校で、輪に入ることができない発達障害の少年と、彼を守るためたたかう少女の物語。 すごくよかったです。感動しました。少女が賢すぎ、ありえない物語展開などの難点はありますが、発達障害の子の苦しみや中学校の閉塞感をよく描いています。 いいな・・と思ったのは、少女が「いじめ」の匂いを感じたときにすぐに欠席し、それを家族もスンナリ肯定すること。これができず、いじめを受け続けトラウマになっている人のなんと多いことか・・。 また障害児が学校で過ごしていくのがなんと難しいことか・・と、勉強になりました。 子どもの社会は残酷。「理解できないものは存在しない。わかりやすい同士で手をつなぎ、円陣を組んで普通という名の集団を形成し、全員が全員、その中心点の方だけを向いて・・」確かに自分の小、中学校もそんな感じだったなあと思います。 学級のカーストとは言い得て妙。「ヘンであることが美徳になり、協調性のないことが誇りになり、そういう連中同士のゆるやかな連帯以外にはおかしな派閥もカーストもなくなる。実体のない普通という名の呪いをそうやって解いてしまうのよ」・・実際にはありえないけど、こういうことを目指して頑張る少女は現代の真のヒロインといえるでしょう。

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2009/10/04

氷の海のガレオンの著者。久々の新刊ということでダヴィンチで紹介されていたので読んでみました。 成長の早い少女とちょっとヤンキーと発達障害?の少年の話。 強くあろうとする少女がさわやか。 いい話です。

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2009/10/04

うわあ! これは、何か、ものすごいもの引き当てた! 今思い出すと赤面裸足で逃げ出したくなるような、自意識を持て余しつつ内実全能感に満ち満ちていた、とっても生きづらい鬱屈思春期を過ごした覚えのある全ての人に、突き刺してえぐって塩をすりこむ! そういうヤングアダルト小説でした。...

うわあ! これは、何か、ものすごいもの引き当てた! 今思い出すと赤面裸足で逃げ出したくなるような、自意識を持て余しつつ内実全能感に満ち満ちていた、とっても生きづらい鬱屈思春期を過ごした覚えのある全ての人に、突き刺してえぐって塩をすりこむ! そういうヤングアダルト小説でした。 いでででで←思い当たるフシあり 「馴染めなさを感じながらも集団生活を表面的にはそつなく送る私」を主人公に据えた物語の大概が退廃やら滅びに美学を見出している中、この物語は戦ってます。学校という勢力圏内のはみ出し者を従え、普通という名の見えない圧力に反旗を翻すジャンヌ・ダルクです。その逞しさだけでわたくし涙が出そうであり、この年でまだソレか、とちょっと気恥ずかしくもあります。てへ。とりあえず、当たり!

Posted byブクログ

2009/10/04

読む前は、何となくファンタジーだと思ってました。読み始めたら青春小説だったのかと思いきや、最後には…。とにかく感動しました。ネタバレ無しでは説明できないのがもどかしいんですが、青臭いのが嫌いじゃない方には強く奨めます。

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2009/10/17

2008.02.15. 本を読んで泣く、なんてこと本当に滅多にない。『号泣しました』なんて帯では引いちゃうくらいだし、そういう涙には縁がなかった。。。が、読了後知らぬ間に涙がつうっと頬を伝った。誰かが死んでしまうとか、どうしようもなく悲しいとかじゃない。嬉しくて心の容量がいっぱい...

2008.02.15. 本を読んで泣く、なんてこと本当に滅多にない。『号泣しました』なんて帯では引いちゃうくらいだし、そういう涙には縁がなかった。。。が、読了後知らぬ間に涙がつうっと頬を伝った。誰かが死んでしまうとか、どうしようもなく悲しいとかじゃない。嬉しくて心の容量がいっぱいになったのだ。本当にチンケな言葉だと思うけど、感動した。こんな種類の本、初めてだと思う。

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2009/10/04

こんなマセた中一がいるのか?!と思ってしまうのは私が幼かったからだろうか。 中盤〜終盤にかけて一気に幻想世界へと流れ込んでいくのが興味深く、いささか乱暴な気もすれど、ヒロインが精神的指導者の立場に立って、生徒たちが各々の奇矯な趣味を開花させていくくだりはそれなりに面白いです。 ...

こんなマセた中一がいるのか?!と思ってしまうのは私が幼かったからだろうか。 中盤〜終盤にかけて一気に幻想世界へと流れ込んでいくのが興味深く、いささか乱暴な気もすれど、ヒロインが精神的指導者の立場に立って、生徒たちが各々の奇矯な趣味を開花させていくくだりはそれなりに面白いです。 共同体における精神的アウトサイダーの立ち位置についての洞察の深さは特筆に価する感じ。でもこの人の描く幻想にはあんまり魅力を感じないのだよなあ。。。

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2009/10/04

な、何?いったいこの少年少女たち・・・ この子たちの非凡な生い立ちからこうなった訳ではないのでしょう。私自身この年頃には、思っても見ない戦い(っていっていいのかどうかも分からない)を日々乗り越えて成長する様は圧巻で傍目には心地よくもあります。

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2011/10/11

1994年のデビュー作から満を持しての4百頁!でも読み始めたらあっという間に最終頁でした。なんか過激で、でも今学校で起こっている問題を扱っているようで、どこかおとぎ話しのようであり、読み終わると実はラブロマンス?40人に2人は軽度発達障害がいるそうです。彼らは正しく理解されないと...

1994年のデビュー作から満を持しての4百頁!でも読み始めたらあっという間に最終頁でした。なんか過激で、でも今学校で起こっている問題を扱っているようで、どこかおとぎ話しのようであり、読み終わると実はラブロマンス?40人に2人は軽度発達障害がいるそうです。彼らは正しく理解されないと二次障害に陥る危険をはらんでいると言われています。‘普通’とは何か。そこからはみ出したっていいことを大人が理解して、子どもたちに伝えていかなければならないのかもしれませんね。

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2009/10/04

こんなにも優しくて、柔らかい恋愛小説が読めるとは思ってもみなかった。 「氷の海のガレオン」にあった一人称一視点の肉体感や切迫感から一歩遠のき、「小説」であるというフィクションの客観的なぬくもりがこの物語には敢然と横たわっている。 たぶん、客観さの分だけレンジが広くなって、「ガレオ...

こんなにも優しくて、柔らかい恋愛小説が読めるとは思ってもみなかった。 「氷の海のガレオン」にあった一人称一視点の肉体感や切迫感から一歩遠のき、「小説」であるというフィクションの客観的なぬくもりがこの物語には敢然と横たわっている。 たぶん、客観さの分だけレンジが広くなって、「ガレオン」が微かにしっくり来なかったアタシみたいな人間にもヒットしたんだろう。 もしかしたら、優しさの分だけ、深さや鋭さや、本来もっとも受け取るべき人に刺さりきらなかったりするかもしれない。そういう人は改めて「ガレオン」を読めばいい。 これから先どれだけ生きるかわからないけど、アタシは何度もこの本を読み返すだろうし、もしかしたら大切な人に贈るだろう。 読むことが、読み終えることが、たまらなく嬉しかった。 生きてて良かった。

Posted byブクログ