花さき山 の商品レビュー
そこにある一面の名もなき花が、どうして咲くのか、どうしてこんなに、綺麗なのか。 山奥に迷い込んでしまった十歳の「あや」に、山ンばが語りかける。 その花は、ふもとの村の人間が優しいことをするとひとつ咲く。 あや、おまえのあしもとにさいている赤い花、それはおまえがきのうさかせた花...
そこにある一面の名もなき花が、どうして咲くのか、どうしてこんなに、綺麗なのか。 山奥に迷い込んでしまった十歳の「あや」に、山ンばが語りかける。 その花は、ふもとの村の人間が優しいことをするとひとつ咲く。 あや、おまえのあしもとにさいている赤い花、それはおまえがきのうさかせた花だ――。 家の貧しさを知っている姉が、自分は辛抱しても妹にだけは祭り着を買わせた時。 まだほんの赤ん坊の、小さな双子の兄弟の兄が、甘えたいのを我慢して母親を弟に独占させている時。 自分のことより人のことを思って、なみだをいっぱいためてつらいのを辛抱した時、その優しさと健気な気持ちが花さき山に花を咲かせます。 この『花さき山』に登場する山ンば(山姥)はとても優しい人です。けれどそのことを誰も知らないし、知ろうともしません。 でもその山ンばだけが、自分のことよりも人のことを思いやる優しい気持ちを持った人のことを知り、その優しさで咲く花を見守っています。 日本の多くの物語に登場する妖怪の例に漏れず、この山ンばも、寂しく切ない存在のようです。 著者・斎藤隆介先生は『八郎』で村を守るために八郎潟にその身を沈めて高波を防いた山おとこを、『三コ』では火事になった山にかぶさって、村や林が燃えるのを防ぎ焼け死んだ大おとこを描いています。 『花さき山』は戦後の歴史を歩み始めた日本を見てきた先生の、いっぱいに自分のために生きたい命を皆のために捧げる人々への愛、賛歌、そういう少年少女がたくさん育って欲しいという祈りだそうです。 先に紹介した『モチモチの木』と、『花さき山』は、私が物心ついた時には既に家にあった絵本ですが、挿画が切り絵ということもあるせいか、子どもの頃はちょっと怖くて苦手で、でも忘れられなくて、大人になってからやっと重要なテーマに気付いて泣きながら読んだ絵本です。 本当に、花さき山に優しさの花がいっぱいに咲かせられるような、そんな自分に、そんな人に、そんな国になれたら良いのに。
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読んでいるとほっこりします。 また方言が入っているのが特徴的ですっ! 方言によって内容が更に深いものに感じられました。 すごく道徳的だと思います
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2012.11.7 6-2 ------------------------- 2014.1.15 4-2 2014.2.5 2-1
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花さき山では、ふもとの村の人間が優しい事をすると、見たこともない美しい花が咲きます。涙をこらえ、自分よりも人の事を思いやった時に、咲く花を見たあやは、とてもおどろきます。また、人が命をかけて周りをかばうと山となります。 見えないからこそ、優しさやけなげさは、花となって咲きだすのです。今まで考えた事もなかった、花を咲かすための原動力、山が立派にそびえる原動力は、人を思いやる気持ちなのだと思いました。 誰も見ていなくても、力強く咲く花を自分も咲かせようと思わせてもらえる絵本です。
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人の為に尽くして生きたい、と思える本。 良い行いをすれば 花が咲く・・・・ 現実には花は咲かないけど きっと 人に尽くしていけば 自分の心の中にキレイな花が咲いているんだろうなぁ。
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やまんばが出てきて教えてくれる。 山の麓にさく花は、みーんな人間たちが よい行いをしたから咲いた花だと。 現実の世界であるかのように物語が終わるところがすき。 小さい時にこんな素敵な話を、教えてもらった アヤがうらやましいなぁと思う。 ずーっと心にとめておきたい、 なにかあった時には思い出したい そんなおはなし。
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独特の絵と鮮やかな色使いが印象的な、大好きな本です。人を思いやるとはどんなことなのか、触れてほしいですね。
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「ふき」、「火の鳥」etc……斉藤隆介さんと滝平次郎さんの絵本はどれも印象的だけど、この本が一番好き!小学校で読み聞かせをした時、聞き慣れない訛りで読んだせいか子供達の食い付きが想像以上によくてびっくりしたことがあります。勿論それだけじゃなく、「これが一番面白かった」という子が少...
「ふき」、「火の鳥」etc……斉藤隆介さんと滝平次郎さんの絵本はどれも印象的だけど、この本が一番好き!小学校で読み聞かせをした時、聞き慣れない訛りで読んだせいか子供達の食い付きが想像以上によくてびっくりしたことがあります。勿論それだけじゃなく、「これが一番面白かった」という子が少なくなかったので、誰にでも分かりやすくて良い内容なんだなあとしみじみ思いました。 熱心に読み過ぎて自分までウルってしまうことがある……。
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日々の生活の中で忘れてしまっている優しい心を思い出させてくれる一冊。子どもから大人までそれぞれの立場であじわえるよ!
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優しいことをすると美しい花がひとつ咲くという花さき山。妹思いのあやは「祭の晴れ着は自分はいらないから妹のそよに作ってやってくれ」 と貧しい家を気遣って親に申し出た。その優しい気持ちが赤い花となり……
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