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なおみ の商品レビュー

4.3

19件のお客様レビュー

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2024/07/30

展覧会ではかなり怖く感じたが、絵本を取り寄せて再読してみると、少女が思春期を迎え手放すもの持ち続けるもの心の奥にしまっておくものなど郷愁を感じさせる読後感。 「ふるいおしろのあるまち」ってどこなのだろう。 人形なおみの潤いのある瞳に吸い込まれそう。 なおみと同じ黒髪の少女の一人遊...

展覧会ではかなり怖く感じたが、絵本を取り寄せて再読してみると、少女が思春期を迎え手放すもの持ち続けるもの心の奥にしまっておくものなど郷愁を感じさせる読後感。 「ふるいおしろのあるまち」ってどこなのだろう。 人形なおみの潤いのある瞳に吸い込まれそう。 なおみと同じ黒髪の少女の一人遊びが楽しそうで、儚い美しさ。

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2023/06/01

日本人形のなおみとわたし、循環する時の物語。ノスタルジー溢れる写真と谷川俊太郎氏による詩のコラボレーション。ページの向こうからあるはずのない音がとどく。時計の音、古い歌、囁き声、ひぐらし。傑作絵本の名にふさわしい名作だ。 「写真」というメディアならではのメッセージ性が感じられた...

日本人形のなおみとわたし、循環する時の物語。ノスタルジー溢れる写真と谷川俊太郎氏による詩のコラボレーション。ページの向こうからあるはずのない音がとどく。時計の音、古い歌、囁き声、ひぐらし。傑作絵本の名にふさわしい名作だ。 「写真」というメディアならではのメッセージ性が感じられた。時間は写真の中に凝固して、ある意味では異化される。写真に映る像は過去だが、こちらがそれを見て、何かを感じている瞬間は常に現在だ。こうした対象との距離感は、本来ならば同一存在であるはずの「わたし」となおみがまるで分身のように離れているのと通じている。 実際、撮影されたモデルはもう中高年女性だろう。でも写真の中には少女がいて、モデルとは無関係に存在し続ける。永遠に成長しない人形として閉じ込められている。 わたしはなおみであり、なおみはわたしなのだ。娘もまた新たな「わたし」でしかない。なおみの死とは少女性の死に他ならず、それは当事者にとっての死ではもちろんない。外部からの視点による喪失感である。 この作品はまぎれもなく名作だと思う。しかし、過去を所有し、愛でようとする、という意味では完全に大人むけの内容だ。写真にロリコン趣味が入っているのも、偶然というよりはむしろロリコン趣味そのものの内容だからだろう。

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2022/09/28

昭和初期? ぬいぐるみ等ない時代の 少女と玩具の絆を描いた本なのだろうが 現代において どうやってもホラー。 写真ではなく絵だったら どんなに素敵だろう。 もったいない。 年配の方に読んでほしい。

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2021/04/14

怖いというよりも、心に静かに語りかけるものがあった、深い作品。(そりゃ私はこどもではないからね) 人形の表情が変わっている、みたいな都市伝説もあるようだが、あながち間違ってもいない。撮影者がその手の界隈で有名な人であるからか、なおみと少女の姿は、どこか耽美で背徳的な感じがする。...

怖いというよりも、心に静かに語りかけるものがあった、深い作品。(そりゃ私はこどもではないからね) 人形の表情が変わっている、みたいな都市伝説もあるようだが、あながち間違ってもいない。撮影者がその手の界隈で有名な人であるからか、なおみと少女の姿は、どこか耽美で背徳的な感じがする。例えるなら女性崇拝的な。 話の内容としては「世代を超える人形遊び」をメルヘンチック描いたものだと思う。いつかは「人形遊び」を卒業する時がやって来る。それを「死んだ」と表現しているあたり、べつに人形遊びが恥ずかしくなったわけではないのだな、とは思ったけれど、そこには彼女なりの人形に対する愛情のような執着のような何かがあったのだろう、とも思う。しっかりなおみがしまわれていることを大人になったら思い出しているし、やはり少女時代における人形との思い出は、どんな形であれ心に刻まれていくものなのだろう。 まあでも、その思い出の人形が黒髪の日本人形だと、ちょっと怖いよね(笑)

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2020/03/02

2017.8.18 怖い怖いと聞いていたけれど、なんて静謐で美しい写真絵本。子どもと人形。独特のふたりの世界。子どもにしか持てない親密な関係。そして次の代に受け継がれていく。

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2018/08/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

“こわい絵本”“トラウマ絵本”としてその筋には有名な作品。同性愛や小児性愛といったエロティシズムを匂わせる趣きもあり、先ずこども向けのようには思えない問題作だ。 作・谷川俊太郎、発表は1982年福音館書店の月間絵本『こどものとも』。雑誌掲載時の装丁は定かでないが、2007年復刻版は写真・沢渡朔による、6歳の少女と市松人形との写真で構成された絵本である。 生まれる前から自分のそばにいたその人形と、少女は瓜ふたつ。まるで双子かなにかのように、片時もそばを離れず、海へ出掛けたり、一緒に寝たり、喧嘩をしたりする。 とつぜんなおみは病気になって、熱を出し、ある朝、目を見張ったまま、死ぬ。 この唐突な展開。写真のもつ古めかしさとリアリティ、普通の絵本とは違う距離感や温度は、こどもにとっては異様な印象となって脳裏にこびりつくだろう。 (いつか、わたしも、なおみのように、しぬのだ) そして少女はなおみとの別れを淡々とかなしみつつ、迷うことなく成長し、彼女を懐かしみながら、また我が子の横にそっと寝かせる。 文字だけを見てみると、少女と人形の出会いから別れ、さらに再会までを、シンプルなストーリーとして描いている。谷川さんが男性で、実体験がないことからこういうメルヘンチックな物語を書くことができたのかもしれないし、第一の読み手・語り手が基本的に母親(女性)となることを想定して、このようなループものに仕立てたのかもしれない。 写真(を見る私)にいかがわしさを感じてしまうのは、なぜなのか。と、沢渡さんについて存じ上げなかったので検索してみると、見事に少女写真、アイドルグラビアで有名な写真家さんだった。 作品の善し悪しは判断つきかねるが、詩と写真を並べるとこうも話の背景・奥行きが違って見えるものか、と驚いている。

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2017/07/17

怖いような雰囲気のある風景.人形と人間の境界が曖昧になるぐらいどこか似かよっていて,この「なおみ」が,また娘へと受け継がれていくのだ.

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2016/11/13

そして あるあさ なおみは しんだ わたしのそばで めを みはったまま 福音館書店には珍しく対象年齢が明記されていない写真絵本。 これは子供には悪夢。

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2015/03/19

文も写真も美しいです。日本人形のなおみとお人形のようにかわいらしい少女。なおみは少女性の権化でしょうか。雨の日に海へ、晴れた日に読書。なんだかねじれた感じが少女らしさを強調しています。この本の良さは子供にはわからないんじゃないかな。

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2014/02/16

少女の成長がテーマだって最近になって知った。 出会ったのは小学生1年の時。子供ながらにして衝撃を感じて学校の図書スペースで読んだんだけど、高学年になってその本が破棄されていてちょっと悲しかった。 生き生きと感じて凄い本だと思った。是非手元に欲しい。 アマゾンで見つけてやっと手に...

少女の成長がテーマだって最近になって知った。 出会ったのは小学生1年の時。子供ながらにして衝撃を感じて学校の図書スペースで読んだんだけど、高学年になってその本が破棄されていてちょっと悲しかった。 生き生きと感じて凄い本だと思った。是非手元に欲しい。 アマゾンで見つけてやっと手に出来た♪

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