少年アリス の商品レビュー
足穂だ! 書評を先に読んでしまい興味を持った。 幻想的であり、夢のようでもあり。 卵(鳥になれなかった=未熟な? 子どもから大人になるでもなく、子どものままでいるのでもない。 月の光:霧につつまれた様な雰囲気。
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文学におけるマニエリスムとはいかなるものか、具体的想像を欠いていた私に、少年アリスは実体を呈して教えてくれた。 これはメタファーの戯れか、それでありながらプロットもまたサスペンスに溢れ、ほの暗さが幻想的である。 これは少年アリスが卵を通して再誕生するイニシエーションの物語か、敢え...
文学におけるマニエリスムとはいかなるものか、具体的想像を欠いていた私に、少年アリスは実体を呈して教えてくれた。 これはメタファーの戯れか、それでありながらプロットもまたサスペンスに溢れ、ほの暗さが幻想的である。 これは少年アリスが卵を通して再誕生するイニシエーションの物語か、敢えて少年としたのも、それを際立たす為か。 ではアリスにした意味は?夢オチへの整合性?では蜜蜂は?いろいろな疑問を残しながら小説は終わる。
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最初の一行からどっぷりと世界に浸かれるような作品で、一言一言がほんのり発光しているような控えめな美しさがある。何故だか死のにおいがちょっとして、アリスが迷い込んだあの世界は本当に怖かった。私はアリスが死んだんじゃないかと思っていた。 でも結局アリスは時間のゆがみはあったものの元の...
最初の一行からどっぷりと世界に浸かれるような作品で、一言一言がほんのり発光しているような控えめな美しさがある。何故だか死のにおいがちょっとして、アリスが迷い込んだあの世界は本当に怖かった。私はアリスが死んだんじゃないかと思っていた。 でも結局アリスは時間のゆがみはあったものの元の(冒頭の)世界に帰って来れた。これが本当に本当なのかな、という疑惑は拭えず。本当にあの教師の言うとおり、アリスは夢をみていたのかもしれない。 そういう、疑うに足る端くれを見つけるまではそのような問いは不適切であると思うけれど、実際そう深く感じられる世界を垣間見せられたあとではどうしてもそういう(平たく言えばマトリックスの培養液の中みたいな)世界であると疑うことをやめられない。
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15年振りくらいじゃなかろうか。 それにしても長野さんファンは日本中に溢れていて、とにかく図書館でも書店でも、この少年アリスだけはそもそもなかなか目にすることがない。 で、珍しく文庫版に出会ったので再読。 やはりこの人は、特にこの一冊は、ひとつの時代を創った作品だと思う。おおく...
15年振りくらいじゃなかろうか。 それにしても長野さんファンは日本中に溢れていて、とにかく図書館でも書店でも、この少年アリスだけはそもそもなかなか目にすることがない。 で、珍しく文庫版に出会ったので再読。 やはりこの人は、特にこの一冊は、ひとつの時代を創った作品だと思う。おおくの人にとって特別な作品であるように、私にとっても特別な印象のある作品。 アリス、蜜蜂と表記をずらしたところがなんとも衝撃で、なんて完成された人工の世界なんだと。この精緻なツクリモノとしての世界観が、白昼夢的に人を惹き付けて止まないのだと思う。なんか夏に読みたくなるしな。
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アリス、蜜蜂、耳丸。舞台はどこなんだってなりました(笑)なんかメルヘンで不思議なお話でした。つかみどころ無いですが何回も何回も読んでしまいます。
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少年という時代にだけすることのできる冒険を通じてまたその時代を終えようとし、夏の終わりと共にそれに惜別を感じる少年達の感性に魅了されました。
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独創的な世界観のある長野まゆみの原点。話の舞台は、現実世界のようなのだけど、著者の幻想的な表現によって、一種のパラレルワールドのようにも感じられる。その世界の住人アリスと蜜蜂が、夜の学校で別の世界に紛れ込んでしまう。二重のパラレルワールドが展開されているようで、とても不思議な作品...
独創的な世界観のある長野まゆみの原点。話の舞台は、現実世界のようなのだけど、著者の幻想的な表現によって、一種のパラレルワールドのようにも感じられる。その世界の住人アリスと蜜蜂が、夜の学校で別の世界に紛れ込んでしまう。二重のパラレルワールドが展開されているようで、とても不思議な作品。単純なファンタジーではなく心にチクッと刺さるものも、大人でも存分に楽しめる童話。 中学の頃に出会った本。当時は単行本だったが今回文庫を読み直し。「天体議会」もそうだけど、この作家の初期の作品を何冊か読んでいると宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」(登場人物のほとんどが猫の姿で描かれてたアニメ版)の世界をいつも想像してしまう。 透明感で溢れている作品だと思う。 行間、漢字の使い方、物(質)の名前が独特で文の書体も独特。読み手の好みが分かれてしまうが文章を読んでいるはずなのに、綺麗な水彩画を見ているような気分になる不思議な世界観が私は好き。 「水蓮の開く音がする月夜だった。」という冒頭の文章に衝撃を受けたのを今でも思い出す。水蓮の開く音、とは?!と。 群青天鵞絨(びろうど)色のメルヘンという言葉がとても似合うデビュー作。長野まゆみ作品で一番好きな物語。
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再読。初めて読んだのは10年近く前になるのかなぁ。他にも長野さんの作品はいくつか読んだけど、手元に残っているのは「少年アリス」と他1冊だけ。きらきらとした、素敵なメルヘン。星を縫いつける描写が大好きでした。ときめく! 理科に疎い私には、「?」となってしまう所もあるんだけど、そんな...
再読。初めて読んだのは10年近く前になるのかなぁ。他にも長野さんの作品はいくつか読んだけど、手元に残っているのは「少年アリス」と他1冊だけ。きらきらとした、素敵なメルヘン。星を縫いつける描写が大好きでした。ときめく! 理科に疎い私には、「?」となってしまう所もあるんだけど、そんな感覚も含めて現代版の宮澤賢治を読んでいるようでした。
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やっぱり著者の幻想的でやわらかい文体が好き。目の前にありありと浮かんで来るようで、すらすらと読めた。浮かび上がって来る情景に引き込まれる。
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すごーくふわふわして、きらきらしたおはなし。 アリスと蜜蜂が、互いに思い合って成長していくところがなんともかわいらしいと思います。 夜の学校・理科室となんともファンタジーな世界で、一気にさらっと読んでしまいました。 字体も可愛くて、絵本みたいな印象を受けました。 でも、そ...
すごーくふわふわして、きらきらしたおはなし。 アリスと蜜蜂が、互いに思い合って成長していくところがなんともかわいらしいと思います。 夜の学校・理科室となんともファンタジーな世界で、一気にさらっと読んでしまいました。 字体も可愛くて、絵本みたいな印象を受けました。 でも、その前に読んだ本が東野圭吾さんだったからちょっと物足りなさを感じてしまったので、星3つで泣
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