かさ の商品レビュー

太田大八【著】

2016/08/09

　字のないモノクロの世界で移動する女の子の小さな赤い傘。それだけで視点は移り変わり、読み手側の世界も拡がっていく。
　「本」というものは須く「字」があるものだと思っていたので、「絵」だけで読ませる「お話」があるとは、と幼心に衝撃的だった（同じ頃、イエラ・マリの作品も知って、二重の衝撃だったな…）

　作者の訃報に寄せて。
　とても哀しい。

2016/06/04

私のすきな、雨のイメージ。
文章はないんだけど、それが逆にいい。
モノクロの中に映える、赤い傘も素敵です。

2016/05/18

文章はありませんが、絵が語る物語を聞いてください。
女の子が長い傘をもって、赤い傘をさして歩いています。誰かのお迎えかしら。
私はどこから女の子を見ているのか…遠くなり近くなり、でもモノクロの絵のなか、赤い傘だけはすぐに見つけられます。
絵を読んでいるうちに、雨の音がきこえてきて、穏やかなきもちになりました。

2015/07/03

台詞無し。赤い傘を差した娘が父親を駅に父の傘を持って迎えにいく話。
娘はいろいろな想像をして物語を作る。単に絵の意味づけだったり，何でそうなのかを説明したり，私の問いかけに答えたり，私の解釈に賛同したり。
タイトルが「かさ」なのも面白い。赤い傘。今だったら，カラフルな傘も多いのでこんな発想で絵は描けないのかも。
こういう手法で絵本を作って見せ合うのも面白いかもしれない。

2013/09/30

シンプルなグラフィックの文字無し絵本。
雨の日、女の子が赤いかさをさしてお父さんを駅まで迎えに行きます。墨一色の画面に配された赤いかさという、シンプルな画面が、女の子の不安やワクワク感を引き立てています。雨の音さえも聞こえてきそうなほど、文字なしでもいろんなことが伝わってきます。おとなにも、子どもにもおすすめの１冊です。

2013/06/20

字のない絵本。
女の子が、長い紳士傘持って、赤い傘をさして歩いていきます。
モノクロの景色に赤い傘がはえます。
色々な出会いのある長い道中を経て、駅でおとうさんを迎えます。
おとうさんとの帰り道は、楽しくあっという間だったでしょう。
そういうこともみんな絵から読みとれます。

小さい頃、バレエ教室の発表会で、童謡「雨傘唐傘」にのって
揃いの真っ白いチュチュに赤ずきんちゃんのような合羽を着て
黒い紳士傘をさして踊ったことがあったっけ。
傘は各家庭の自前だった。
あのころは、お父さんの傘というのは黒くて長いものだった。
そして小さい子が傘もっておむかえにいくのが日常だった。

今はそもそもお父さんのお帰りは夜遅いし、
幼ない子を1人で駅にやるなんてなかなかできないな。

2012/06/08

文字なし絵だけの絵本。女の子が雨の中傘を持って駅までお父さんを迎えに行く。その途中で色々なことに興味がそそられる。
絵だけ見ていると文字がない分、自分でお話が作れる。色んな本を読ませたあとに読むと、自分の世界がさらに広がって、また違った読み方ができるのでは？と思った。

2012/05/15

おしゃれ。
街は日本の街っぽくない。あえていえば銀座っぽいか。
道行く人は70年代な感じ。
好きな作品です。

2012/01/21

文字は一切ない････だから絵を見て色々想像しながら物語を考えられる、そんな絵本です。
白黒タッチの中に、中心となる女の子にだけ、赤が使われており、イラストとしても、絵本としてもとても見栄えのあるものになっていると言えるだろう。

2012/02/02

ひとことも文字はないけど
ものすごく伝わる。

行きしに気にしていた
ドーナツやさんに帰りに寄るところでウケた笑。