はせがわくんきらいや の商品レビュー
彼が口にする「きらいや」という言葉には愛がある。そう感じるのは彼の行動に愛があるからだと思う。 同情や憐みではない。知らない、分からない、だから付き合ってみる。上っ面ではない子どもの優しいとは、どのようなことなのかを考えさせられました。 ヒ素ミルク中毒事件というものが実際に日本...
彼が口にする「きらいや」という言葉には愛がある。そう感じるのは彼の行動に愛があるからだと思う。 同情や憐みではない。知らない、分からない、だから付き合ってみる。上っ面ではない子どもの優しいとは、どのようなことなのかを考えさせられました。 ヒ素ミルク中毒事件というものが実際に日本で起こり、そして被害にあわれた方々がいてることを忘れてはいけないという気持ちになる一冊です。
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砒素ミルクの被害者である長谷川君に、子どもらしいストレートな感情と疑問をぶつける『ぼく』。『はせがわくんなんかきらいや。』、と言いながらも『長谷川くん、泣かんときいな。長谷川くん わろうてみいな。』って言う。『なあおばちゃん なんで長谷川くん あんなにめちゃくちゃなんや。』『なん...
砒素ミルクの被害者である長谷川君に、子どもらしいストレートな感情と疑問をぶつける『ぼく』。『はせがわくんなんかきらいや。』、と言いながらも『長谷川くん、泣かんときいな。長谷川くん わろうてみいな。』って言う。『なあおばちゃん なんで長谷川くん あんなにめちゃくちゃなんや。』『なんで、そんなミルク飲ませたんや。』って言う。ぼくは、本当にはせがわくんが嫌いなのか、一緒に考えてみたい本です。
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味のある手書きの文章がとても魅力的です。 ハンデのあるはせがわくんと付き合う男の子のやさしさと大変さの入り混じった複雑な気持ちが心に響いてきます。
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自宅にあった絵本。 昭和三十年森永砒素ミルク事件が起こる。森永乳業徳島工場にて製造されたドライミルクに混入していた砒素によって西日本中心に二万人以上の乳児が身体に異常をきたし、二五〇人の命が失われた。作者はこの砒素入りドライミルクを三缶飲んだ。その作者の幼少の時分の事が友人を通...
自宅にあった絵本。 昭和三十年森永砒素ミルク事件が起こる。森永乳業徳島工場にて製造されたドライミルクに混入していた砒素によって西日本中心に二万人以上の乳児が身体に異常をきたし、二五〇人の命が失われた。作者はこの砒素入りドライミルクを三缶飲んだ。その作者の幼少の時分の事が友人を通して客観的に絵描かれている。クレヨンで書いたような文字に絵。 友人が「きらいや」と云いながらも、長谷川君をほってはおけないと云った気持ちが良く伝わってくる。
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昔の森永粉ミルク事件で、ヒ素中毒になった子を扱っています。著者の長谷川集平も少しこの粉ミルクを飲んでいたそう。優しさのこめられた「きらいや」にグッときます。 高学年の食育とかで読めるかな?
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昭和30年、森永ドライミルクへのヒ素混入事件がありました。西日本を中心に2万人以上の乳児が被害にあいました。その後、20歳になった作者がその被害で亡くなっていった友人達のこと、この夏にバイトした学童保育クラブの子どもたちのことを思い出しながら書いた本です。 内容は、被害者が...
昭和30年、森永ドライミルクへのヒ素混入事件がありました。西日本を中心に2万人以上の乳児が被害にあいました。その後、20歳になった作者がその被害で亡くなっていった友人達のこと、この夏にバイトした学童保育クラブの子どもたちのことを思い出しながら書いた本です。 内容は、被害者が幼少の頃のこと。 幼稚園から小学校時代、被害者である子どもに対して周りの友人達がどのように接していたのか、とてもよくわかります。 スケッチブックにクレヨンで書いたようなシンプルな単色の絵がとても印象的。大阪弁で書かれた文のおかげもあって、暗さはまったく感じられません。おしまいの頁の絵と文章には特に考えさせられました。
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ほんとのお話なの?と読み聞かせた娘から何度も確認されました。 長谷川くんのことはなんだか嫌で、嫌いなんだけれど、ほっておけない。正直な子供の感性。むごいヒ素事件。絵と文章が胸に迫ります。強いメッセージを持った絵本。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本は今から35年も前、森永ヒ素ミルク中毒事件を題材に自らもヒ素ミルクを飲んだ長谷川集平さんが20歳のときに書いた本です。 白黒の絵と文字は胸にズシンと迫る迫力です。 何度読んでも気持ちが釘付けになります。 長谷川くんは体が弱くてすぐ泣くし、世話がやける。 ぼくは長谷川くんが嫌いと言いながら、長谷川くんをほうっておけません。 ほんとにいい子だなあ。優しいなあ。 長谷川くんもみんなについていきたくって一生懸命です。 長谷川くんのおばちゃんのせつない思いや、当の長谷川くんの気持ちが溢れ出ています。 最近、この本のブックトークを聞く機会がありました。 子どもたちにぜひこの本を知ってほしくて、読み聞かせをしてみました。 難しかったけれど。
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