まぼろしハワイ の商品レビュー
3つめの作品が好き。 私が家族と旅行にいくと、心配で夜に起きてしまう。 みんな消えてないか、そこにいるか。 それが確認できると私は一人一人のことを触って、また寝る。 安心と、すこしの翌朝への心配とともに。 そんなこと日常では思い出さないのに これを読んでいたら急に思い出した。...
3つめの作品が好き。 私が家族と旅行にいくと、心配で夜に起きてしまう。 みんな消えてないか、そこにいるか。 それが確認できると私は一人一人のことを触って、また寝る。 安心と、すこしの翌朝への心配とともに。 そんなこと日常では思い出さないのに これを読んでいたら急に思い出した。 さみしくって、家族を離れることはこういうことなんだ、と思った。 私にはまだできない。 それともう一つ。 「オンマ」という言葉を聞いたことがある。それを言った彼女は しっかりしてて、ちょっと嫌味っぽくて、泣き虫だった。 彼女が「オンマ」という時には、 甘えと、反抗と、遠慮と、欲望が混ざっていた。
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2008.06.11 もう10年以上前からずっと彼女の本を読んできている私は、彼女と私の立ち位置が少しずつ少しずつ離れてきていることを、静かに悲しんでいる、と、思う…… 日本とハワイが毎年数センチずつ離れていくのよりも、もっと速いスピードで。確実に。 もちろん本は普通に面白か...
2008.06.11 もう10年以上前からずっと彼女の本を読んできている私は、彼女と私の立ち位置が少しずつ少しずつ離れてきていることを、静かに悲しんでいる、と、思う…… 日本とハワイが毎年数センチずつ離れていくのよりも、もっと速いスピードで。確実に。 もちろん本は普通に面白かったし、彼女ならではの表現力に感嘆したりもしたんですけどね。 173ページ、「青の中の銀はどうしてか死の匂いがする。」 言われてみて初めて気付く、その微妙な感覚! 私は文章を書くのがとても好きだけれど、文筆で身を立てることなんて絶対に無理だとつくづく思い知る。 ハワイに行ったことがないから、イマイチ共感が薄いのかなあ? 高校時代に読んだ『キッチン』『哀しい予感』『白川夜船』『N・P』などなどの、まさしく肌に切り込んでくるような切なさは、悲しいけれど『まぼろしハワイ』からは感じることができなかった。 彼女も私も、変わったということなんだろう。 けれどそれでも私は、彼女の新刊が出るたびに読み続けていくと思う。
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それぞれの家族のみっつの物語。 あまりに生々しい。 生々し過ぎてくどいと感じる部分すらあるほどに。 しかし読み終わるとほっとする。 優しいことばかりが書いてあるわけではないのに。 家族はどれも、所謂世間で言う家族とは違っていて 所謂当たり前とは程遠い、けれど幸せを知っている。 ...
それぞれの家族のみっつの物語。 あまりに生々しい。 生々し過ぎてくどいと感じる部分すらあるほどに。 しかし読み終わるとほっとする。 優しいことばかりが書いてあるわけではないのに。 家族はどれも、所謂世間で言う家族とは違っていて 所謂当たり前とは程遠い、けれど幸せを知っている。 世間で言えばマイノリティで、不幸と言われる存在かもしれない。 でもそれが彼らには普通で当たり前の日々であり関係。 異常にも慣れ、受け入れるのが人間なのだ。 そしてその中で、彼らのそれぞれの人生を彩っていく。 日に透けた髪に枝毛があって、 しかしそれですら愛していたのだろう という描写はばななさんならではの愛情の描き方だと思った。 個人的には、『姉さんと僕』が気になった。 書いてあることはあまりにショッキングだ。 幸せの最中、新しい幸せを迎える為の散歩中 未来が奪われてしまい、ただひとり僕だけが希望として残され それを見ていた姉。 飲酒運転は許せない『僕』は、気性の激しい人だろうか? 私には、彼の身の上を聞いても平気で飲酒運転する人間の方が信じられない。 登場人物たちの闇を普通のこととして理解できる自分は やはり闇を持っている人間なのだろう。 しかしその闇は、多かれ少なかれ誰しもが持っている 人間臭さのひとつなのではないかと思う。
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主人公は複雑な境遇にあり、ハワイという特別な地で生きる喜びを感じてゆく物語。3篇あります。ばななさんの本はいろいろ読んできましたが、ハワイやバリなどゆったりとした時間と自然を感じる土地と文章があいますね。フラの表現がとくに美しくて、まるで見てきたかのように生々しく煌いて感じました...
主人公は複雑な境遇にあり、ハワイという特別な地で生きる喜びを感じてゆく物語。3篇あります。ばななさんの本はいろいろ読んできましたが、ハワイやバリなどゆったりとした時間と自然を感じる土地と文章があいますね。フラの表現がとくに美しくて、まるで見てきたかのように生々しく煌いて感じました。
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ハワイを舞台にしたよしもとばななさんの小説です。読み終わったあとあたたかい気持になれます。そしてハワイに行きたくなります。
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面白かった!!表題作は書店で立ち読みしていたのですが、2作目が一番面白かったかな。お姉さんに育てられた男の子の話(ざっくり)。沖縄に行きたくなるわー(南国つながり)
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私ね、わかったの。 つまりさ…お風呂に行ったら、靴下の替えを忘れてきた、 それで、それを取りに部屋に戻ったら、花瓶の花が枯れていて、 それを捨てて、花瓶を洗って、そしたら靴下のこと忘れて、 ひきかえして、また靴下を持ってお風呂に行って、 それを置いてお風呂に入ったら、もうお風呂が...
私ね、わかったの。 つまりさ…お風呂に行ったら、靴下の替えを忘れてきた、 それで、それを取りに部屋に戻ったら、花瓶の花が枯れていて、 それを捨てて、花瓶を洗って、そしたら靴下のこと忘れて、 ひきかえして、また靴下を持ってお風呂に行って、 それを置いてお風呂に入ったら、もうお風呂がぬるくなっていて、 わかして、温まって、体を洗って、 明日もあさってもきっと洗うってわかっていても洗って、 お風呂を出て、靴下をはいたら、穴があいていて、 まあいいかと思うけどすうすうして寒くて、 そしてあきらめてその靴下を捨てて、また別の靴下を取りに部屋へ行く、 それが生きているってことなのよ。 果てしなく家事をしていたら、わかったの。 「姉さんと僕」より。 めまぐるしくて息苦しくなるのは私だけだろうか。
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ばななさんの本はどれもすきなんだけど、これはてごわかった。なかなか入り込めず、表面をさらってるような。。。読んだ季節がよくなかったのかな。何かが足りず、でも何かを悟ってるばなな作品に出てくるものはちゃんとあったんだけど、これまでよんだもののがよかったなぁ。特に最近は「吉本ばなな」...
ばななさんの本はどれもすきなんだけど、これはてごわかった。なかなか入り込めず、表面をさらってるような。。。読んだ季節がよくなかったのかな。何かが足りず、でも何かを悟ってるばなな作品に出てくるものはちゃんとあったんだけど、これまでよんだもののがよかったなぁ。特に最近は「吉本ばなな」時代のものを読んでたせいか。ハワイ好きにはいいのかな??
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タイトルに惹かれて手に取ったのだけれど、 久々に筆者の作品で好きだなと思わされた本です。 「まぼろしハワイ」と「銀の月の下で」 このふたつが温かい雰囲気でお気に入り。 ハワイにある不思議なあたたかい空気、 また肌で感じたいな。
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ハワイにはなにかあるらしい。 なくなったひとやおわったことと今をつなぐ、三つのお話。 白河夜船とかデットエンドの思い出とか最近よしもとばななをよく読んだけど、 職業的になんにもしてないひとみたいなのがよくでてきて、それが肯定されているところが 作者らしくてなんだか心地いい。
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