象の背中 の商品レビュー
感動作だといわれながらも、秋元康が作者なのであまり読む気になっていなかったが、余り小説で泣かないという妻が読んで涙が出たと聞いて、手にとることにした。 冒頭で末期癌に侵されていると知らされる主人公。 自分の人生と関わった人に、“遺書”を残したいという思いからこれまで関わった人...
感動作だといわれながらも、秋元康が作者なのであまり読む気になっていなかったが、余り小説で泣かないという妻が読んで涙が出たと聞いて、手にとることにした。 冒頭で末期癌に侵されていると知らされる主人公。 自分の人生と関わった人に、“遺書”を残したいという思いからこれまで関わった人々に会い、過去の清算をしてゆく。 特に感動的などんでん返しがあるわけでもなく、ドキュメンタリーの様に主人公の目を通して、死と言うものを見つめているが、これが逆に主人公へ感情移入してしまい、クライマックスで涙を流してしまった。 家族愛とは夫婦愛とは色々考えさせられる物語であった。 この小説は秋元氏の父と叔父がモデルとなっているらしく、この経験を通して著者が疑問に思っている死への向き合い方を物語化したらしい。 健康な間は思いもよらないが、誰もが必ず直面する「死」という人生の終焉に対して、読者に考えさせる機会を与える良書。
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主人公の父親が肺癌になり余命を告げられた。少しでも長く生きるために治療をする選択ではなく、死ぬまで生きるという治療をうけない道を選んだ。その中で父は今まで感謝した人々、死ぬまでに会いたい人々に会いに行く。自ら癌ということを告げ、その姿を読んで前向きというわけじゃないけど自分の死と...
主人公の父親が肺癌になり余命を告げられた。少しでも長く生きるために治療をする選択ではなく、死ぬまで生きるという治療をうけない道を選んだ。その中で父は今まで感謝した人々、死ぬまでに会いたい人々に会いに行く。自ら癌ということを告げ、その姿を読んで前向きというわけじゃないけど自分の死と向き合うという主人公に涙がでました。死を迎えることを恐れるのではなく、死を迎えても後悔しない最後の人生を送る主人公をみて自分も死の余命を宣告されたら治療を続けるのではなく、やり残したことをやりきりたいと思いました。
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ふー。 最後の方は涙ぽろぽろでした。 久し振りに小説読んで泣いた気がする。 あいかわらず、病気もの・家族ものには弱いなぁ。。。。 ホスピスの医師の、主人公藤山への言葉。 「生きるということは、意思を持つということ」 今の私の意思は何だろう?
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余命半年を宣言された主人公。 決して褒められる行き方をしていないけれど、残された時間の使い方に感銘を受けました。 秋元さんの導き方がとてもリアルで、ところどころ涙してしまいました。 映画を見たかったけれど時期を外してしまい、ただ、主人公に役所さんを思い浮かべながら読み進めました...
余命半年を宣言された主人公。 決して褒められる行き方をしていないけれど、残された時間の使い方に感銘を受けました。 秋元さんの導き方がとてもリアルで、ところどころ涙してしまいました。 映画を見たかったけれど時期を外してしまい、ただ、主人公に役所さんを思い浮かべながら読み進めました。 一番偉かったのは妻の美和子だったのかも?
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あと半年の命…末期ガンを宣告された中年男が妻に、子供に、そして愛人に最後に遺すものは。 「人は、本当に一人きりになりたいと思った時、誰もいない場所へ行くのではなく、人込みを選ぶものだと知った。」 冒頭のこの文章を読んだ時から、どうも作者とは感覚が合わないな…と思う。 実際その...
あと半年の命…末期ガンを宣告された中年男が妻に、子供に、そして愛人に最後に遺すものは。 「人は、本当に一人きりになりたいと思った時、誰もいない場所へ行くのではなく、人込みを選ぶものだと知った。」 冒頭のこの文章を読んだ時から、どうも作者とは感覚が合わないな…と思う。 実際そのとおりで、愛人のことはもちろん、人生は死に方がすべて、誰かが思い出してくれることが大事、そうした重要な部分での作者の考え方にことごとく共感できないまま終わってしまった。 文章自体は平易で、きっと作者と価値観が合う人には無類の感動を味わうことのできる作品だとは思う。 が、価値観合わない人にとっては期待外れ感でいっぱい。そんな作品です。 ※印象に残った文章 p.94「人生なんて、いつだって、”今更”の繰り返しなのだ。いつだって、何かに乗り遅れている。しかし、その”今更”は、『ここからは、もう、”今更”です』と明確な線が引かれているわけではなく、自分で勝手に決めているのだ。”今更”は、あきらめるための自分への言い訳に過ぎない。だとしたら、やらないよりやった方がいい。」 p.113「その時、俺は気づいた。裏切ろうとする人間より、裏切られるのではないかと疑心暗鬼になる人間のほうが醜いことを……」 p.160「言い訳をするということは、今までの関係を維持させてほしいという気持ちの表れでもあり、誠意のひとつだ。」
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この本を読んで めちゃめちゃ泣いた。 映画も観たくなった。 でも、このお父さんの事は許されへん! 読んでてめっちゃ腹がたった。
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久しぶりに泣いた・・・ 泣けて泣けて嗚咽がとまらなかった。 自分は余命を宣告されたら、残された命どう向き合っていくだろう。 はっきりしているのは、私も延命治療は受けないということ。 主人公は初恋の人や、口を利かぬまま別れてしまった旧友に会いに行ったりと自分の過去と向き合うけれ...
久しぶりに泣いた・・・ 泣けて泣けて嗚咽がとまらなかった。 自分は余命を宣告されたら、残された命どう向き合っていくだろう。 はっきりしているのは、私も延命治療は受けないということ。 主人公は初恋の人や、口を利かぬまま別れてしまった旧友に会いに行ったりと自分の過去と向き合うけれど。 私は限られた日々をどう過ごすだろう・・・ 主人公が最初に自分の余命を告白するのが長男だ・・ この息子との関係がすごくいい。 男同士とはこういうものなのか。 自分の元亭主と息子達のことを思った。 愛人との関係・・ 似たような思いをした。 似たような場面もあった。 そして女房として同じような考えだった・・ それでも、こういう最期だったら私はやはり最期まで看取るだろうと思った、 ある意味うらやましくもあった。 いろんな思いが読んでいてフツフツとわいて来た。 どうしても自分との過去を思い出すものだったし、またこれから向き合う死というものについて、常々思い巡らせていることでもあった。 叶うならこの主人公のように、満足して静かに終りたい・・
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主人公の男性、気持ちはわからないでも無いがわがままだって思いました。女の私には分からない部分がいっぱいあったかも。
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医師から肺がんで余命半年と宣告されてからの死に逝くまでの話です! 死に逝く前の人の言葉にはやさしさと素直に聞き入れられる力があります! もし自分が死んでしまった時に、お金や物以外になにが残せるだろうかと考えてしまいます!
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男性の夢と理想がつまった本。死期の迫った男性が、複数の女性と関係を持ったり、過去を懺悔したり、音信不通になっていた友人に会いに行ったりする。愛人と妻の両方に許されているあたり、ムカムカしたものを感じるのに、読んでいると泣けてくる。恐らく、普段の話し言葉に近い文体で書かれているため...
男性の夢と理想がつまった本。死期の迫った男性が、複数の女性と関係を持ったり、過去を懺悔したり、音信不通になっていた友人に会いに行ったりする。愛人と妻の両方に許されているあたり、ムカムカしたものを感じるのに、読んでいると泣けてくる。恐らく、普段の話し言葉に近い文体で書かれているためだと思う。この本のすごいところは、内容ではなく、悲しくないのに涙が零れることだと思う。
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