悪魔はすぐそこに の商品レビュー
2022/12/28読了(再読) ディヴァイン作品の事件は、本作のように大学内だったり、家庭内、ご近所内だったりと、狭いコミュニティ内で起きるので、密な人間関係が手掛かりにも目眩ましにもなるのが特色。10年以上ぶりの再読――犯人が判った状態で読んで、なるほど、ここの描写は違うふう...
2022/12/28読了(再読) ディヴァイン作品の事件は、本作のように大学内だったり、家庭内、ご近所内だったりと、狭いコミュニティ内で起きるので、密な人間関係が手掛かりにも目眩ましにもなるのが特色。10年以上ぶりの再読――犯人が判った状態で読んで、なるほど、ここの描写は違うふうに解釈するとこういうことか、という発見があった。
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これは当たりだ!大体ミステリーって話の筋がどうなっているのかを知るだけの作業で、本当に必要でない情報に振り回され、疲労させられ、疲れるだけで、全然楽しくないというのが現実。これは、いいね。シンプル、無駄がないし、全体的にシニカルな表現が多くて好み。人物の書き分けもうまい。こう、な...
これは当たりだ!大体ミステリーって話の筋がどうなっているのかを知るだけの作業で、本当に必要でない情報に振り回され、疲労させられ、疲れるだけで、全然楽しくないというのが現実。これは、いいね。シンプル、無駄がないし、全体的にシニカルな表現が多くて好み。人物の書き分けもうまい。こう、なんだろう、純粋に、人の歪んだ心が引き起こす殺人事件っていいなあ。やっぱ皆人間だから完璧でないし、嫉妬に苦しめられたり、その場の衝動でやってしまった、というような、迷って苦しんで、っていうのがうまく表現されてた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
すごく読みやすく、前評判の通り登場人物に個性があっておもしろかった。氷のように冷たく精密機器のようだと言われるルシールや、ルシールのそばで劣等感を抱えているが仕事においては有能なカレン、そしてカレンのことが気になるが歳の差を気にして中々踏み出せないラウドン、他人の不幸が大好物で迷惑な行動ばかりするミリガン。 犯人はまさかだった。ラウドン同様、なぜその可能性を思い付かなかったのだろうと思う。 それにしても、事件を解決するのは探偵役のラウドンではなく、ルシールというところが新鮮だった。ラウドンは真相にたどり着けず、またルシールに対して最後まで偏見を持っていた。きれいには収束しないのが印象的。
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美男美女カップルと平凡カップルが出てくるわけで。その展開であれば、まぁ普通は美男美女の方がうまくいかないように話を進めるのが、無難なところ。とは言え途中の展開は、やっぱりみんなイケメンが良いのかよ!結局顔かよ!と思わせるところも多く、はうあーってなるんだけども、最終的にはやっぱり...
美男美女カップルと平凡カップルが出てくるわけで。その展開であれば、まぁ普通は美男美女の方がうまくいかないように話を進めるのが、無難なところ。とは言え途中の展開は、やっぱりみんなイケメンが良いのかよ!結局顔かよ!と思わせるところも多く、はうあーってなるんだけども、最終的にはやっぱり男は顔じゃないよねって事になり、でも女は顔だよね、って事になり、これの意味するところは女を顔で選んでからにケシカランという事になるのか、それともしょせん男は女の顔やら身体しか興味が無いのか、という話ともいえる。 というくらい推理小説にしては犯人が誰かとか概ねどうでも良いという展開なのである。そもそも容疑者の一部は名前ですら呼んでもらえずに、役職名で呼ばれてたりするので、明らかに差別されていて。 という訳でラブストーリーとしてとらえてみると、ヒロインの謎さ加減というか、ツンデレっぷりというか、そういうのがちょっと悪くない、という気がしてくるのだった。
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ルシールの完璧人間(頭脳明晰、容姿端麗)ならではの心の悩みや葛藤をもう少し深く描写して欲しかった。 カレンが頑張り屋さんで好感が持てた。 男やもめの法学部長グレアム(45才)がカレンにほのかな恋心を抱きながら(←この辺がいい、謎解きだけじゃつまらないからね)痛む脚を抱えて謎ときに...
ルシールの完璧人間(頭脳明晰、容姿端麗)ならではの心の悩みや葛藤をもう少し深く描写して欲しかった。 カレンが頑張り屋さんで好感が持てた。 男やもめの法学部長グレアム(45才)がカレンにほのかな恋心を抱きながら(←この辺がいい、謎解きだけじゃつまらないからね)痛む脚を抱えて謎ときに奔走する姿が良かった。 ハルバート警視がとことん嫌な奴。ハルバート警視にいびられるチャールズ警部補の独白ならぬ毒白が面白かった。最後ハルバートに鉄槌が下らなかったのか残念かな。 先に読んだ「そして医師も死す」より、全然よかった。 D.Mディヴァインを読了4作目にして、ディヴァインはダメ男を書くのが上手いというのがわかった。
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ディヴァインの本って質のいいミステリ映画を観てるような感覚になるんだよね。 情景が彩りをもって浮かんでくるし、人物も活き活きとしてる。 トリックは古めかしかったり、チープだったりするけど、人物配置の妙で良作に仕立て上げてしまう。それが一番光るのが『災厄の紳士』なんだと思うけど、今...
ディヴァインの本って質のいいミステリ映画を観てるような感覚になるんだよね。 情景が彩りをもって浮かんでくるし、人物も活き活きとしてる。 トリックは古めかしかったり、チープだったりするけど、人物配置の妙で良作に仕立て上げてしまう。それが一番光るのが『災厄の紳士』なんだと思うけど、今作だってそれに引けを取ってない。 読書の悦びを教えてくれる数少ない海外作家。
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D・M・ディヴァイン初めて読んだ作品。 この後、他の作品を大人買い。 最近のミステリーはテンポが速くて世知辛い。 これは、古き良きミステリーでいい感じでした。 どの作品もそうですが、登場人物達がステレオタイプでなくて、癖がある人物なので、先が読めないところがいいですね。 トリッ...
D・M・ディヴァイン初めて読んだ作品。 この後、他の作品を大人買い。 最近のミステリーはテンポが速くて世知辛い。 これは、古き良きミステリーでいい感じでした。 どの作品もそうですが、登場人物達がステレオタイプでなくて、癖がある人物なので、先が読めないところがいいですね。 トリックとか犯人の意外性とか関係なく まったりと読めるところがお気に入りです。
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ディヴァイン2冊目は大学を舞台にしたミステリ。 犯人はミステリファンなら中盤辺りで見当がつきそうだが、登場人物の人間関係がきめ細かに描写されていて最後まで楽しめる。女性2人の恋愛模様がいいアクセントになっていた。 特に順番は気にせず読んでいるが、シリーズ探偵ものを書かなかった人...
ディヴァイン2冊目は大学を舞台にしたミステリ。 犯人はミステリファンなら中盤辺りで見当がつきそうだが、登場人物の人間関係がきめ細かに描写されていて最後まで楽しめる。女性2人の恋愛模様がいいアクセントになっていた。 特に順番は気にせず読んでいるが、シリーズ探偵ものを書かなかった人なので問題は無さそうだ。
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これはもう反則すれすれ。でもよくできているのでOKです。クリスティの名作を思い出した。 目につくと読むことにしているディヴァイン。そんなにメジャーじゃないのは、シリーズ物を書かなかったせいもあるのかな。単発作品ばかりだから、順番を気にせず読んでいける良さもあるんだけど。どれを読...
これはもう反則すれすれ。でもよくできているのでOKです。クリスティの名作を思い出した。 目につくと読むことにしているディヴァイン。そんなにメジャーじゃないのは、シリーズ物を書かなかったせいもあるのかな。単発作品ばかりだから、順番を気にせず読んでいける良さもあるんだけど。どれを読んでも、謎と人間ドラマの配分が絶妙で、しかもどっちも面白い。どっちかに偏っちゃうと、よっぽどのレベルじゃないと満足しにくいが、ディヴァインには本当に職人的なうまさがあると思う。 本作を読み終わったら誰でも、もう一度読み返すだろう。再読してしみじみ「うーん、なるほど!」とうなってしまった。
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このミス5位だったので読んでみました。 のんびりした感じで事件は進んでいきます。 人物描写は明快で悪くないと思う。 でも、途中でわかっちゃったんだよなぁ・・・ 期待していたのでちょっと残念。 なので、星は平均より-1つ。
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