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心臓と左手 の商品レビュー

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2011/09/07

 『月の扉』の後日談。『月の扉』で、冴えわたる推理を披露してくれた「座間味くん」が、ちょっぴり不可解ではあるもののたわいもない解決済みの事件の真相に迫る、安楽椅子探偵ものの連作集。全部で7編収録。 美味しい料理を食べながら、飲食店の個室で警察官の大迫と名探偵座間味くんが繰り広げる...

 『月の扉』の後日談。『月の扉』で、冴えわたる推理を披露してくれた「座間味くん」が、ちょっぴり不可解ではあるもののたわいもない解決済みの事件の真相に迫る、安楽椅子探偵ものの連作集。全部で7編収録。 美味しい料理を食べながら、飲食店の個室で警察官の大迫と名探偵座間味くんが繰り広げる探偵談義は、空腹も好奇心も満たしてくれる(笑)。1冊で2つ美味しい作品集だ。ま、キレキレの推理を見せてくれるものもあれば、そうはいうけどやっぱ机上の空論では?と思えるものもあって、玉石混淆に思えたけどねん。 私が唸ったのは「罠の名前」と「再会」かな。表題作も、座間味くんの名推理を聞かされるまで、なんでそんな簡単なことに気付かなかったのかと、歯ぎしりしたくなったっけ(笑)。論理の飛躍が見事すぎるほどお見事だ。 ただし、名推理なのかトンでも推理なのかは、読み手の判断に委ねられていて、あくまでもファジー。ちょっと微妙(汗)。だけど終わった事件だけにそんなゆるさが、この安楽椅子探偵には合ってると思う。それにしても、警察って情けなーい(滝汗)。 この作品を読む前に『月の扉』を再読しようと思っていたのに、果たせずに残念。事件の詳細については語られていないので、この作品から読んでも大丈夫だけど、先に『月の扉』を読んでからこの作品を読んだ方が賢明でしょうね。物騒な事件が多かっただけにこのラストには、胸がじーんと熱くなった。面白かった〜!

Posted byブクログ