夏光 の商品レビュー
私より若い短大卒の作家だ。 それにしては、言葉巧みだ。 内容も非現実的なものだが、本当にあるような錯覚に陥る。 すばらしい作品。
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『てふてふ荘へようこそ』を読み、 乾ルカさんの他の作品も読んでみたいな…とデビュー作である『夏光』を選びました。 世界観、舞台設定:★★★★(4) ⇒デビュー作とは思えないほど、それぞれの短編の舞台・時代はバラエティに富んでいます。また、それに挑戦したい!というデビュー作ならで...
『てふてふ荘へようこそ』を読み、 乾ルカさんの他の作品も読んでみたいな…とデビュー作である『夏光』を選びました。 世界観、舞台設定:★★★★(4) ⇒デビュー作とは思えないほど、それぞれの短編の舞台・時代はバラエティに富んでいます。また、それに挑戦したい!というデビュー作ならではの気概も感じました。 登場人物の魅力:★★★(3) ⇒様々な人物が登場し、どの人物も丁寧に描けていたと思いますが、魅力的とまではいかない印象でした。 ストーリー:★★★(3) ⇒ホラーというより「不気味ファンタジー」という言葉が合う短編集でした。仄暗い印象を受ける話は好きですが、その暗さの先に、胸に迫るものがなかったのが残念でした。 ⇒この本全体を通して作者の「こんな話も書いてみたい!こんな表現はどうだろう?」というような気持ちを感じました。 ⇒「うんうん、こういうのを書けるんだね。…それで?」というように、メッセージが読み手まで届かないような感覚がありました。(設定の披露をたくさんされたな~というのが読み終わって一番の感想でした。) 読み返したいか:読み返すことはない 文体:丁寧な描写…でも時に装飾過多、すこし固さを感じる 読後の気分:「ん~…何だったんだろう?」という一言に尽きる
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とても自然描写が美しくて、情景がはっきりと浮かんできたのには驚きました。 編によってはその匂いまで感じるような錯覚にも陥ります。各編とも、こんなにグイグイと話の中に引き寄せられ、入り込めたのにも驚きです。 切なさ有り、安堵感有り、恐怖有り、不思議さ有りの上質のホラー・ストーリ...
とても自然描写が美しくて、情景がはっきりと浮かんできたのには驚きました。 編によってはその匂いまで感じるような錯覚にも陥ります。各編とも、こんなにグイグイと話の中に引き寄せられ、入り込めたのにも驚きです。 切なさ有り、安堵感有り、恐怖有り、不思議さ有りの上質のホラー・ストーリーでした。 正直言って、読む前はここまでは期待していなくて(失礼な話です)おもしろそうだな、という位の軽い気持ちでしたが、完全にノックアウトされた気分。 この作者はまだ著書が少ないのですが、新刊のあらすじがとても面白そうだったので図書館蔵書を検索、またまた蔵書に入ってなくて例のごとくタイトルに惹かれ、その内容を読んで借りてみましたが、大当たりだったので嬉しいです。 「は」は他の編と明らかに違って、これはグロテスク(と言ってもいいかな?)な奇抜さで驚きました。帯の文に「恐怖の女王降臨!」とありますが、この「は」のことかもしれない。 描写力に押されてしっかりと想像してしまい、あまりにも怖くて読みながら右手の肘から下がむずむず…そしてお腹がすくのが怖くなる。これこそ本当に怖い話じゃない!! 今、思い出しても怖い。その他の作品はこういう風な怖さはなく、表題作の「夏光」はとても哀しくステキな作品でした。
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ホラー短編集とのことだけど、登場人物の個性がきっちり作られていて、 それぞれ読み応えがあった。out of this world がせつない余韻でよかった。
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絶望的で残酷。だけど美しくて温かい不思議な短編集でした。 自分には描写がグロテスクすぎて気持ち悪くなってところですが、それで切り捨てるには勿体ないと感じます。 似たような短編は色々読んだことがある気がするのですが、これは一枚上手でした。
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身体の各部位をテーマにした短編集。6篇収録。順位をつけるとしたら「夏光」>「百焔」≧「夜鷹の朝」>「は」「Out of This World」。表題作は戦中の雰囲気が出ていて、非常に良かった。どうやら現代ものよりも、少し時代が前のものの方が私好みらしい。割とファンタジーな感じ。
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2012年の一冊目。 それにふさわしいかどうかは別にして、面白い話だった。 戦前、戦中、そして現代を舞台に、怖くて不思議で、何となく切ない話の揃った短編集。時々、背筋をぞわっとさせられながらも、先が気になって仕方ない…どれもそんな感じでした。
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ちょっと怖いといか、暗いというか、あんまり好きじゃないです。 物語としては、なかなか良い作品だとは思うのですが、やっぱり暗くて、ちょっと気持ち悪くて、私は星二つ。
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「あの日に帰りたい」よりはホラー色強めの短編集。 じわ怖で面白かったです。第一章では「め、くち、みみ」に関する話、二章では「は、みみ、はな」に関する話が収録されています。 表題作の「夏光」と「風、檸檬、冬の終わり」が読後感よくてよかった。 一番怖かったのは「は」鍋の描写がすごく美...
「あの日に帰りたい」よりはホラー色強めの短編集。 じわ怖で面白かったです。第一章では「め、くち、みみ」に関する話、二章では「は、みみ、はな」に関する話が収録されています。 表題作の「夏光」と「風、檸檬、冬の終わり」が読後感よくてよかった。 一番怖かったのは「は」鍋の描写がすごく美味しそうだったけどまさかの展開に一気に食欲がなくなりました。うちにもばかでかく成長した金魚がいるので余計恐ろしかった。
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短編集。北海道が舞台となっている作品が多い。 ちょっと怖い。初の単行本作品。 しっかり作者の色が出ている。
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