1,800円以上の注文で送料無料

大好きな本 の商品レビュー

4.4

15件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/12/10

ブグログのメンバーの方たちは、当然、読書好きのはずだが、読書好きの方の中には、とにかく「本そのもの」が好きという人も多いのではないかと思う。私がそうだ。本を「読む」ことももちろん好きなのだが、本、ことに「紙の本を見る、手に取る」ことが好きなのである。結果的に、自宅には、「積読」に...

ブグログのメンバーの方たちは、当然、読書好きのはずだが、読書好きの方の中には、とにかく「本そのもの」が好きという人も多いのではないかと思う。私がそうだ。本を「読む」ことももちろん好きなのだが、本、ことに「紙の本を見る、手に取る」ことが好きなのである。結果的に、自宅には、「積読」になっている本、入手したけれども、いつか読もうと思って、まだ読んでいない本が沢山ある。数えてみたら、約140冊あった。それに加えて、図書館から借りている本が、現在10冊程度ある。この本もそうだ。私の住んでいるあたりでは、近くの自治体が相互に市立図書館を利用できるように連携をしている。私は5つの市の図書館の利用カードを持っている。だから、現在は10冊の本を1つの図書館から借りているのだが、複数の図書館から借りている場合、それが20冊になったり、30冊になったりすることも多い。実際に借りたは良いが、そのまま「積読」となり、ページを開かないまま返却する本も多い。更に、実は一番好きなのは書店に行くこと。これだけの本が家にあるので、実際に本を購入することは、あまりないが、それでも、本が並んでいるのを見るだけで気分が良くなるので、週に一度くらいは書店に立ち寄る。 私と同じことをしている人は、ブグログメンバーの方の中には数多くいらっしゃるはずだと思う。 読もうと思う本の選択は、書店で見かけて、ということもあるが、それよりも多いのは、書評を読んで、である。そして、今回手に取ったのは、川上弘美書評集。これだけ「積読」本が多いのに、なぜ、書評を手に取って、読みたいと思う本を増やそうとするのか。冷静に考えると、我ながらおかしなことをやっているなぁと思う。でも、本そのものばかりではなく、「読みたいと思う本」が増えないことも寂しいのである。私はAmazonの欲しいものリスト(「あなたのリスト」)に読みたい本を登録しているが、「あなたのリスト」が最近増えないなぁと感じると寂しくなり、書評を手にすることが多い。 本書は、川上弘美の初の書評集である。川上弘美は、読売新聞と朝日新聞の書評委員を、都合10年くらい務めていた時に本書を発行している。あらためて自分が書いた書評を集めて読んでみての感想を、川上弘美は、「あとがき」に以下のように書いている。 「自分の書評のつたなさにも、驚いた。取り上げた本を読んでいない読者の方に、ほとんどわからないようなことを平気で書いていることにも驚いた。(中略)書評のつたなさについては、もう、いかんともしがたい。ことに書きはじめてから数年のものの、がちがちな感じ、説明不足な感じ、飛躍多すぎ、な感じ」 私自身は良い書評とは、その本を読みたくなるもの、と思う。上記の川上弘美の書いていることはその通りで、本書の最初の方(書きはじめ時代のもの)の書評は読みにくい。面白いかどうか書評情報からは判断するのが難しく、書評で取り上げられた本を読もうとする気持ちが起きないものが多かった。しかし、私は、本書を「あとがき」から読んでいたので、すなわち、最初の方の書評は面白くない可能性があることを知りながら読んでいたので、「そのうち、面白くなるだろう」とも考えて読み進めた。そうすると、途中から、本当に面白い書評が増えて、「この本は面白そうだ、読んでみたい」という本が目白押しになってきた。 ということで、Amazonの「あなたのリスト」に登録している本、要するに「読みたい本」のリストは大幅に増えてしまったのである。しばらくは、書評を読むことを自分で禁止する必要がありそうだ。

Posted byブクログ

2021/10/22

芥川賞作家の川上弘美さんによる書評集(新聞等掲載の115篇・文庫本、全集の解説文30篇)です。真摯な姿勢が窺える著者あとがきに、「自分の書評のつたなさに驚いた。取り上げた本を読んでいない読者の方に、ほとんど分からないようなことを平気で書いていることにも驚いた。・・・書評を行う時も...

芥川賞作家の川上弘美さんによる書評集(新聞等掲載の115篇・文庫本、全集の解説文30篇)です。真摯な姿勢が窺える著者あとがきに、「自分の書評のつたなさに驚いた。取り上げた本を読んでいない読者の方に、ほとんど分からないようなことを平気で書いていることにも驚いた。・・・書評を行う時も、文庫本の解説をお引き受けする時も、心に決めていることがある。できうる限り、その作者の他の著書をあわせて読んでみて、そのうえで書評する、ということだ。・・・知って、好きになって、とてもいいと思うから、書評したくなるのだ」と。

Posted byブクログ

2015/11/29

 作家目線での文章構成、用いられている語彙に対する考察。読書家目線での本への愛、感謝。そして「人」目線での作品に対して抱いた感情、感慨。多角度から見た一つの作品に対する感想がたっぷり詰まった、読み応えたっぷりの一冊。

Posted byブクログ

2013/04/22

内容紹介 「好きな本があるよ、いい本があるよ、みんなもよかったら読んでね!」――この10年のあいだに読売・朝日新聞の書評委員をつとめる川上弘美が、「ほんとうに自分がいい」と思った傑作とは? 谷崎、百から田辺聖子、江國香織、古井由吉、堀江敏幸そして柴田元幸や岸本佐知子の翻訳まで著者...

内容紹介 「好きな本があるよ、いい本があるよ、みんなもよかったら読んでね!」――この10年のあいだに読売・朝日新聞の書評委員をつとめる川上弘美が、「ほんとうに自分がいい」と思った傑作とは? 谷崎、百から田辺聖子、江國香織、古井由吉、堀江敏幸そして柴田元幸や岸本佐知子の翻訳まで著者おすすめの130冊。詩集もあれば、漫画もある。あなたを心よろしき読書に誘う、思わず読みたくなる川上流ブックガイド!

Posted byブクログ

2012/08/14

最近になって好きな作家の書評集を読むようになった。 その作家が好きだからといって、必ずしも本の趣味まで同じかというと結構違うってことを、理解できるようになったから。 分厚い本で肩が凝ったけど、川上さんらしい評論で時に読みやすく、時に読みづらかった。 いくつか読んでみたい本が見つ...

最近になって好きな作家の書評集を読むようになった。 その作家が好きだからといって、必ずしも本の趣味まで同じかというと結構違うってことを、理解できるようになったから。 分厚い本で肩が凝ったけど、川上さんらしい評論で時に読みやすく、時に読みづらかった。 いくつか読んでみたい本が見つかったので、満足。

Posted byブクログ

2014/11/18

殆ど自分が知らない作家だったりスルーしてたりとした作品が殆どで、作者の語りかけるような愛情に溢れる言葉を読んで思わず図書館へ走りたくなった。 隠れてる良い本を紹介するためだけのガイドブック。

Posted byブクログ

2011/07/17

この書評集で紹介されているのは144作品。 あとがきで書かれているように前半のⅠは書評で後半のⅡは解説文となっているのだが、Ⅰは実際にその作品を読んだ後に読むと、なるほど!と肯くだろう。書評だけを先に読んでもその書評された作品は掴めない。それは書評が下手なのではなく、その書評自体...

この書評集で紹介されているのは144作品。 あとがきで書かれているように前半のⅠは書評で後半のⅡは解説文となっているのだが、Ⅰは実際にその作品を読んだ後に読むと、なるほど!と肯くだろう。書評だけを先に読んでもその書評された作品は掴めない。それは書評が下手なのではなく、その書評自体が一つの別の作品として感じられるからかも知れない。それに引き換え、解説文は文字通り作品の懇切な解説になっている。こう言いながら、気になった作品はⅠからの『死んでいる』『約束よ』『カイミジンコに聞いたこと』だ。

Posted byブクログ

2011/06/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者の書評を読んで、 色んな本を読んだ気になっています。 P20 角田光代『草の巣』 絶対に大丈夫と思った瞬間に、 物事は大丈夫でない方向に 行き始めるように思う。 絶対にという保証はどんな事柄にも ないから、その不安からのがれるために、 ある人は慣習や契約に寄り添い、 またある人は反対に保証的な者から 目をそむけわざと「決まり」から 逃げたりもするだろう。 他に良いなと思った書評は、 P29村田喜代子『龍秘御天歌』 P49長田 弘『本という不思議』 P76永井均『マンガは哲学する』

Posted byブクログ

2011/01/17

大好きな本への愛情があふれる川上弘美の書評集。 大好きな作家が大好きな本って、やっぱり気になってしまう。 いいです、これ! こんなに垣根が低い書評はじめてかも。書評っていうと難しい言葉で小難しくこねくりまわすイメージだったから。 身近な人におすすめされたかのような、気軽な感じ。 ...

大好きな本への愛情があふれる川上弘美の書評集。 大好きな作家が大好きな本って、やっぱり気になってしまう。 いいです、これ! こんなに垣根が低い書評はじめてかも。書評っていうと難しい言葉で小難しくこねくりまわすイメージだったから。 身近な人におすすめされたかのような、気軽な感じ。 読みたい本が増えすぎて困るなぁ。144冊・・・。

Posted byブクログ

2009/10/04

書評、というと堅苦しい感じがして、この本にはあまり似つかわしくないようだ。川上さんは、すべての本好きと同じ地平に立って、「ちょっと騙されたと思って読んでみてよ、面白いからさ」と語りかけてくる。読みたい本が一気に増えてしまった。

Posted byブクログ