赤と黒(上) の商品レビュー
あらすじを読むと青年ジュリアンの恋愛と出世の話のように思われるが、読んでみると副題の十九世紀年代記にふさわしく当時のフランスの社会情勢をよく反映していることに気づかされた。要所要所に派閥の対立やもっと漠然とした体制的な臨場感がかかれており、ジュリアンを通してその時代を感じるようで...
あらすじを読むと青年ジュリアンの恋愛と出世の話のように思われるが、読んでみると副題の十九世紀年代記にふさわしく当時のフランスの社会情勢をよく反映していることに気づかされた。要所要所に派閥の対立やもっと漠然とした体制的な臨場感がかかれており、ジュリアンを通してその時代を感じるようであった。 恋愛小説としては私たちの感覚とはすこし違うものを感じるのが正直なところだが、ジュリアンが恋愛によって支配しようとして逆にに翻弄される様はおもしろく、また悲劇的であった。
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■学び(見たもの・感じたもの/テーマ) 七転八倒しながらも自尊心を持って精一杯生きること、自らの意志で自己実現のために運命を切り開くこと、そして自分の気持ちを偽らず正直であること。これがインチキまみれの世の中で得ることができる精神の幸福であり、幸せな生き方である。 ■感想 何...
■学び(見たもの・感じたもの/テーマ) 七転八倒しながらも自尊心を持って精一杯生きること、自らの意志で自己実現のために運命を切り開くこと、そして自分の気持ちを偽らず正直であること。これがインチキまみれの世の中で得ることができる精神の幸福であり、幸せな生き方である。 ■感想 何度も読み返したくなるぐらいすごく面白かったです。ぐいぐい引き込まれました。ジュリアンの凛として力強く生きる姿はぜひお手本としたいものです。下巻でのジュリアンとマチルドの恋の駆け引きは、まるでシェークスピアの劇のようで笑えました。また今度は別の訳者の本も読んでみたいです。 満足度を★4つとしたのは、接続詞が明確でないために前後の内容が混乱する個所が何度もあったからです。これは訳が悪いというより、おそらく原文でも同じなのだろうと思います。 とはいえ、内容は素晴らしかったです。ちょうど今年は古典を多く読もうと思っていたところだたので、一気に古典に対する興味が強くなりました。
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「罪と罰」とは対照的に、主人公が出世欲や感情の激しさ、思考と行動を一致させようとしている点など、自分に投影できる部分が多く、面白い。こんな風に生きたいものだ。 「罪と罰」ではラスコーリニコフは「一人を殺すことで多くの命が救われるならば殺してもよい」と考え高利貸しの老婆をころした...
「罪と罰」とは対照的に、主人公が出世欲や感情の激しさ、思考と行動を一致させようとしている点など、自分に投影できる部分が多く、面白い。こんな風に生きたいものだ。 「罪と罰」ではラスコーリニコフは「一人を殺すことで多くの命が救われるならば殺してもよい」と考え高利貸しの老婆をころしたが、結局は罪悪感にとらわれる。一方「赤と黒」のジュリアン・ソレルは、「多くの人間を救うためならば2・3人殺したってかまいやしない」と述べ、最後まで英雄的。非常に対照的な2作品である。
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歴史を全く勉強していなくても「とりあえず王党派と自由主義者が対立していてなかなか本音が言えない時代なのね」と納得して読めば大まかな図式はつかめるはず どうしても心配なら先に解説を読んでしまうのをオススメします 政治の話やら時代を中心にした描写の部分では?となるけれど、おもしろい...
歴史を全く勉強していなくても「とりあえず王党派と自由主義者が対立していてなかなか本音が言えない時代なのね」と納得して読めば大まかな図式はつかめるはず どうしても心配なら先に解説を読んでしまうのをオススメします 政治の話やら時代を中心にした描写の部分では?となるけれど、おもしろい 普段私小説とか日常を元にした本ばかり読んでいるから、歴史を基にした話は新鮮
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やべー。どんな内容だったかすっかり忘れた=3 「まぁまぁ面白かった」気が...。 ラスト、どんなんだったっけ??
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Amourの国、フランスの古典に初挑戦。 きっかけは、映画の予告編。 昼ドラっぽい雰囲気+ 早世されたなんとかフェリペとかいう 主人公の麗しい俳優に誘われて いつもと違う分野に手を出してみた。 が、結果は、あえなく惨敗。 自尊心の高さ故に人妻にちょっかい出したり 情緒が全然安...
Amourの国、フランスの古典に初挑戦。 きっかけは、映画の予告編。 昼ドラっぽい雰囲気+ 早世されたなんとかフェリペとかいう 主人公の麗しい俳優に誘われて いつもと違う分野に手を出してみた。 が、結果は、あえなく惨敗。 自尊心の高さ故に人妻にちょっかい出したり 情緒が全然安定しない主人公が理解できず そこから燃えてしなだれる恋の駆け引きに 発展するのもよくわからなかった。 そう、私には気持ちと言葉が濃すぎました。 下巻も借りてますが、読まずに返却します。
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ロシア文学に負けないくらい登場人物が多い。 神父に教えてもらったラテン語を武器に上流階級の家で家庭教師をする農民の子ジュリヤン・ソレル。 私が読んだ(そんなに読んでない)フランス文学の中では1,2を争うくらい面白いです♪
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1830年の七月革命の勃発を予感させる時代。その時代背景としての身分・階級や党派の確執や思想を色濃く受けるなかで、人間関係と恋愛の策略とスリルを克明に描いた小説。 私は、小説を、いかに共感できるか、という視点で読み、評価することが多いが、この作品はそうした普段の視点とは別に物語の...
1830年の七月革命の勃発を予感させる時代。その時代背景としての身分・階級や党派の確執や思想を色濃く受けるなかで、人間関係と恋愛の策略とスリルを克明に描いた小説。 私は、小説を、いかに共感できるか、という視点で読み、評価することが多いが、この作品はそうした普段の視点とは別に物語の筋自体を楽しめた。ジュリアンの持つ、強烈な自尊心と偽善と情熱と崇高な精神は、時代中でかなり個性が強く共感しがたいが、そのこころの動きを一貫して丁寧に克明に描いている、その作者の抜かりのなさが素晴らしい。そして一瞬で移ろう人間の普遍的な心理を細かに、そしてリアルに描けている。上巻の野崎氏の解説で、歴史的背景への理解が深まり、また「この小説は『史上初の、サラリーマンを主人公とする小説』だと述べる研究者(Yves Ansel)もいる」との話と、その解説に納得し、最近流行りのビジネス小説(ハゲタカとか?)のさきがけなのかもしれない、とも思い興味深かった。恋愛という観点から言うと、手練手管の要素が多い中で、男女の心の微妙な変化、機微の中の表層的な部分をよく描いていると思う。
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読んだ理由:レビュー一覧に文学作品を載せたかったw 感想:階級社会における抑圧と葛藤、許されぬ恋を圧倒的な内面描写で表現している。プロット自体はよくできた昼メロのような感じ。「情熱の文学」という表現が見事に当てはまる一冊。 野崎氏の新訳は難解なところもなくすらすら読めた。...
読んだ理由:レビュー一覧に文学作品を載せたかったw 感想:階級社会における抑圧と葛藤、許されぬ恋を圧倒的な内面描写で表現している。プロット自体はよくできた昼メロのような感じ。「情熱の文学」という表現が見事に当てはまる一冊。 野崎氏の新訳は難解なところもなくすらすら読めた。「文学を読む!」というふううに肩肘を張らなくても、エンターテイメントとして楽しめるものに仕上がっていると思う。
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