赤と黒(上) の商品レビュー
たぶん初めて、乗り物の中で読むことができた本です。 今まで、乗り物で本読むと気持ち悪くなってたから。 それだけ集中して読めた面白い作品だったってこと 主人公のジュリアン、はじめはそこまで「美少年」じゃないんだと思ってた 作者もそうだったのかな。書いてたら付け足したくな...
たぶん初めて、乗り物の中で読むことができた本です。 今まで、乗り物で本読むと気持ち悪くなってたから。 それだけ集中して読めた面白い作品だったってこと 主人公のジュリアン、はじめはそこまで「美少年」じゃないんだと思ってた 作者もそうだったのかな。書いてたら付け足したくなっていったみたいな。 金がほしい、という強すぎる思いから、僧職につくため、乗り気じゃなかったのにかかわった貴族たち。 いつぞや自分は貴族的な生まれながら泣く泣く神学校に入る、みたいな感じになっていくジュリアン。 目的と手段と自分の心とを分けていたはずなのに もういっかあ、って 古典新訳は、内容には親しみたいが文体が、っていう需要にみごと応えてると思う。 欲を言えば本当にもっと今の言葉遣いでもいいと思うけど。斬新で。 あとこの本のせいで、私の現にも変な感情が吹き込まれた気がします。 注文していた下巻が今日入荷したらしい! 早く読みたい!こんな気分ひさしぶりだわ
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語訳の話もあったので、最新の4版を購入。 が、93ページから123ページまで紙がしわくちゃだったので3版に交換。 この本とは、相性悪いというか縁がない。。。
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上巻は読むのに苦労した。19世紀初頭のフランスの慣習や文化について知識がないからか。天気のように様々な面を見せるジュリアンの不安や憤りに共感することは多かった。冷静さと激しさなど、多くの正反対の性質を合わせ持つ彼だからこそ、多くの人の心に入り込めるのだろう。
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『赤と黒』はナポレオン失脚後のフランスで片田舎の職人の息子ジュリアンが、立身出世を目論み上流階級の間隙を渡り歩くサクセス(?)ストーリーです。 この時代で出世をするに当たってなによりも必要なものはお金、高い身分、そして縁故でした。その中でジュリアンに備わっていたものは縁故のみ。それも司祭様の教え子であった程度。彼はその一本の蜘蛛の糸から己の才能と美貌で、新たな糸に繋いで登っていくのです。 上巻においてジュリアンを導いてくれた新たな糸はレナール夫人。 司祭様つてでジュリアンの優秀さを知った町長に子供たちの家庭教師にと雇われて、出向いた家の奥様です。金や身分のことしか頭にない夫と対称的に、人としての尊厳をなによりも重んじるジュリアンの純粋さに夫人は惹かれたのでした。 このレナール夫人は上巻におけるもう一人の主人公といっていい存在です。 夫人がジュリアンを導いた理由は恋心(もちろん不倫)にあり、その熱意は並々ならぬものがありました。 なにより私が感じ入ったのは国王様が町を訪問されるという大イベントに、ジュリアンを無理矢理に親衛隊の一人としてねじ込んだことです。親衛隊とは国王様の身辺を警護するもの。本来ならそれ相応の身分のある者しかなれません。かなりの難事だったはずです。 しかし、それを成し遂げた時の夫人の喜びは想像するに余りあります。普段のジュリアンは(夫人と比べれば)あまり良い服を着たりはしません。お金や身分に関係ない部分に惹かれたといっても、ふとした拍子に恋相手の頼りなさを感じてしまうのでした。もしジュリアンが自分に釣り合うくらいの身分だったなら……。そんな悩みを抱える夫人は一時でもジュリアンが国王様の親衛隊の一人として、立派な衣装を着て馬に跨がって颯爽と町の貴族や金持ち達に並び立つ姿に、どれほどの歓喜があったでしょうか。 その後も夫人はかなり賢く立ち回り、ジュリアンを様々な局面から救い導きます。そんな夫人はとても優秀な人物であるように見えますが、物語開始当初つまりジュリアンに恋をする前は全く違っていました。貞淑で従順ではあるものの、不器用で鈍重なただのお嬢様。 夫人の変化や成長が上巻の見所の一つです。 下巻でレナール夫人はどうなるのか、はたまた新たな女性が登場するのか楽しみです。
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なんかもうダメだこいつら… 他にすることなかったんかねフランスの貴族というものは? 1830年頃のフランスの時勢をよく反映しているのはとっても面白かったです。各都市がいったいどのような印象を持たれていたのかや、教会内部の対立などについてが生き生きと描かれていると思います。 ...
なんかもうダメだこいつら… 他にすることなかったんかねフランスの貴族というものは? 1830年頃のフランスの時勢をよく反映しているのはとっても面白かったです。各都市がいったいどのような印象を持たれていたのかや、教会内部の対立などについてが生き生きと描かれていると思います。 誤訳がひどいということで大変叩かれていますが、すごく読みやすいのは確か。古典であるにもかかわらず(というとアレですが)、取っつきづらさはないと思います。 別に私は仏文学者ではないので、あらすじが大体わかればいーやと思ってしまうのです。
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周りから見れば、ジュリヤンは翻弄する人。読者から見れば、翻弄しているようで、実はそれ以上に翻弄されている人。斜めに鋭く見るジュリヤンは、本音と建て前をうまく使い分ける。そこに大きなギャップがある。もしも()書きで心理描写が記されていなかったならば、ジュリヤンは恐ろしいほどミステリ...
周りから見れば、ジュリヤンは翻弄する人。読者から見れば、翻弄しているようで、実はそれ以上に翻弄されている人。斜めに鋭く見るジュリヤンは、本音と建て前をうまく使い分ける。そこに大きなギャップがある。もしも()書きで心理描写が記されていなかったならば、ジュリヤンは恐ろしいほどミステリアスに見えただろうし、読者からしても「どうしてそうなったのか」と突っ込まずにはいられなかっただろう。
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上下巻で1000ページというページ数だけで泣きそうですが、軽快なペースでサクサク読めます。ラストにびっくり。
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ジュリアンという若く聡明な主人公の野望と挫折の本である。 野望とは出世と恋愛であり、恋愛のつけにより頓挫する。 フランスでは婚外子が約50%となり、結婚そのものの意味が変貌している。今日であれば死刑にはならない。 この本は実際におきた事件をもととしているので、安定した地位を得ている貴族がなぜそんなことを・・・。という多くの当時の人が思った疑問に応えたのではないだろうか。 また そういうことも起こり始めたんだという、19世紀の時代を表しているのではないだろうか。 様々な事件が今も昔も起きてはいるが、どういう事件に注目が集まるかはその時代精神が反映されるのである。
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浦野所有。 これは理屈抜きに楽しめる小説ですね。恋愛小説というより、痛快な冒険小説の色が濃くないともいえない内容です。時代背景がわからなくても、ストーリーだけで十分、読み進められると思います。 『赤と黒』は『モンテ・クリスト伯』とならび、「これぞ小説のなかの小説」といわれるこ...
浦野所有。 これは理屈抜きに楽しめる小説ですね。恋愛小説というより、痛快な冒険小説の色が濃くないともいえない内容です。時代背景がわからなくても、ストーリーだけで十分、読み進められると思います。 『赤と黒』は『モンテ・クリスト伯』とならび、「これぞ小説のなかの小説」といわれることも多い作品。この世界を触れるためだけにパラッと読むのも悪くないです。
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恋愛小説の傑作でしょう。 現代日本では見られないような野心満々・肉食男子のジュリアンもその恋人たちも、なぜか芝居がかって冷静に考えるとおかしいのですが、やっぱり読んでいて引き込まれてしまう駆け引きの様子とドキドキの心理状態。 少女マンガのようなフランス文学です。
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