終りなき戦い の商品レビュー
マスターピースだよなぁ。星間移動による地球との時間のズレが、戦争の虚しさを良く引き立てていたと思う。
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だらだらと続く長い戦い。これが、ベトナム戦争なのだろう。タイトル通り。何のために戦うのか、それが分からなくなってしまうのが現代の戦争だと思った。
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物語は1997年、マンデラが2週間の月面訓練から戻ってきたところから始まる。ラストは3143年。この間に主人公が経験した人類の異星人との1000年以上の戦いの歴史、ということになるのだが、光速を超えた移動、いわゆるウラシマ効果により、マンデラの体感経年としてはわずか数年である。1...
物語は1997年、マンデラが2週間の月面訓練から戻ってきたところから始まる。ラストは3143年。この間に主人公が経験した人類の異星人との1000年以上の戦いの歴史、ということになるのだが、光速を超えた移動、いわゆるウラシマ効果により、マンデラの体感経年としてはわずか数年である。1000年の間の科学の発展、地球の環境の変化と他惑星への移民、生殖の問題が物語に大きくかかわる。 1997年の現実は、人類のほとんどは月面へは行けませんね。だけどこの内容のいくつかは、現実に起きそうな問題も描かれていると思う。数百年から千年後になって改めて取り上げられるような作品かもしれない。ちょっと重いので星1つ減。
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宇宙戦記なんだけれど、イメージとして浮かぶのは「スターウォーズ」とかじゃなくて「キリングフィールド」や「グッドモーニングベトナム」。
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出版当初、ハインラインの『宇宙の戦士』のアンチテーゼのように取り沙汰された作品である。単行本で読んだけれど、30年ちかく前に出た文庫版が現役で生きている。 『宇宙の戦士』はヴァーホーヴェンが原題は同じ題名で映画化し、『スターシップトゥルーパーズ』の邦題で公開されたが、戦意高...
出版当初、ハインラインの『宇宙の戦士』のアンチテーゼのように取り沙汰された作品である。単行本で読んだけれど、30年ちかく前に出た文庫版が現役で生きている。 『宇宙の戦士』はヴァーホーヴェンが原題は同じ題名で映画化し、『スターシップトゥルーパーズ』の邦題で公開されたが、戦意高揚的なハインライン作品を確信犯的に愚直に映像化することで、高邁な闘いは徹底的に戯画化され、厭戦的な気分になるという高度な戦略的B級映画であった。いま、『終わりなき戦い』を読むと、好戦も厭戦も余計な感想を交えず、淡々とリアルに宇宙戦争を描いた本作は意外に『スターシップトゥルーパーズ』に近い感触を持つ。映画の皮肉な哄笑はないけれども。 そういう意味では『宇宙の戦士』のアンチテーゼではあるけれども、巨大で非常な機械と宇宙と時間にずたぼろにされる人間とそれでも残る人間性のようなものを描いて、『宇宙の戦士』と並び称される名作、といっていいのだろう。 今度はこの作品をリドリー・スコットが映画化するという。ちょっとセンチメンタルになりすぎないか心配だ。
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戦争SFは気晴らしに読むにはちょうどいい 表紙 7点加藤 直之 展開 6点1974年著作 文章 6点 内容 650点 合計 669点
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ウラシマ効果を扱った作品て例外なく泣かされてる気がする。小説じゃないけど最近だとインターステラー、それにほしのこえとか 大切な人との時間がズレるってただ離れ離れになるのとは全く違う辛さがある。距離的に離れるだけであれば、たとえあえなくともどこかに存在していると感じることができる...
ウラシマ効果を扱った作品て例外なく泣かされてる気がする。小説じゃないけど最近だとインターステラー、それにほしのこえとか 大切な人との時間がズレるってただ離れ離れになるのとは全く違う辛さがある。距離的に離れるだけであれば、たとえあえなくともどこかに存在していると感じることができる。でも生きてる時間自体が何十年、何百年と離れてしまったら、それはもう別の世界に永遠に飛ばされてしまったのと同じではないだろうか。その喪失感は想像ができない。時間というものが絶対に戻ってこない掛け替えのないものだということを痛烈に感じる その他にも性の問題、管理社会の行き着く先、戦争の虚しさ、色んなものが詰まった作中では何千年にも及ぶ壮大すぎる作品だった よかったねマンデラ
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「トップをねらえ!」が着想を得た作品ということで読書。ウラシマ効果によって時代が数百年単位で飛び、社会も変化しているのが面白い。異星人との闘いだけでなく、未来の政府や規範などにもメッセージ性を感じた。解説ではそのあたりを作者の経歴、時代背景に求めている。たしかにベトナム戦争との対比して考えると色々とつながるような気がする。人間ドラマも上質で、ハッピーエンドだったのが救い。
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ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞と著名な賞を総なめにした本書は、宇宙を股に掛ける傑作戦争SFです。 宇宙を旅する新航法「コラプサー・ジャンプ」の発見により、人類の勢力圏が飛躍的に拡大した未来。そこは未知の異性人「トーラン」と全面戦争に突入した宇宙世界であった。特殊戦闘スーツに...
ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞と著名な賞を総なめにした本書は、宇宙を股に掛ける傑作戦争SFです。 宇宙を旅する新航法「コラプサー・ジャンプ」の発見により、人類の勢力圏が飛躍的に拡大した未来。そこは未知の異性人「トーラン」と全面戦争に突入した宇宙世界であった。特殊戦闘スーツに身をまとった主人公マンデラの1000年にも及ぶ終わりなき戦いが幕をあげる。 目次をみてみましょう。 ・マンデラ二等兵 ・マンデラ軍曹 西暦二〇〇七年~二〇二四年 ・マンデラ少尉 西暦二〇二四年~二三八九年 ・マンデラ少佐 二四五八年~三一四三年 その暦年の飛躍の仕方に、当初は目を奪われたのですが、これは「コラプサー・ジャンプ」なる宇宙航法によるもの。もう少し奇抜なアイデアがあるのかと邪知してましたので、少し残念な気分。しかし、宇宙をかける戦争の展開に読む手は止まりませんでした。 結局、宿敵「トーラン」の正体はよく解らない仕舞い。これはすなわち、本書では敵の姿を描く必要がなかったといえるわけで、ここに本書の妙が込められています。ベトナム戦争を描いたとも称される本書ですが、ベトナム戦争を経験したことがない世代からすると、その見解はピンときません。しかし、著者が何を伝えたいのか、それは先述の妙なるところから、うっすらと伝わってくるのです。
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何となくこれまで敬遠してたけどSFMの先月号、夏のSF読書で取り上げられてたので読了。SF舞台設定を借りたベトナム戦争ものなんですね。SF特有のセンスオブワンダーはあまり感じませんでしたが、まあSFにはこういう舞台設定を借りて現実問題を扱うのはよくある手法だし、いいんじゃないかな...
何となくこれまで敬遠してたけどSFMの先月号、夏のSF読書で取り上げられてたので読了。SF舞台設定を借りたベトナム戦争ものなんですね。SF特有のセンスオブワンダーはあまり感じませんでしたが、まあSFにはこういう舞台設定を借りて現実問題を扱うのはよくある手法だし、いいんじゃないかなと思いました。
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