終りなき戦い の商品レビュー
ヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞作。”傑作戦争SF”(カバー裏)。 宇宙空間でのウラシマ効果の影響で、主人公マンデラは客観時間で千年以上にわたって異星人トーランとの戦争に従軍、その過程で地球の技術レベルや文化は大きく変化し彼を当惑させる。スペースオペラっぽいタイトルやカバーに反して...
ヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞作。”傑作戦争SF”(カバー裏)。 宇宙空間でのウラシマ効果の影響で、主人公マンデラは客観時間で千年以上にわたって異星人トーランとの戦争に従軍、その過程で地球の技術レベルや文化は大きく変化し彼を当惑させる。スペースオペラっぽいタイトルやカバーに反してトーランとの戦闘描写は乏しいし、なんならプロットらしいプロットもない。ヒロイックさは徹底排除、作戦はことごとく失敗、泥くさい生存戦略が延々と続く不思議な戦争SF。 作者がプロローグで明言してるとおり、本作はベトナム戦争のアレゴリーで、自伝的。異星人を登場させながら、戦争の絶望感、閉塞感、世間や家族との隔絶にフォーカスして、ここまで痛々しく描写する発想はすごい。SFというジャンルでこれは当時衝撃だったろうと思う。 …で、作品として優れているのはわかりつつ、読書体験としてはハッキリ言って楽しくない。でもこう感想を書いてみると、虚栄心から好きな作品だったと言いたくなってくる。そんな作品。
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このラストは絶品。帰るところがあるっていうのはいいもんだ。おそらく個人的SFのナンバーワンの座は今後ずっと「ニューロマンサー」とこの小説の争いになるだろう。 軍隊に女がいるという設定の意味、戦時中の故郷で母親が死んでいくのを黙ってみているしかない無念さ、ワープによるタイムラグ...
このラストは絶品。帰るところがあるっていうのはいいもんだ。おそらく個人的SFのナンバーワンの座は今後ずっと「ニューロマンサー」とこの小説の争いになるだろう。 軍隊に女がいるという設定の意味、戦時中の故郷で母親が死んでいくのを黙ってみているしかない無念さ、ワープによるタイムラグ、人口調節のための同性愛、戦争を生き延びて英雄となると同時に軍によって殺人マシーンにされてしまい孤立していく主人公、と魅力的な設定がいっぱいある(「トップをねらえ!」もパクってたし)。「宇宙の戦士」を越えちゃいましたね。 なおかつベトナム戦争を下敷きにしているってんだからなあ。ホールドマンにはもっとSFを書いてほしいな。
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マスターピースだよなぁ。星間移動による地球との時間のズレが、戦争の虚しさを良く引き立てていたと思う。
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だらだらと続く長い戦い。これが、ベトナム戦争なのだろう。タイトル通り。何のために戦うのか、それが分からなくなってしまうのが現代の戦争だと思った。
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物語は1997年、マンデラが2週間の月面訓練から戻ってきたところから始まる。ラストは3143年。この間に主人公が経験した人類の異星人との1000年以上の戦いの歴史、ということになるのだが、光速を超えた移動、いわゆるウラシマ効果により、マンデラの体感経年としてはわずか数年である。1...
物語は1997年、マンデラが2週間の月面訓練から戻ってきたところから始まる。ラストは3143年。この間に主人公が経験した人類の異星人との1000年以上の戦いの歴史、ということになるのだが、光速を超えた移動、いわゆるウラシマ効果により、マンデラの体感経年としてはわずか数年である。1000年の間の科学の発展、地球の環境の変化と他惑星への移民、生殖の問題が物語に大きくかかわる。 1997年の現実は、人類のほとんどは月面へは行けませんね。だけどこの内容のいくつかは、現実に起きそうな問題も描かれていると思う。数百年から千年後になって改めて取り上げられるような作品かもしれない。ちょっと重いので星1つ減。
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宇宙戦記なんだけれど、イメージとして浮かぶのは「スターウォーズ」とかじゃなくて「キリングフィールド」や「グッドモーニングベトナム」。
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出版当初、ハインラインの『宇宙の戦士』のアンチテーゼのように取り沙汰された作品である。単行本で読んだけれど、30年ちかく前に出た文庫版が現役で生きている。 『宇宙の戦士』はヴァーホーヴェンが原題は同じ題名で映画化し、『スターシップトゥルーパーズ』の邦題で公開されたが、戦意高...
出版当初、ハインラインの『宇宙の戦士』のアンチテーゼのように取り沙汰された作品である。単行本で読んだけれど、30年ちかく前に出た文庫版が現役で生きている。 『宇宙の戦士』はヴァーホーヴェンが原題は同じ題名で映画化し、『スターシップトゥルーパーズ』の邦題で公開されたが、戦意高揚的なハインライン作品を確信犯的に愚直に映像化することで、高邁な闘いは徹底的に戯画化され、厭戦的な気分になるという高度な戦略的B級映画であった。いま、『終わりなき戦い』を読むと、好戦も厭戦も余計な感想を交えず、淡々とリアルに宇宙戦争を描いた本作は意外に『スターシップトゥルーパーズ』に近い感触を持つ。映画の皮肉な哄笑はないけれども。 そういう意味では『宇宙の戦士』のアンチテーゼではあるけれども、巨大で非常な機械と宇宙と時間にずたぼろにされる人間とそれでも残る人間性のようなものを描いて、『宇宙の戦士』と並び称される名作、といっていいのだろう。 今度はこの作品をリドリー・スコットが映画化するという。ちょっとセンチメンタルになりすぎないか心配だ。
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戦争SFは気晴らしに読むにはちょうどいい 表紙 7点加藤 直之 展開 6点1974年著作 文章 6点 内容 650点 合計 669点
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ウラシマ効果を扱った作品て例外なく泣かされてる気がする。小説じゃないけど最近だとインターステラー、それにほしのこえとか 大切な人との時間がズレるってただ離れ離れになるのとは全く違う辛さがある。距離的に離れるだけであれば、たとえあえなくともどこかに存在していると感じることができる...
ウラシマ効果を扱った作品て例外なく泣かされてる気がする。小説じゃないけど最近だとインターステラー、それにほしのこえとか 大切な人との時間がズレるってただ離れ離れになるのとは全く違う辛さがある。距離的に離れるだけであれば、たとえあえなくともどこかに存在していると感じることができる。でも生きてる時間自体が何十年、何百年と離れてしまったら、それはもう別の世界に永遠に飛ばされてしまったのと同じではないだろうか。その喪失感は想像ができない。時間というものが絶対に戻ってこない掛け替えのないものだということを痛烈に感じる その他にも性の問題、管理社会の行き着く先、戦争の虚しさ、色んなものが詰まった作中では何千年にも及ぶ壮大すぎる作品だった よかったねマンデラ
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「トップをねらえ!」が着想を得た作品ということで読書。ウラシマ効果によって時代が数百年単位で飛び、社会も変化しているのが面白い。異星人との闘いだけでなく、未来の政府や規範などにもメッセージ性を感じた。解説ではそのあたりを作者の経歴、時代背景に求めている。たしかにベトナム戦争との対比して考えると色々とつながるような気がする。人間ドラマも上質で、ハッピーエンドだったのが救い。
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