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ずっとお城で暮らしてる の商品レビュー

3.8

167件のお客様レビュー

  1. 5つ

    43

  2. 4つ

    52

  3. 3つ

    45

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    2

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2021/04/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人の悪意をこれでもかと見せつけてくる作品。チャールズの振る舞いも行いも真っ当な人間として正しいけれど、姉妹の幸せには全く繋がらない。閉じたあの世界で死ぬまで箱庭の生活を続けられたらよかったのに。村の人たちもその方が余程幸せだったろう。

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2021/03/07

狭い世界で暮らしていると周りで起きていることが理解できず、独自の思考法が確立されるということでしょうか。桜庭一樹さんの帯に書かれている「すべての善人に読まれるべき、本の形をした怪物である。」という文章の、善人というところがポイントなのかもしれません。歪んだ世界観があることを知って...

狭い世界で暮らしていると周りで起きていることが理解できず、独自の思考法が確立されるということでしょうか。桜庭一樹さんの帯に書かれている「すべての善人に読まれるべき、本の形をした怪物である。」という文章の、善人というところがポイントなのかもしれません。歪んだ世界観があることを知っているとピンとこないのかもしれません。

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2021/02/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なぜ家族は死んでいったのか そこの真相は描かれていなくて、 姉と2人っきりになりたかったのか。 おじさんはたまたま生き残ったのか。 田舎ならではの、噂は話が膨らんですぐに 広まって知らない人はおらず、みんなしてるから 私もしなくてはと、いじめと変わらない環境。 でも心のどこかでは罪悪感があって それをご飯を提供するで最後は埋めてたなぁ。 でもメリキャットからしたらその環境が 幸せだったのかな。 姉と邪魔して来るものが居ない環境。 チャールズが現れてそれが変わっていくと 姉も変わって、自分だけを見てくれることがなくなってくる。 結局は火を止めることもできたのに メリキャットはそうしなかったのは 姉とまた2人でくらしていきたかったからかな。 確かに2人にとってはこのお城が幸せなのかもしれない。

Posted byブクログ

2020/12/21

「ホラー小説 おすすめ」で調べると、よく目にする作品だったので読んでみた。が、正直何が面白いのか全く分からなかった。 中盤以降を過ぎて「これから面白くなるのかな?」と、考えながら読み進め、そこから何もないまま終わってしまった。

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2020/12/19

3回目でようやく話の内容が分かった 従兄弟チャールズの訪問によって心境が変化していくコニーが怖いなと思ったけど、これは普通なのかな? メリキャットのセリフ、時々怖いなと思った 不思議な小説 結局砒素は誰がいれたんだ?

Posted byブクログ

2020/11/18

メルヘンチックな語り口の裏にある、何者も寄せ付けない強固な壁とそして狂気。音色自体は美しいのに、音程がどこか狂っているピアノの演奏を聞いているような、ざわつく感覚が尾を引く作品でした。 姉のコンスタンス、叔父のジュリアンと一緒に大きな屋敷で暮らしているメリキャット。その屋敷では...

メルヘンチックな語り口の裏にある、何者も寄せ付けない強固な壁とそして狂気。音色自体は美しいのに、音程がどこか狂っているピアノの演奏を聞いているような、ざわつく感覚が尾を引く作品でした。 姉のコンスタンス、叔父のジュリアンと一緒に大きな屋敷で暮らしているメリキャット。その屋敷ではかつて、メリキャットの家族が毒殺されており、そのため村人たちは、メリキャットたちへの不審と敵意を隠そうとしない。 そんな村人たちを意識しないよう、徹底的に自分の世界に籠っていたメリキャットだが、従兄のチャールズが屋敷を訪れたことから、その世界にほころびが生じ始める。 自分が美しいと思うもの、信じたいと思うものだけを世界に取り込み、外の世界を徹底的に排除するメリキャットの一人称で物語は進みます。彼女の姉に対しての想いや、屋敷での生活の叙述は、幼い少女が憧れるメルヘンな童話のように、甘く美しく華やかで甘美な雰囲気が漂っている。 一方で彼女の視点は完全に内に籠っている。村人たちへの、そして自分の完璧な世界への侵入者であるチャールズへの敵意。語り口や想像自体は可愛らしさは残っているものの、当然のように、彼らの残酷な死を願うメリキャットの思考の闇は深い。 自分の世界への甘美な語り口と、こうした残酷な面が隣り合っているので、その対比が読んでいて余計に心をざわつかせる。単純な怖さではないけど、読者の心のバランスがゆっくりと崩されていくような、そんな不安な気持ちを抱きます。 個人的にはクライマックスのコンスタンスが印象的だった。ジュリアンの登場で、徐々に内に籠り切った現在の生活に疑問を抱き始めたコンスタンスと、その姉をなんとか引き留めようとするメリキャット。しかし、物語の終盤、メリキャットとコンスタンスの屋敷に悲劇が起こり…… 開きかけた世界への扉は、残酷なまでに閉ざされ、コンスタンスの言動はメリキャットの理想に近いものに逆戻りしていく。メリキャットにとっては、これは好都合だから、語り口も悲劇的には語られていないのだけど、第三者である読者の自分から見るととにかく不気味だった。人が完全に壊れたところを見てしまった、という感じ。そして、それを自然と受け入れるメリキャットの怖さも、じわじわと襲ってくる。 美しく可愛らしい、病んでいて閉ざされた世界が、物語の終わりで真の完成を見る。すぐには物語の意味が分からなくても、遅効性の毒のようにじわじわとその怖さが、体を回っていく。美しさや可愛らしさと、狂気と怖さとが奇妙に両立した作品でした。

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2020/11/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『丘の屋敷』に続き、2冊目。 何とも言えない読後感。 最後まで、物語の芯をとらえることができなかった。結論や理由や過程や、そういうものがこの話の説明として最後に出てくると思っていたのに、肩透かしをくらわされたような感じだ。 語り手はメアリ・キャサリン・ブラックウッド。姉のコンスタンスと叔父のジュリアンとジョナスという名前の猫一匹と、大きなお屋敷で暮らしている。 火曜と金曜、彼女は村に出る。外に出ることができない姉の代わりに、食料品の買い出しと図書館に行くためだ。でも村の人たちは彼女に冷たい。冷たいというか、避けている。恐れている。でもその恐れの中には侮蔑の感情が込められてる。 何故か。 ブラックウッド家は、今家にいる3人を残して全員殺された。夕食のときに使った砂糖に混ぜられた大量のヒ素によって。料理を作ったコンスタンスは当時犯人と疑われたが、無罪となった。でもそんな惨劇が起きた一家の生き残りを、みんなは忌み嫌っているのだ。 なぜそんな事件が起きたのか。どのようにしてそれは成されたのか。 しかしこの物語の焦点はそこでなく、彼女たちに対する村の人たちの悪意と、その悪意を持つ同じ心から生まれる自分を恥じる矛盾した行為。そしてメアリ・キャサリン自身の異常な行動と、その心と頭の中。 メアリ・キャサリンは既に死んでいたのかと思った。叔父のジュリアンもそう言ってたし。そしてこの物語の語り手はメリキャット、すわなち猫なのかと思った。でも猫は買い物にいけないか。。。 深読みし過ぎて、何一つ待ち受けていないラストに逆に衝撃を受けてしまった。なんだなんだと首をかしげながら読みすすめ、結局ふわふわしたまま終わってしまった。そんな感じ。

Posted byブクログ

2020/09/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

依存する姉妹の話 最後は全部崩壊して燃えてなんだかスッキリした 田舎特有の閉鎖空間こぇ〜〜 百合好きには堪らねぇ話

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2020/09/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読みたかった本 主人公が犯人だとしてもに私は異常さを感じない。 世の中の不条理に嘆く苛つく気持ちがわかる。

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2020/09/09

「虫唾が走るような不快感」が癖になってしまうという桜庭一樹さんお勧めの一冊。確かに嫌な気持ちになりながらも読むのをやめられない。自分の胸に問えば邪悪な部分がないとは言い切れない。人間の意地悪な妬み心が高じると、自制が効かなくなる哀しさ、お屋敷の火事に乗じて村人が略奪・暴行に至る過...

「虫唾が走るような不快感」が癖になってしまうという桜庭一樹さんお勧めの一冊。確かに嫌な気持ちになりながらも読むのをやめられない。自分の胸に問えば邪悪な部分がないとは言い切れない。人間の意地悪な妬み心が高じると、自制が効かなくなる哀しさ、お屋敷の火事に乗じて村人が略奪・暴行に至る過程が怖い。 そんな人間心理を個性的な美姉妹をヒロインにして綴るシャーリィ・ジャクスンという作家の心理力に興味惹かれる。ゴシックロマンという作風は、20世紀はじめのイギリスアメリカ女流作家に多い、ダフネ・デュ・モーリアもそうだった。もっと言えばシャーロット・ブロンテからも始まっているのね。

Posted byブクログ