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ずっとお城で暮らしてる の商品レビュー

3.8

167件のお客様レビュー

  1. 5つ

    43

  2. 4つ

    52

  3. 3つ

    45

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    2

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2023/03/30

最初から最後までずっとマザーグースで文章を練っているのかというくらい不気味で可愛らしい文章で、ワケが分からない。ゴシックホラーの小説の原点であり、この小説に憧れて筆を執っている人は多いのだろうなと。似た作品は沢山あれどやはり別格。

Posted byブクログ

2023/03/12

タイトルと表紙のイメージとはまるで違う世界 読み進めると常に得体の知れない気持ち悪さが根底に流れていて、霧の中を歩き続ける様なスッキリしないダークな世界観が続く 冒頭から「運さえよければ、オオカミ女に生まれていたかもしれない」と怖い 誰がまともなのかわからない 大きな御屋敷に引き...

タイトルと表紙のイメージとはまるで違う世界 読み進めると常に得体の知れない気持ち悪さが根底に流れていて、霧の中を歩き続ける様なスッキリしないダークな世界観が続く 冒頭から「運さえよければ、オオカミ女に生まれていたかもしれない」と怖い 誰がまともなのかわからない 大きな御屋敷に引きこもって閉鎖的な調和のとれた暮らしをしている一家毒殺事件の容疑者の姉、幼い空想の世界に生きている語り手の妹、毒殺事件をきっかけに病になってしまった叔父 そして従兄弟、友人、村人 誰がまともなのかわからない みんな歪んでいる、狂っている そして書いてある通りの事しかわからない 疑問が山積みになっていく 最後まで読めば、何か一つでも明らかになるのではないかと期待するがそれはない どう解釈するかは読者の自由

Posted byブクログ

2023/01/29

久し振りに積読本を消化。 またもや帯にやられて購入した本。 ――この美しく病める世界 ――すべての善人に読まれるべき、本の形をした怪物である。――桜庭一樹 ――皆が死んだこのお城で、あたしたちはとっても幸せ。 メアリは、ほとんどの家族が砒素で毒殺されたお屋敷で、姉と体の不自...

久し振りに積読本を消化。 またもや帯にやられて購入した本。 ――この美しく病める世界 ――すべての善人に読まれるべき、本の形をした怪物である。――桜庭一樹 ――皆が死んだこのお城で、あたしたちはとっても幸せ。 メアリは、ほとんどの家族が砒素で毒殺されたお屋敷で、姉と体の不自由な伯父との3人でひっそり暮らしていた。そこに従兄のチャールズが現れて……。 ゆっくりと静かな恐怖。哀しみ。無力感。 そうしたからそうなったのか。そうであったからそうしたのか。 明らかにされない部分は多いまま終わります。 勝手に想像するしかないですね。 「本の形をした怪物」という非常に魅惑的な言葉に惹かれての購入でしたが、残念ながら私には「本の形をした本」でしかありませんでした。 そもそも「善人」でもなかったわ( ゚д゚)ハッ! 桜庭一樹さん、ごめんなさい(笑) なんとなくイギリスの話っぽかったんだけど、作者はアメリカの人なんだな~。

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2023/01/27

私的にすごく好きな小説。海外独特な情景が好きです。恐ろしいけど、わかる気もするし、わかる気がする自分が恐ろしかったし、ラストでタイトルの意味がわかりました。ゾッとしましたが、何度も読み返したい作品です。

Posted byブクログ

2023/01/01

桜庭一樹先生の影響で手に取った。 メリキャットとコンスタンスの姉妹が、他の家族が毒殺された家で暮らす物語。 結界や呪いのモチーフとして鏡・コイン・木、それから毒入りの砂糖などは魅力的だったが、あまり姉妹のビジュアルを描くことができず、自分の中では始まらないうちに終わってしまった感...

桜庭一樹先生の影響で手に取った。 メリキャットとコンスタンスの姉妹が、他の家族が毒殺された家で暮らす物語。 結界や呪いのモチーフとして鏡・コイン・木、それから毒入りの砂糖などは魅力的だったが、あまり姉妹のビジュアルを描くことができず、自分の中では始まらないうちに終わってしまった感覚があった。 直接的な怖い描写はない。 もう一回読んだ方がいいかも、、

Posted byブクログ

2022/12/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この小さい狭い世界で静かに暮らしている家族を私は嫌いにはなれない。 人々が生きているはずなのに、メリキャットの目を通すと陰気な死んだ村に見える。実際は違うのかもしれないけれど、彼女の目に映るものがこの本の全てだから疑いたくない。 18歳なのになんだか幼いメリキャットは、コンスタンス以外はみんな死んでしまえと思ったのかな。だとしたら生き残ったジュリアンおじさんもその中に入っており、しきりに「優しく」することを自分に強いていた理由も自ずと見えてくる。 空想の中に逃げ込んでいないと正気じゃいられないメリキャット、料理好きで綺麗好きのコンスタンス、夢の中に生きているジュリアン。この3人の奇妙にバランスの取れたあたたかい生活が好きだった。綻びが見えてきた後でも、これは失われてほしくないものだった。 村人たちの集団心理には燃えるような怒りがわいて、それを擁護する「友人」たちのことも信じられない気持ちで見ていた。もちろん従兄も。 もう一度読み返したい。そうしたら見えてくるものがまた違ってくるはずだ。

Posted byブクログ

2022/10/09

殺人的に頭がおかしいせいで村中に嫌われている一家が全力で頭がおかしいを実行した結果、全村人に養われるニートになった話。

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2022/09/19

こうやって魔女は作られるのねと思った。 みんな自分より豊かな人、恵まれてる人を懲らしめる機会を伺ってる。さも、自分に裁く権利があるみたいに。

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2022/08/13

面白かったが、チャールズにむかついた。 読んでて、ダイアナウィンジョーンズの小説みたいだった。 他の作品も読んでみたい!

Posted byブクログ

2022/08/10

「これこそ、本当の恐怖小説。本書『ずっとお城で暮らしてる』は、ちいさなかわいらしい町に住み、きれいな家の奥に欠落と過剰を隠した、すべての善人に読まれるべき、本の形をした怪物である。」 ー桜庭一樹氏の解説より 読み終わったあと、なんとすごい解説だろうと思って引用させていただきまし...

「これこそ、本当の恐怖小説。本書『ずっとお城で暮らしてる』は、ちいさなかわいらしい町に住み、きれいな家の奥に欠落と過剰を隠した、すべての善人に読まれるべき、本の形をした怪物である。」 ー桜庭一樹氏の解説より 読み終わったあと、なんとすごい解説だろうと思って引用させていただきました。本作への愛と畏敬をひしひしと感じる解説でした。 さて、肝心の本編について。 語り手で主人公の18歳の少女メアリ・キャサリン・ブラックウッド…通称メリキャットと、おそらく10歳ほど年上の美しい姉コンスタンス、2人の伯父のジュリアンおじさんの3人で、広い屋敷で暮らしてる。 彼らの家では昔家族全員が毒殺された経緯があり、3人はその事件での生き残り、犯人はコンスタンスとされていた。 メリキャットは両親がいない時間を多く過ごし、躾もあまりされずに髪はボサボサ。服も汚れてる。 コンスタンスは庭の畑で収穫した作物やメリキャットが村で買ってくる食材で食事を作るのが好き。 ジュリアンおじさんはコンスタンスに介護されながら、その事件について、今でも資料を作り重ね、真実を知ろうとしている。 極力外界と離れて暮らす3人。 そんなブラックウッド家を村人たちは忌み、嫌がらせをしていた。 「メリキャット お茶でもいかがと コニー姉さん とんでもない 毒入りでしょうと メリキャット メリキャット おやすみなさいと コニー姉さん 深さ十フィートの お墓の中で!」 村の子どもたちがメリキャット姉妹を野次るときに歌うこの歌のフレーズが染みつく。 そんな環境で、ごくわずかな両親と仲の良かった数家とかろうじて付き合いがあるのみのブラックウッド家に、従兄弟を名乗るチャールズの来訪により、事態が大きく変わってゆく…… 私的にはすごく怖い!!というより、じわじわ何この不可解さ?意味わからんのですけど…みたいな恐怖感が読後大きくなってくる作品でした。 村の空気感も居心地が悪く、メリキャット視点で見ていくと嫌悪的にも感じるし、ブラックウッド家が引きこもるのもわかる…と思いつつ。 次第にメリキャットの自分たちを守るためのおまじないと称して木に家族の遺品を打ちつけたり、土の中に埋めたり。 本当に18歳?その年齢は本当?と思いたくなるようなメリキャットの年不相応で病んだ行動や思考にもじわじわきます。 衝撃の事実…についても、なんでその人はそんなことしたの?という理由が最後まで分からず、そのことも恐怖を煽る。 極めつけは、おそらくは家族全員が生きてた頃からのメリキャットとコンスタンスの異常なまでの姉妹愛。 しかもその理由がまたよく分からない。 読み進めれば進むほど、2人のことが本当に分からない。 この分からなさが私がこの作品が怖いと思う理由だろうか。 桜庭さんは、「ジャクスンが描いているのは女の怖さではなく、性別も年齢も国境も超えたところにある、"弱者のとほうもない怖さ"だと思うのだ」と感想を述べている。 桜庭さんは、私が感じた以上に、この小説の怖さを語っており、読後すぐはひょえーとしか思わなかった私は、えっこの作品そんなにここそこが怖かったですか?と思うところもあった。 そんなふうに私が感じたのは、私自身、自分のことを弱者だと思っているからかもしれない。と、桜庭さんの感想を読んで思った。 コンスタンスとジュリアンおじさん以外のすべてのものが、何もかもが敵に思えるメリキャットの気持ちというか、猜疑心というか、頑なさというか。 そういうところに少し共感してしまった部分があるせいかもしれない。 何もかも信用できない精神状態に陥ったことがあるので… まあ最後を読んで、うん、やっぱりわからん!と思う節もありますが。節だらけな気がしますが。 全てメリキャット視点だったからこその恐怖感だと思うんですね。少しでも第三者視点で描かれている部分があったら、こんな怪物作品にはならなかったかと。 でもメリキャット以上にコンスタンスのことがわからん。コンスタンスは望みさえすれば、メリキャットと違って外の世界に行くこともできそうなものなのに…? 家族が全員生きていた頃、その頃のブラックウッド家内の関係性などがすごく気になる。 そんな想像の余地、不可解さもやはり恐怖に一役かっているかも。 なんにせよ、読んでよかった。 なんかすごい作品に出逢っちゃったよ。といった感じです。著者の他の作品も貪るように読みたい。

Posted byブクログ