東京DOLL の商品レビュー
主人公の相楽一登は「MG」(マスター・オブ・ゲーム)のニックネームを持つ天才ゲームソフトクリエ ーター。深夜のコンビニで働く「ヨリ」という少女に出会い、彼女を新作ソフトのモデルにスカウトする ところからこの物語は始まる。 背中に翼のタトゥを背負い、愛する男の不幸が見えるとい...
主人公の相楽一登は「MG」(マスター・オブ・ゲーム)のニックネームを持つ天才ゲームソフトクリエ ーター。深夜のコンビニで働く「ヨリ」という少女に出会い、彼女を新作ソフトのモデルにスカウトする ところからこの物語は始まる。 背中に翼のタトゥを背負い、愛する男の不幸が見えるという特殊な能力を持つヨリと、ゲームを作ること で自らを孤独に追い込んでいくMGの恋物語。と、簡単にいかないところが石田衣良のすごい所だ。 この小説は「東京の今を描いた長編恋愛小説」というふれこみがある。この小説が「小説現代」に連載さ れていたのが2004〜2005年であるから舞台は3年前の東京。けして古い話ではない。 電脳都市・東京を舞台に、TVゲーム、タトゥを体に彫った若者、企業のM&Aなど昨今の日本のキーワ ードともなる事柄を中心に物語の舞台は構成されている。やたらと出てくる固有名詞。例えば、ビンテー ジのリーバイス501のジーンズ、クロムハーツのネックレス、ジル・サンダーのスーツ、コール・ハー ンのサンダル、レンジローバーやアウディA8の高級車など。そして、官能小説か、と言いたくなるほど リアルに描写されるセックスシーン。この小説はこれらのひとつひとつが大きな意味を持つ。 僕がこの小説に見いだしたテーマは文中のある一節に表されていた。 それは「リアルなものはリアルに。バーチャルなものはバーチャルに」という一節だ。 つまり、ゲームを作るという世界において、ゲームのキャラクターモデルとして完璧な「人形」を演じる ヨリと、ひとりの女性としてMGと恋に落ちるヨリというリアルな人間の対比。作中に登場する紙幣の対 価としての高価な固有名詞の品々と、それらの価値を認識しつつも、物質として捉えるMGのリアルな価 値観。いわゆる「おたく文化」に象徴されるバーチャル恋愛と生身の女性とのセックスの対比。これらの 対比を浮かび上がらせることで石田衣良はメッセージを発信する。 それが「リアルなものはリアルに。バーチャルなものはバーチャルに」ということだ。混同してはいけな いということ。これは今の日本の若者たちにとって重要なメッセージではないだろうか。 リアルという面で言えば、MGにもヨリにも恋人がいる。つまり背信行為の恋なのだが、そこで生じる人 間臭いリアルな問題で、バーチャルのように簡単にリセットとはいかない。そこから進むために、傷つい たり、泣いたりする感情がリアルには必要なのだ。 本文に「なぜ、どの女性も手が届かなくなったとたんに美しく見えるのか。ゲームの中で自由にキャラク ターを創造できるMGにも、リアルな世界の女性は謎だった」とある。この一節は男としてもの凄く共感 できる一節であるが、これこそ、バーチャルにはない予測不能なリアルの世界の真髄だろう。 人は本来、感情と感情のぶつかり合いで心を動かされたりするものだ。リアルな性描写もバーチャルでは ないリアルな人間を表現するため、そして高価なブランド品を脱ぎ捨てた、本来の人間の姿を表現するた めではないだろうか。 単なる好いた惚れたの恋愛小説ではない。これは「今」という時代の在り方を問う恋愛小説だ。
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どこぞには、こういう世界もあるのかな・・・ もしかしたら、この本の主人公のモデルは、 石田さん自身なのかもしれない・・・ そんな風に感じてしまう。。
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長編の恋愛小説。ゲームの制作者のMGと新作のモデルに選ばれたヨリのおはなし。 固有名詞が多くわからないものも多かったが、場面ごとが想像しやすかった。 モデルとしてMGの人形のようにしているヨリにMGは惹かれていく。ヨリには愛する男性の不幸が見えてしまうという不思議な力があって、そ...
長編の恋愛小説。ゲームの制作者のMGと新作のモデルに選ばれたヨリのおはなし。 固有名詞が多くわからないものも多かったが、場面ごとが想像しやすかった。 モデルとしてMGの人形のようにしているヨリにMGは惹かれていく。ヨリには愛する男性の不幸が見えてしまうという不思議な力があって、それが大きなカギだったような気がした。 会社の経営的なはなしもあって面白かった。社長とかは会社の拡大や自分の利益ばかり考えていて怖いなと思った。
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◆あらすじ◆ マスター・オブ・ゲーム=MGと呼ばれる天才ゲームソフト制作者・相良は、新作のモデルに翼のタトゥを背負った少女・ヨリを選ぶ。 映像モデルとして完璧な「人形」ぶりを発揮するヨリに、MGの孤独は癒されていく。 だが、彼女には愛する男の不幸が見えるという異能があった。 東京...
◆あらすじ◆ マスター・オブ・ゲーム=MGと呼ばれる天才ゲームソフト制作者・相良は、新作のモデルに翼のタトゥを背負った少女・ヨリを選ぶ。 映像モデルとして完璧な「人形」ぶりを発揮するヨリに、MGの孤独は癒されていく。 だが、彼女には愛する男の不幸が見えるという異能があった。 東京の今を描いた長編恋愛小説。
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『一瞬の光』(角川文庫・ 白石一文) 『東京DOLL』(講談社文庫:石田衣良) を続けて読んだんだけど、あまりに印象が違うので最初は気づかなかったんですが、この二つの作品って物語構造としては非常に近しいものを持っているんですね。それでいて、そこに読みとれる時代的感性においては実...
『一瞬の光』(角川文庫・ 白石一文) 『東京DOLL』(講談社文庫:石田衣良) を続けて読んだんだけど、あまりに印象が違うので最初は気づかなかったんですが、この二つの作品って物語構造としては非常に近しいものを持っているんですね。それでいて、そこに読みとれる時代的感性においては実に対称的。この2冊を続けて読むような雑食読み手はそうはいないと思うので、なんだか軽く自分だけの大発見をした気分です。 この2つの小説は、いずれも現実社会において成功をおさめた男性を主人公としており、その成功に半ば飽きを感じている日常から物語が始まります。順調な仕事と、潤沢な経済力、結婚を目前に控えた非の打ち所のないパートナー。しかしどちらの主人公も10歳以上も若い女性ととある偶然から「運命的な出会い」をし、そこからエリートとしてのレールを踏み外してゆく…。どちらも成功願望と規定路線からのドロップアウト願望を投影したかのようなストーリーです。 面白いと思ったのはその時代的な感覚の差。実際は両者の刊行された年はさほど変わらないのですが、『一瞬の光』は実に昭和的で歌謡曲のように過剰に(そしてわざとらしく)ドラマチックであり、それに対して『東京DOLL』はいかにも現代風の、流行しては消えてゆく商業ポップスのような、さらりと抵抗なく読めてさらりと忘れる手触りなのです。その差は文体や雰囲気だけでなく、その設定にも具体的に現れています。 <サクセスビジョン> 『一瞬の光』…大財閥基幹企業のエリート。 「オヤジ」と呼ばれる社長との擬似父子的関係が濃厚(タテの関係) 『東京DOLL』…ミリオンヒットゲームのプロデューサー 学生時代からの仲間と立ち上げた会社の社長(ヨコの関係) 『一瞬の光』の方の主人公は、途上国開発に関し国策をも動かしており、そのために違法な政治献金などの不正にも手も染めています。しかしそこには将来的には日本の国益になるのだという信念がある。つまりその是非はともかく、「公」へ関わり、貢献する中に男子としての成功像を見い出す姿勢が見て取れます。またスケールの大きさがそのまま成功の度合いに直結する価値基準も見て取れます。 一方の『東京DOLL』では、主人公は大手資本と提携することには消極的で、今のまま、気のおけない仲間同士で仕事がしたいと願っており、「公」への意識は存在しません。経済的スケールよりも「居心地の良さ」を達成目標とする姿勢が見て取れます。 <女性との関係> 『一瞬の光』…結局新しい女性とはプラトニックなまま 倫理的に「あるべき」姿たらんとして自分の本心に気づこうとしない 『東京DOLL』…倫理的な葛藤なく、流れのままにSEX 倫理や「本心」よりも、その時感じたまま刹那的に行動 新しい女性と関係を結ぶのに際して既存のパートナーを思い起こしもしない このような主人公の行動規範や価値観の差が、この2冊を昭和の空気と平成の空気に分けているように感じました。しかし一方で、これだけ主人公が対称的でありながら、そこに描かれる女性像は驚くほど似通っているのです。どちらのの物語においても主人公の婚約者は、「仕事のできる才媛でありながら、道行く人が振り返る美人。理知的で聞き分けが良く、主人公の新しい女の影に取り乱すことはないが、実は内に情熱(主人公への愛情)を秘めている。主人公の仕事への理解も深く、セックスの相性も良い」という設定であり、主人公の逸脱のきっかけとなる新しい女性は「10歳以上年下、メンヘル気味、理性よりは感性で動くタイプ」というわけです。家賃を援助してやったり、ブランド品を買い与えたりと、圧倒的な経済優位を背景とした接し方にも合い通じるものがあります。 なんなんでしょうね。時代が変わって男の感性がどれだけ変わっても、異性に求めるものはさほど変わらないということなのかなぁと、読み比べて見て非常に興味深く感じました。
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石田衣良らしい きれいでえろい 主人公ふたりとも魅力的でいい話です。 現実離れしてるのはしかたない。
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天才クリエーターがそのゲームの中でイメージした最高の女性と出会ってしまい、 そのまま、行為をしてしまったり・・。 世界観がわかりやすく読みやすい。 いやらしいなって思う部分と、金周りいいなぁとおもう部分があった。
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一言で言うなら大人の恋愛。 私はやっぱりオープンエンドが好きだ。 必ずしも一組のカップルが出来上がる、だけじゃない恋愛物は好き。 東京の街がたくさん出てくるのもいい。 性描写が激しいところが男性作家の作品の悩みの種かな。
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ん〜、なんか陳腐でした。 売れっ子のゲームプランナーと彼のモデルになった女の子。 クールぶった主人公のゲームプランナーもモデルになった女の子も、あまりにも作られすぎたキャラクターで、全然共感できませんでした。 題材的には、『池袋ウェストゲートパーク』シリーズにも通ずるようなものな...
ん〜、なんか陳腐でした。 売れっ子のゲームプランナーと彼のモデルになった女の子。 クールぶった主人公のゲームプランナーもモデルになった女の子も、あまりにも作られすぎたキャラクターで、全然共感できませんでした。 題材的には、『池袋ウェストゲートパーク』シリーズにも通ずるようなものなんだけれど・・・。残念!
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石田衣良作品読み漁りキャンペーン一旦終了の作品。 初めて恋愛小説を読んだが、ゲームクリエイターの主人公と本来はただのモデルにするつもりで雇った不思議な力を持つ女との恋愛。 企業、仕事、結婚、恋愛全ての要素を含み主人公のキャラ設定が絶妙。 個人的には元彼のヤンキー君がかっこいいと思...
石田衣良作品読み漁りキャンペーン一旦終了の作品。 初めて恋愛小説を読んだが、ゲームクリエイターの主人公と本来はただのモデルにするつもりで雇った不思議な力を持つ女との恋愛。 企業、仕事、結婚、恋愛全ての要素を含み主人公のキャラ設定が絶妙。 個人的には元彼のヤンキー君がかっこいいと思った。決してなりたくはないが、男として魅力的。
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