ぬかるんでから の商品レビュー
大好きな作家、佐藤亜紀さんの旦那さん。 今年の8月に亡くなられた。62歳。 佐藤哲也さんを初めて読んで、 佐藤亜紀さんの旦那さんだものなぁ、このくらいじゃないとやっぱり釣り合わないんだなぁと思った。 天才ご夫婦。 概念や観念をイメージとして表現した、内容の不思議なタイプのもの...
大好きな作家、佐藤亜紀さんの旦那さん。 今年の8月に亡くなられた。62歳。 佐藤哲也さんを初めて読んで、 佐藤亜紀さんの旦那さんだものなぁ、このくらいじゃないとやっぱり釣り合わないんだなぁと思った。 天才ご夫婦。 概念や観念をイメージとして表現した、内容の不思議なタイプのものを久しぶりに読んだ。感覚を具現化する文章版。 全体的にアイロニカル。 最初の4篇は同じジャンルというか繋がっているとも取れるつくりで、後半はそれぞれ異なる。 1〜5が宗教的で、6〜13は子供が主人公だったり天井に張り付いてるカバや人より大きいキリギリスなど分かりやすく読みやすい作品。 個人的には「巨人」が印象に残る。 精神の部分が自分とあまりにも同じで、発狂した時の行動とか私がこれまでうまく言えなかったものがそこにあって、驚いた。 解説は伊坂幸太郎さん。 解説の中で美術評論家の坂崎乙郎氏の言葉を引用されていて、私もそう思うので書き留めておく。 『絵描きも小説家もこういう現実の世界の外側に、あるいは彼岸に小さな宇宙を築くことのできる人たちであり、この小さな宇宙が、ある何人かの人間に感化をおよぼしていくことのできる、そういう才能が絵描き、あるいは小説家だと確信しています』(「絵とは何か」より)
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ぼちぼちですかね。 伊坂さんのおすすめ?で読みましたが、 なかなかリズムに乗れず読み終わりました。
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ヌメヌメとじっとりと生温かい。そんな短編集。 はっきりとした結末がなくて後味の悪いものばかり。辛くなって一気に読めなかった。 伊坂幸太郎の解説にひとつづつ読むべきと書かれていたので納得。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「ぬかるんでから」★★★★ 「春の訪れ」★★★ 「とかげまいり」★★★★ 「記念樹」★★★ 「無聊の猿」★★★ 「やもりのかば」★★★★ 「巨人」★★★ 「墓地中の道」★★★ 「きりぎりす」★★★ 「おしとんぼ」★★★★ 「祖父帰る」★★★★ 「つぼ」★★★ 「夏の軍隊」★★★
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しょっぱなの表題作から、独特のワールド全開。しばらくは楽しく読み進めていたんだけど、濃厚すぎて、ちょっとずつ息切れし始めた感じ。で、先に巻末の解説by伊坂を読んでみたんだけど、そこで”少しずつ読み進めた方が”的なことが書かれていて納得。そこからは1話ずつ読み進めるようにして、概ね...
しょっぱなの表題作から、独特のワールド全開。しばらくは楽しく読み進めていたんだけど、濃厚すぎて、ちょっとずつ息切れし始めた感じ。で、先に巻末の解説by伊坂を読んでみたんだけど、そこで”少しずつ読み進めた方が”的なことが書かれていて納得。そこからは1話ずつ読み進めるようにして、概ね楽しむことが出来ました。
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なんですの?これ。チンプンカンプンと表裏一体の作風。同時に狂気とくだらなさを併せ持ち、異質な幻想世界へ誘う。SF、ファンタジー、ホラーと様々な要素が組み込まれた短編が13あるのだが、兎に角、話がブッ飛んでいる。シュールと一言で片付けるのもおこがましい。何でこうなるんだろう?何て考...
なんですの?これ。チンプンカンプンと表裏一体の作風。同時に狂気とくだらなさを併せ持ち、異質な幻想世界へ誘う。SF、ファンタジー、ホラーと様々な要素が組み込まれた短編が13あるのだが、兎に角、話がブッ飛んでいる。シュールと一言で片付けるのもおこがましい。何でこうなるんだろう?何て考え始めたらこの作品はもう無理である。これは空気感で楽しむ本だ。まさにブルース・リーの"あの名言"の通り。解説の伊坂幸太郎氏がこの作品の一気読みは避けた方がいいと言うのも頷ける。個々が濃厚過ぎるから(笑)
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短篇集。個人的には後半の作品により迫力を感じた。前半を読んで「作為的すぎるかも」と感じた人も、ぜひ最後まで読み通してもらいたい作品集。 解説は伊坂幸太郎。曰く、佐藤哲也は「小説ならではの喜び」を感じさせるという。そう、確かに比喩としか感じられないものを現実なのだとして押し通す、...
短篇集。個人的には後半の作品により迫力を感じた。前半を読んで「作為的すぎるかも」と感じた人も、ぜひ最後まで読み通してもらいたい作品集。 解説は伊坂幸太郎。曰く、佐藤哲也は「小説ならではの喜び」を感じさせるという。そう、確かに比喩としか感じられないものを現実なのだとして押し通す、ラテンアメリカ文学風の迫力が佐藤哲也にはある。 なお解説に「この短編集を一気に読み通すようなことはしないほうがいいかもしれない」と述べる。確かに濃密すぎるこの世界は、じっくりと、本気で味わうべきものであるようにも思う。
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【本の内容】 「これは奇跡に関する物語だ。」―洪水に苦しむ人々を救うため、愛する妻が“亡者”と交わした取引とは? 鮮烈な余韻を残す表題作ほか、謎の圧死をとげた伯父の家での不思議な邂逅を描く「やもりのかば」、裏の空き地で少年が体験する不条理「夏の軍隊」など、美しく奇想天外な13の...
【本の内容】 「これは奇跡に関する物語だ。」―洪水に苦しむ人々を救うため、愛する妻が“亡者”と交わした取引とは? 鮮烈な余韻を残す表題作ほか、謎の圧死をとげた伯父の家での不思議な邂逅を描く「やもりのかば」、裏の空き地で少年が体験する不条理「夏の軍隊」など、美しく奇想天外な13の物語。 [ 目次 ] [ POP ] 「これは奇跡に関する物語だ」 これは書き出しの一文ですが、非常にインパクトがありました。 「奇跡」と言う言葉を真正面から書いてしまう潔さに驚きました。 「奇跡」とはなんだ?と考えてしまいます。 自然の法則を超えて起きる現象は、それを信じる人にとっては希望でもあります。 表題作の「ぬかるんでから」では、主人公とその妻たちの住む土地一帯が突如ぬかるみに変わります。 食物を作ることもできず、飲み水もない。 飢えに苦しみ争いは絶えず、「持つもの」と「持たざるもの」は共存派と私有派にわかれます。 そこへ、亡者が現れ望みをかなえてくれるという。 「食べ物が欲しいのであれば、お前の美しい歯を」よこせと要求されれば与え、妻は人々に代わり取引を交わします。 共存を支持した人々は、二人のやり取りを見守ります。 「持たざるもの」たちの要求はエスカレートし、妻の美しい片目や指も亡者に献上される。 ついに彼らは妻を踏み台に「持てるもの」へと立場を変え、旅立っていく。 不条理の世界独特の徒労感がここにはあります。 「奇跡」という言葉に含まれる明るい希望のようなものが、煮詰まって鈍く光っている。 読んだあとに不意に襲ってくるじわじわとした恐怖と苦い後味にハマってしまいました。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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何かの比喩かなぁ?とか色々考えながら読んでたから疲れた。 表題作の『ぬかるんでから』はダークな童話みたいで好き。『夏の軍隊』は何と無く微笑ましくて好き。『やもりのかば』はオバQとかを想像した。 多くの作品の所々で『ごっつええ感じ』とか『VISUALBUM』のコントを思い出した。誰...
何かの比喩かなぁ?とか色々考えながら読んでたから疲れた。 表題作の『ぬかるんでから』はダークな童話みたいで好き。『夏の軍隊』は何と無く微笑ましくて好き。『やもりのかば』はオバQとかを想像した。 多くの作品の所々で『ごっつええ感じ』とか『VISUALBUM』のコントを思い出した。誰でも笑える方やなくて、キャシィ塚本みたいなイタイ方のコント。『巨人』『墓地中の道』は比較的ベタで、『祖父帰る』『おしとんぼ』はイタイ方のコント。 表紙が大友克洋で、解説が伊坂幸太郎。
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ぬかるんでから / 初出 『日本SFの大逆襲!』 徳間書店 (1994.11) 春の訪れ / 初出 S-Fマガジン 1996年9月号 とかげまいり / 初出 小説すばる 1994年12月号 記念樹 / 初出 小説すばる 1996年9月号 無聊の猿 / 初出 小説すばる 1995年...
ぬかるんでから / 初出 『日本SFの大逆襲!』 徳間書店 (1994.11) 春の訪れ / 初出 S-Fマガジン 1996年9月号 とかげまいり / 初出 小説すばる 1994年12月号 記念樹 / 初出 小説すばる 1996年9月号 無聊の猿 / 初出 小説すばる 1995年8月号 やもりのかば / 初出 小説すばる 1994年8月号 巨人 / 初出 小説すばる 1995年7月号 墓地中の道 / 初出 小説すばる 1995年11月号 きりぎりす / 初出 小説すばる 1995年2月号 おしとんぼ / 初出 小説すばる 1994年7月号 祖父帰る / 初出 小説すばる 1995年4月号 つぼ / 初出 小説すばる 1995年12月号 夏の軍隊 / 未発表 解説 (伊坂幸太郎) 『ぬかるんでから』 2001.5 文藝春秋刊 文庫化 装画 大友克洋 装丁 鶴丈二 印刷 大日本印刷 製本 加藤製本
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