硫黄島玉砕戦 の商品レビュー
硫黄島で戦った日本とアメリカ両国の人達の言葉はとても重いものがありますが、印象的だったのは61年後の2006年にNHK取材班が実際に硫黄島を訪れた様子を書いた序章です。 取材班と称した四人の著者が巻末にそれぞれ記してありますが、本物のNHKの記者なのか、それとも外部の雇われ記者...
硫黄島で戦った日本とアメリカ両国の人達の言葉はとても重いものがありますが、印象的だったのは61年後の2006年にNHK取材班が実際に硫黄島を訪れた様子を書いた序章です。 取材班と称した四人の著者が巻末にそれぞれ記してありますが、本物のNHKの記者なのか、それとも外部の雇われ記者なのかは特に問いません。とにかく今という時代を共に生きる我々と同じ生身の人間が実際に硫黄島を訪れ、栗林中将が指揮を執っていたとされる地下司令部豪の様子を書いたくだりは読んでいるだけで息苦しくなるほどで、狭くて暗い所が苦手な閉所恐怖症の人は耐えられない圧迫感です。加えて喉の乾きと飢えと死の恐怖が加わったら一体どんな感じだろう?と想像してみても、平和ボケした私には全く想像が及びません。 太平洋戦争ものを読むたびに軍上層部への怒りと惨めな負け戦の実体を知り、島で亡くなった2万人の命の粗末な扱われ方もまた、この本から学ぶことができます。
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2018/11/1読了 ラジオ特番を聞いて、改めて戦争を読んでみよう と思ったのだが 冷静に終わりまで読めたものではなかった。ので ざっくり読みで あまりにむごく、想像のできない、したくないのが正直なところ。正常でいられない世界から生還した人たちは どんな思いでこのインタ...
2018/11/1読了 ラジオ特番を聞いて、改めて戦争を読んでみよう と思ったのだが 冷静に終わりまで読めたものではなかった。ので ざっくり読みで あまりにむごく、想像のできない、したくないのが正直なところ。正常でいられない世界から生還した人たちは どんな思いでこのインタビューに挑んだのだろうか。 関連物は知りたい、読みたいと思う反面 そのむごさや残酷さを吟味する勇気がありません。 それほどに愚かなことを、この先で再びあってはならないと 強く強く思う。
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2007年刊。 「近ごろ、戦争が起きたらどんなことになるかも知らずに、戦争を語る人が増えている。自分たちの記憶は冥土に持っていくこともできるが、…聞いておいてもらったほうが子孫のためになる」と語る日本兵。 「戦争は本当にばかげている。戦争を起こすのは…ソファに…身を沈めた、戦場を知らない人間だ」と語る硫黄島生還米兵。 旧軍人の冷たい目線に耐え、真実を話さずに時は流れた。その生還兵が「戦友の勇敢さ、戦友を庇いあう友情」といった美談とは別の、隠れた凄惨な事実を語りだす。 そう硫黄島は太平洋戦争の最大の激戦地。 万歳突撃が許されず、武器弾薬も援軍も水・食料もない中で即死を願う兵士たち、死体の山に身を隠し生き延びた兵士、投降に応じた下級兵を後ろから射殺した日本軍将校、自決に失敗し重傷を負った兵士の悲惨な成り行き、死んだ兵隊の持ち物をあさる友軍兵士、負傷兵ばかりで切り込みに行かせた将校(口減らし目的)、投降勧告兵が残置した食料品を奪い合う兵士。 栗林中将の手紙などといった綺麗ごとで済まされない事実が本書には詰まっている。
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事前知識があったから割と冷静に読めた。でもアメリカ側の生還者の話はほとんど知らなかった。父親たちの星条旗でも彼らなりに苦しみはあったんだと分かっていたけど、違う側面から見ると戦争って全く違うように見える。 すごく共感できたのはアメリカ人生還者の方が「どうして日本では捕虜を国賊と扱...
事前知識があったから割と冷静に読めた。でもアメリカ側の生還者の話はほとんど知らなかった。父親たちの星条旗でも彼らなりに苦しみはあったんだと分かっていたけど、違う側面から見ると戦争って全く違うように見える。 すごく共感できたのはアメリカ人生還者の方が「どうして日本では捕虜を国賊と扱うのか」ということ。生き残ったのにどうして責められないといけないのか、きっと現代社会に生きる自分達には完全に理解できないんだろうな… 国のために、という頭のおかしい思想のせいで大勢の若者たちの命が散っていったことが悔やまれる。個人的に日本史の中で大日本帝国の時が一番恐ろしい。
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この本の構成は、時系列に沿って硫黄島の戦いについてみていくものです。9名の生還兵の証言を随所にちりばめ、本当の硫黄島玉砕とはどのようなものであったのか、数字や記録だけではわからないところにまで踏み込んだ本になっています。中では、想像を絶する悲惨さが描かれていました。 この本は日本の生き残りの兵だけにインタビューするのではなく、アメリカ側の兵からも当時の様子について語られていました。両方の立場からみた硫黄島を知ることができました。 一番気になったところは、序盤なのですが、大越晴則さんという方にインタビューの許可をいただく際に、最初のうちは「本当の話なんて、テレビでは出せないでしょう。どうせ差し障りのない話だけになるよね」とおっしゃい断られているところです。結局インタビューを受けてくださるのですが、取材者はその時、”見たことはすべて話す。お前たちは聞いた以上は、その責任を取れ―”と大越さんの視線から訴えられたと感じています。 実際本になっているわけですが、この点を取材者たちはどうしたのでしょうか?読者に届かなかった真実はあるんでしょうか?誠心誠意書かれてるような印象は受けましたが、常識の通じぬ戦争です。もしかしたらカットされたこともあるのかなと頭をよぎりました。私にはどうしても分からないところです。 私はこの本を読み、真実の一遍を知りました。大切なのは忘れないこと、風化させないこと。そして、戦争は起こしてはいけないことであると、大きな声で言える、平和な社会を途だやさないことだと考えます。 日米合わせて約二万七千人の英霊に哀悼の意を捧げます。
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たいへん痛々しかったです… 気を付けなくてはいけないのは、こういうことは取り上げられている地だけであったことではない、ということ。
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玉砕することも捕虜になることも許されなかった日本軍の将兵たち。生きていること自体が地獄だった硫黄島での戦いからごくわずかに生還した人びとが戦後60年を経てようやく語った戦場の日々。平和というものがどんなに尊いものか改めてかんがえさせられます。
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