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雪沼とその周辺 の商品レビュー

4

170件のお客様レビュー

  1. 5つ

    46

  2. 4つ

    67

  3. 3つ

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  4. 2つ

    7

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2026/04/03

バリューブックスのチラシの裏で紹介されていたので読んでみた。よかった。各短編の終わり方、引き際が唐突なようでいて余韻がある。『この先もこんな淡々とした日常がずっと続いていく、死に向かって。』みたいな著者の語らない思いを感じた。ずーっと凪みたいな短編なんだけれど淡々とした文章に心が...

バリューブックスのチラシの裏で紹介されていたので読んでみた。よかった。各短編の終わり方、引き際が唐突なようでいて余韻がある。『この先もこんな淡々とした日常がずっと続いていく、死に向かって。』みたいな著者の語らない思いを感じた。ずーっと凪みたいな短編なんだけれど淡々とした文章に心が癒される感じ。夜寝る前に少しずつ読んでちょうどよかった。

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2026/03/11

春のなんかさ、のにが紹介していたのと元々気になってたので読んでみた。 静かに進む時間の中に流れるその人の生活が丁寧に描かれているような文体は読んでいて心地が良かった。なかでもスタンス・ドッドのラストの終わり方は心地がとてもよい。

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2026/03/10

10年ぶりの再読。登場人物は皆地味だが、日々の生活を淡々と真摯に生きている様子が伝わる。静謐という言葉がしっくりくる。喪失や哀しみが滲む作品が多く、その人が歩んできた人生が浮かび上がる。冒頭のスタンス・ドットが特に完成度高い。

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2026/03/08

時代遅れで、静かで、品が良い。 老成した登場人物達が心穏やかに各々の生活を営み、使い慣れた多様な機械を仕事の相棒としながら、時代から取り残された田舎で暮らす。 動的な展開はなく、淡々と粛々と生きる様が描かれ、気づいたら一編を読み終わっている。星新一のショートショートとまではい...

時代遅れで、静かで、品が良い。 老成した登場人物達が心穏やかに各々の生活を営み、使い慣れた多様な機械を仕事の相棒としながら、時代から取り残された田舎で暮らす。 動的な展開はなく、淡々と粛々と生きる様が描かれ、気づいたら一編を読み終わっている。星新一のショートショートとまではいかないけど、とても簡素で控えめな物語の数々。 社会人になってから娯楽小説ばかりを読んでることに気づかされた。雪沼とその周辺で暮らす人々の1日に立ち会っただけで心が洗濯されたような、山奥の綺麗な水を飲み干したような気分になる1冊。

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2026/03/05

なんとなくだけど(いや完全にこっちの主観だけど)、作者は綺麗な世界だけで生きてきた人なんだろうな。業の部分がなんかもっと欲しいなと。雪沼の住人には俺はなれないだろうな。

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2026/02/23

物語の随所に漂う「余白」が、心地よく感じられました。語られない部分があるからこそ、想いを馳せる余地が生まれ、物語へ主体的に入り込めました。 登場人物そのものよりも、思い出を軸に描かれている点も印象的でした。どこか距離を保ちながらも、確かな温もりがあり、客観性と優しさが同居している...

物語の随所に漂う「余白」が、心地よく感じられました。語られない部分があるからこそ、想いを馳せる余地が生まれ、物語へ主体的に入り込めました。 登場人物そのものよりも、思い出を軸に描かれている点も印象的でした。どこか距離を保ちながらも、確かな温もりがあり、客観性と優しさが同居しているように思います。

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2026/01/25

表題通り、山あいの街・雪沼とその周辺に暮らす人々の物語を集めた短編集。静かに過ぎてゆく日々、旧い道具や住まいに刻み込まれたそれぞれの人生の起伏。喜びも哀しみも呑み込んで静かに降り積もる時の流れが、郷愁のような切なさと温もりに淡く輝く、端正な作品。

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2025/12/25

都会から離れたある地域を舞台に織りなす人々の生活。朴訥で一途で、人に優しい。描く文章も優しい。ほのぼのした読後感を得られる、大人の童話。2025.12.25

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2025/12/07

評判が良さそうなので読んでみた短編集 スタンス・ドット 初読みの作家なので舞台設定には目をつぶるとしても結末の「戦慄」というワードがどうにもしっくりこない 送り火 これがマイベストかな 唯一の及第点 他の作品も自分には合わなかった 連作である意味も感じられない

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2025/11/22

まず驚いたのは文章の“肌なじみのよさ”だった。 嫌味もなく、気取ったところもなく、すっと胸のあたりに溶けていくように物語が入ってくる。喉通りのいい飲み物みたいに、いつの間にか読み進めてしまう。その軽やかさは、秋晴れの空気の中で読むのにぴったりで、この季節に出会えたこと自体が小さな...

まず驚いたのは文章の“肌なじみのよさ”だった。 嫌味もなく、気取ったところもなく、すっと胸のあたりに溶けていくように物語が入ってくる。喉通りのいい飲み物みたいに、いつの間にか読み進めてしまう。その軽やかさは、秋晴れの空気の中で読むのにぴったりで、この季節に出会えたこと自体が小さな幸福に感じられた。 そして、堀江さんのすごさは、人間よりも“道具”に宿る温度を静かにすくい上げるところにある。 ピンボール、レコード店、古い機械や日用品。どれもただの物体としてではなく、時間を抱えて静かに呼吸している存在として描かれていて、そこに触れる人間との関わりが、ゆっくりと奥行きをつくっていく。 架空の町・雪沼の規模は決して大きくない。少し地味で、どこか寂しげな田舎町のようにも思える。けれど、その中には確かな歴史の流れがあって、人の暮らしと道具の記憶が地続きに積み重なっている。その空気が物語全体のふくらみになっていた。 読んでいるあいだ、ずっと“生き遣い”みたいなものを聞いていた気がする。 人だけじゃなくて、物にも静かな息づかいがある。堀江さんはそれを淡々と書くことで、逆に強く響かせてくる。

Posted byブクログ