映画篇 の商品レビュー
それぞれの話の登場人物が少しずつ別の話にも登場しているところは面白いと思いました。 最後のお話は本当に素敵で、クスッとしながらほっこりとしました。 その前までのお話で、最後がスッキリしないことがあったので、できれば最後の最後に結末が分かるようにしてほしかったなぁと思いました。 こ...
それぞれの話の登場人物が少しずつ別の話にも登場しているところは面白いと思いました。 最後のお話は本当に素敵で、クスッとしながらほっこりとしました。 その前までのお話で、最後がスッキリしないことがあったので、できれば最後の最後に結末が分かるようにしてほしかったなぁと思いました。 この余韻みたいなのがこの作品の良いところなのかもしれませんが…
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“easy come,easy go” どの話もよかった! それでいて変に結び付かず各々が光っていたのがよかった 映画には作品のストーリーだけでなくて、必ず想い出がつきもの あの上映会に参加した人たち、それぞれにちゃんと物語ある “ユウの目に映る見慣れ町の風景は、スピードの手...
“easy come,easy go” どの話もよかった! それでいて変に結び付かず各々が光っていたのがよかった 映画には作品のストーリーだけでなくて、必ず想い出がつきもの あの上映会に参加した人たち、それぞれにちゃんと物語ある “ユウの目に映る見慣れ町の風景は、スピードの手で刹那に色と形を変えられ、再構築されていく。いままで幾度となく通った道の端に小さな花壇があるのを初めて見つけ、そばを走り去るほんの一瞬にそこに広がる鮮やかな花の赤を鼓膜に写し、色がこぼれてしまわないようにとふと空を見上げると、白くて大きな雲が伴走してくれていることに気づく。
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想像の上をいく面白さでした 映画好きな登場人物達が少し絡んではいるが独立した物語でそれぞれ趣きがあり、飽きさせずに次へ次へと誘われていく そして最後に各話で登場していたローマの休日の上映会がメインとなる でもあくまでそれまでの物語とは世界や時系列は同じだが独立した物語でした 最...
想像の上をいく面白さでした 映画好きな登場人物達が少し絡んではいるが独立した物語でそれぞれ趣きがあり、飽きさせずに次へ次へと誘われていく そして最後に各話で登場していたローマの休日の上映会がメインとなる でもあくまでそれまでの物語とは世界や時系列は同じだが独立した物語でした 最後に全部絡めてきても良かったかも知れませんが、そうなると各話の終わりが味わいなくなるのでこれで正解ですね 良かったのはどれもハッピーエンドだと思える事、しかもちょうど良いくらいの 予備知識なしで余り期待もしてなかったので、良い本に巡り会えて良かったです
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本屋大賞でみつけた。良い本だった、在日朝鮮人の方なんやなあ。GOもいまさらながら読んでみよかな、ほとんど流行り物に手を出してこなかった今日この頃。
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5つの映画に関するお話。 金城さんの作品は初読み。 [太陽がいっぱい] 偶然に昔に知り合いと再開し、共通の知り合いについての回想の話。 [ドラゴン怒りの鉄拳] 旦那が自殺し、その旦那が関わっていた治験の偽装が騒がれ、そんな中で、旦那がレンタルしっぱなしだったビデオの返却依頼が...
5つの映画に関するお話。 金城さんの作品は初読み。 [太陽がいっぱい] 偶然に昔に知り合いと再開し、共通の知り合いについての回想の話。 [ドラゴン怒りの鉄拳] 旦那が自殺し、その旦那が関わっていた治験の偽装が騒がれ、そんな中で、旦那がレンタルしっぱなしだったビデオの返却依頼が来る話。 この本自体は記憶に無いけど、「引きこもる女性」「連れ合いがレンタルしたままだったものの返却」という風景が記憶にあるのだけどなんだろう。 その後の展開が気になりました。 [恋のためらい/フランキーとジョニーもしくはトゥルー・ロマンス] 金にしか興味のない弁護士父から、保釈金を奪い取ろうとする娘とそれに付き合うクラスメイトの話。 なんでこんな無茶に付き合ったのか。。。 [ペイルライダー] いじめられていた少年がライダースーツを着こなしたおばちゃんに救われる話。 おばちゃん強いけど悲しい。 [愛の泉] 祖母のために孫たちが協力して、かつて祖父母が出会うきっかけとなったであろう映画の上映会を企画する話。 この話が一番物語として好きでした。
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誰しもが思い入れのある映画がある。そんな作品の面影を宿しながら、「ある場所」を軸に展開される青春賛歌の連作です。こう書くと、よくある短編集にある趣向と思われるが、本作は最後の作品「愛の泉」を読むまでその場所のさりげなさが継続されている。おそらく書下ろしなので、まず「愛の泉」の構想...
誰しもが思い入れのある映画がある。そんな作品の面影を宿しながら、「ある場所」を軸に展開される青春賛歌の連作です。こう書くと、よくある短編集にある趣向と思われるが、本作は最後の作品「愛の泉」を読むまでその場所のさりげなさが継続されている。おそらく書下ろしなので、まず「愛の泉」の構想ができて、他の作品にその意匠を波及させていったものと想像するがどうなんだろう? 本書の口絵には、各小編の登場人物たちが目にした(はずの)「ローマの休日」上映会の手書きポスターが登場するのも技ありです。 こうした素敵な作品に出合えるから、読書はやめられません。
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映画にちなんだ五篇から成る短編集。それぞれ独立したお話だけれど、ゆるく繋がっていて、「ローマの休日」の無料上映会やスカしたお芸術映画を見てうんざりしたエピソードが、どの短編にも出てくる。その映画のエピソードを通じて、作者の自己満足を垂れ流すようなフィクションを罵倒してるだけあって...
映画にちなんだ五篇から成る短編集。それぞれ独立したお話だけれど、ゆるく繋がっていて、「ローマの休日」の無料上映会やスカしたお芸術映画を見てうんざりしたエピソードが、どの短編にも出てくる。その映画のエピソードを通じて、作者の自己満足を垂れ流すようなフィクションを罵倒してるだけあって、普通に書いたら重くなりそうな話も、語り口は軽やかで、エンターテイメントに徹している。そういう言行一致には好感を覚える。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本当に本当に素敵なお話だったー! 短編集なんだけども、まさか、全てが繋がっていたとは……… 映画って、やっぱりいいよね。映画ってその映画自体のことだけじゃなくて、その映画を見たときのこと、見た時の気持ち全てが思い出になってる気がする。 特に最後の、おばあちゃんのために孫たちが映画の上映会をする『愛の泉』という話、涙が止まりませんでした。 何度も読みたいと思える本。
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なんていい本なんだぁー!!!!!!!! 勧めてくれた、にぃーちゃん、本当にありがとお この本を読んだら、人の優しさ(本性・素)がいっぱいで、 すごくすごーく温かい気持ちになります けん坊最高やでっ!!
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金城一紀は当代随一の語り手ではないかと思う。 「映画」を物語のモチーフとした連作集である。五編の物語それぞれが、わずかずつ絡み合っている。登場人物も、ひとつの物語の主要人物が別の物語の通行人で出てきたりする。しかし各々の短編の持っている「色彩」は、それぞれに違っていて、この作家...
金城一紀は当代随一の語り手ではないかと思う。 「映画」を物語のモチーフとした連作集である。五編の物語それぞれが、わずかずつ絡み合っている。登場人物も、ひとつの物語の主要人物が別の物語の通行人で出てきたりする。しかし各々の短編の持っている「色彩」は、それぞれに違っていて、この作家の多様な面を知ることができる。 小説にはだいたい「ここがキモ!」みたいな個所があるものだが、金城一紀の作品でそれを感じたことはあまりない。ストーリー運びと場面ごとの情景描写が一体となって読む者の気持ちをかき立て、感動を呼ぶ。 読者を暗澹たる気分にさせたり、やたら扇情的な表現が巷に溢れている中で、この五編は安心して文章に身をゆだねることができる。そして暖かで優しい結末。お薦めの一冊である。あ、でも映画の知識がある程度ないと、充分には楽しめないかも。 例によって印象に残った文を抜き書き。 “子供は余計な心配なんてしなくていいんだよ。子供はね、好きな食べ物と、大人になったらなりたいものと、好きな女の子のことだけ考えてればいいんだよ。わかった?” 子どもが余計な心配ばかりして未来に希望を持てなくなっている現代の社会って…。
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