手塚治虫「戦争漫画」傑作選 の商品レビュー
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手塚治虫は1928-1989。 ちなみに藤子F不二雄は1933-1996。 水木しげるは1922-2015。 ちなみにつげ義春は1937-。 まずは年齢によって、次に社会階層によって、そして土地によって、随分と戦争体験は異なるのだ。 水木サンは戦地を体験しているからルポ。 手塚や藤子Fは銃後勤務だったから、むしろ創作の種になった。 どちらがどうということはないけれど。 手塚の(架空含む)少年期の体験を思いつつ、その創造性の飛躍を楽しめる。 「紙の砦」(1974年) 「新・聊斎志異 女郎蜘蛛」(1971) 「処刑は3時におわった」(1968) 「大将軍 森へ行く」(1976) 「モンモン山が泣いてるよ」(1979) 「ZEPHYRUS(ゼフィルス)」(1971) 「すきっ腹のブルース」(1975)
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内容的には、反戦争を色んな角度から、っていうもの。正直、手塚作品の殆どを読んだことがないんだけど、短編集とはいえ流石のクォリティ。いまだ十分に鑑賞に足る作品群で、古臭さに辟易ってこともなし。やっぱり、超有名な諸作品も読んでみるべきですね。
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「紙の砦」は学生時代に読んで、ショックだった。。 当時自分には明確な夢は無かったが、逆に夢がある少年少女が若くして死んだことを考えると 戦争しても何もいいことはないな、と。 今は変わり映えのしない毎日、仕事に追われて視野が狭くなり世界情勢を他人事としか捉えられなくなっているが 改めて、戦争はしたくない と思い返すことが出来た。 戦時中告発したり、寛容になれないキャラクターを見て酷いと思っていたけれど 今は、妬みとか、何故自分は我慢したのに彼らは・・・と悔しくなって 赦したり受け入れたり出来ないのかなぁ、と。 若し自分が戦時中に生きていたら それこそ 「この世界の片隅に」のように笑顔でいれただろうか。。 ラストに掲載されている作品、恋路より食い意地を優先させてしまう男性の話、 なんだか心に残る。。 「紙の砦(とりで)」(1974年初出) 「新・聊斎志異 女郎蜘蛛」(1971) 「処刑は3時におわった」(1968) 「大将軍 森へ行く」(1976) 「モンモン山が泣いてるよ」(1979) 「ZEPHYRUS(ゼフィルス)」(1971)・ 「すきっ腹のブルース」(1975)
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2007年刊行。◇手塚先生、私は、先生の思いの万分の一かでも受け止められているでしょうか?。◇タイトルどおりの書であり、全編戦争関連のマンガがずらりと並ぶ。もちろん傑作選の名に恥じぬ逸品ぞろい。なぜだかわからないが、読みふけるにつけ、後から後から涙があふれてきた作品集である。◇ちなみに、「女郎蜘蛛」のようなホラーチックな作品が掲載されているのは意外ではあったが、個人的には一番惹きつけられた。
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手塚作品の短編ベスト3に入る傑作「紙の砦」を収録。他の作品は表現者という立場で戦中を描いたものなので、強烈な反戦メッセージが込められているわけではない。実際戦地に行った水木しげる作品とは違うテイストである。
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先日読んだ2の前のもの 2 の方が、より強烈な表現のものが多かったような。 自伝的内容の短編多し。 「漫画を描きながらなら死んでもいい」覚悟で、 空襲の中描いていたなんて、今の時代からすれば、 想像に及ばない相当な覚悟。 ほんとうに漫画が好きだったのだ。
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手塚治虫の戦争漫画特集。 戦争はどんどん過去のものになるけれど過去を忘れない為の媒体は必要だな 2014-1-25
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私が尊敬する漫画家の短編作品を集めた、新書では珍しい漫画集。 凄い。 道に転がる焼死体。川に重なる死体。 『鉄腕アトム』と同じタッチで描かれる、戦争という名の地獄。 手塚治虫は第二次世界大戦での体験をもとにこれらの漫画を描いたそうです。 おぞましい体験を敢えて描き...
私が尊敬する漫画家の短編作品を集めた、新書では珍しい漫画集。 凄い。 道に転がる焼死体。川に重なる死体。 『鉄腕アトム』と同じタッチで描かれる、戦争という名の地獄。 手塚治虫は第二次世界大戦での体験をもとにこれらの漫画を描いたそうです。 おぞましい体験を敢えて描きだすなど、並大抵の人間はできないでしょう。 身を削る思いで描かれたであろう光景は、 現実味を帯びてたたみかけてきます。 作品『紙の砦』の中で、手塚自身がモデルと思われる主人公は、大怪我をした女の子と、空襲で燃える町を歩きながらつぶやきます。 「ね 京子ちゃん 地獄って こんなもんかねェ」
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8月には戦争に関する本を読もう。 そう思って実行していたはずなのに、ここ4,5年はやれてなかった。 今日、初めて行った図書館でそのことをふと思い出した。 戦争の特集が組まれていたおかげでもある。 本日のところはさっと読めるものを2冊選んだ。 そのうちの1冊がこの本。 短編が集められている。 私は、手塚治虫の戦争ものとしては、「アドルフに告ぐ」が傑作だと思う。 しかし、手塚の戦争体験を知りたいなら、この短編集がいい。 もちろんノンフィクションではないが、 おさめられている大部分の作品の舞台が「日本」「宝塚」で、 主人公は「少年」(手塚治虫もそのときは少年だった)であるからだ。 すべての作品から伝わってくるのは、戦争の悲惨さ、無意味さ、それを通り越した残酷な滑稽さ。 ほんとうに、まったく、その通り。 1945年は遠くなっていくけれど、あの戦争を忘れてはいけない。 そして、その後も防ぎ切れていない戦争を、忘れてはいけないだろう。
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[ 内容 ] 「鉄腕アトム」「ブラック・ジャック」「どろろ」「火の鳥」「アドルフに告ぐ」など、後世に遺る数々の名作を描いた「漫画の神様」手塚治虫。 その天賦の才は、これら長編ばかりでなく、読み切り短編においても遺憾なく発揮されました。 本書は、新書界初の漫画アンソロジー集の第一弾...
[ 内容 ] 「鉄腕アトム」「ブラック・ジャック」「どろろ」「火の鳥」「アドルフに告ぐ」など、後世に遺る数々の名作を描いた「漫画の神様」手塚治虫。 その天賦の才は、これら長編ばかりでなく、読み切り短編においても遺憾なく発揮されました。 本書は、新書界初の漫画アンソロジー集の第一弾として、手塚治虫が生涯に遺した計一五万ページに及ぶ作品群から、『戦争』をテーマにした傑作、問題作を選りすぐりました。 手塚漫画は大人必読の現代の教養であり、もちろんそれ以前に文句なく面白い! 子供の頃のように時の経つのを忘れ、最後の一ページまでご堪能ください。 [ 目次 ] 紙の砦 新・聊斎志異 女郎蜘蛛 処刑は3時におわった 大将軍森へ行く モンモン山が泣いてるよ ZEPHYRUS(ゼフィルス) すきっ腹のブルース [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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