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炎の武士 新装版 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2023/09/03

 4つの短編の内、「炎の武士」を読了。  武田軍に取り囲まれた長篠城から一人脱出して、味方の徳川軍へ知らせに行く、鳥居強右衛門のお話。  NHK大河ドラマ「どうする家康」でも、「鳥居強右衛門」のエピソードは描かれていた。  「どうする家康」での瀬名姫とのエピソードはだいぶ史実を捻...

 4つの短編の内、「炎の武士」を読了。  武田軍に取り囲まれた長篠城から一人脱出して、味方の徳川軍へ知らせに行く、鳥居強右衛門のお話。  NHK大河ドラマ「どうする家康」でも、「鳥居強右衛門」のエピソードは描かれていた。  「どうする家康」での瀬名姫とのエピソードはだいぶ史実を捻じ曲げて描かれているようだが、「鳥居強右衛門」のエピソードは、ほぼ同じだった。  戦国時代の武士は、後ほどの江戸時代の武士とは、だいぶ違っていたようだ。 この時代、殿様の為、死ぬということはなく、自分の命が何より大事だったようだ。  そんな中でも、殿様の為、自分の命をかけて行動する強右衛門は特異な存在だった。  最後は武田軍に捕まり、味方の城兵の前で、裸で貼り付けにされ、四方から槍で刺殺された。体から迸る鮮血は炎の様だった事と、その心意気から「炎の武士」として後世に伝えられた。  2つ目の短編 色「いろ」を読了。  新選組の土方歳三について、お房との出会いのエピソードが書かれている。 始めは色事としてのつきあいだったが、次第に恋心に変わる土方歳三の胸の内を現している。最後は北海道の五稜郭での戦争で壮絶な死を遂げる。  土方歳三の出自は農民で、武士ではないが、その心意気は武士だった。  3つ目の短編 北海の猟人「間宮林蔵」  間宮林蔵の名前はどこかで聞いている(学校で習ったか?)が、詳しい事は何も知らなかった。 端的に云うと、「間宮海峡」を発見した人。  幕府からの命により、蝦夷地へ赴き、困難を極め、まだロシアも詳しく知らないカラフトを調査した。結果、カラフトは大陸続きではなく、島であることを確認した。  後に、オランダ人としてシーボルトが長崎へやって来た。 シーボルトはドイツ人で日本を調べるスパイだった。  林蔵の上司である、高橋景保はシーボルトが見せた「世界周航記」欲しさに、「日本図」「カラフト図」と交換してしまった。禁制品を外国に渡すことは重罪だった。  高橋景保は獄中で死亡し、世間から、林蔵は高橋景保を幕府に売ったというそしりを受ける。  後に林蔵は幕府の隠密(スパイ)となり、生涯を終える。  林蔵の死後、シーボルトは「ニッポン」を出版した。そこには、シーボルトが命をかけて日本から持ち帰った、林蔵の「東韃紀行」「北蝦夷図説」を載せた。  これによって、林蔵の業績と「間宮海峡」の名は世界諸国に紹介された。  林蔵は、上司のいう事も聞かず、幕府の慣行も無視する自由人であった。  後世に名を遺す人は、人から奇人変人と言われようと、初志貫徹をする人のようだ。  4つ目の短編 ごろんぼ佐之助  新選組隊士 原田佐之助のお話。  「ごろんぼ」とは伊予(愛媛県)松山あたりの言葉で、「ごろつき」という意味。  ごろつきの佐之助が新選組に入隊し、局長の近藤勇でさえも「原田には斬られるかも知れんな」と言わしめるほどの剣士になった。  新撰組隊長の芹沢鴨暗殺、池田屋斬りこみ、鳥羽伏見の戦いに出ている。  幕府の衰えとともに、新選組も衰えて行ったが、最後は上野の戦争で、彰義隊に入り、官軍の記録では、死亡したことになっていた。  明治になり、佐之助の弟の大原丑太郎のもとへ老紳士が訪ねて来た。  50年以上も会っていない、死んだものと思っていた兄の佐之助だった。  今は満州で馬賊の頭領をしていると言って、金二千円也(現在の百万円ほど)を祝儀袋に入れ、弟夫婦へ渡し、去って行った。その後の佐之助の消息は分からない。  この人も奇人変人だった。

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2015/04/09

男たちの生を描いた三編。表題作の「炎の武士」の鳥居強右衛門の姿も感動するが、個人的には「色」の土方歳三の生き方に興奮する。

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2014/11/02

これは何度も何度も読んでいる大好きな本。 その、人となりも大好きな作家、池波正太郎さんの初期の短編集。 戦国の武者鳥居強右衛門と、土方歳三と、間宮林蔵と、新選組の原田佐之助の4人が描かれている。 やっぱイイわ~読み応えがあるのだ。

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2012/12/19

11月30日 第1回池袋図書館チャンプルでお借りしました。 池波正太郎さんらしい男っ気溢れる主人公たちの生きる様を描いた短編集。 個人的に好きな物語は、ベタですが土方歳三の話しでした(^^) 時代柄もあるのか新撰組は個性ある少年期を育ってきた人たちが集まったのでしょうか、曲者だ...

11月30日 第1回池袋図書館チャンプルでお借りしました。 池波正太郎さんらしい男っ気溢れる主人公たちの生きる様を描いた短編集。 個人的に好きな物語は、ベタですが土方歳三の話しでした(^^) 時代柄もあるのか新撰組は個性ある少年期を育ってきた人たちが集まったのでしょうか、曲者だらけという印象を持ちました。

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2009/10/25

表題他短編4話。内3話は新撰組等幕末が舞台で1話が長篠の戦いで有名な鳥居強右衛門の表題作品。やはりなんといっても援軍来ると声高に叫ぶ件のシーン、そして青竹の杖を遠く捕らわれた強右衛門に振る信昌さんがなんとも言えません。

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2010/02/25

天正三年(一五七五)初夏、三河の長篠城は、武田勝頼の軍勢一万七千に包囲され、落城寸前。城を守る奥平信昌の兵は五百あまり。窮状を伝えるため鳥居強右衛門は武田の包囲網を破り、織田・徳川の陣地にたどり着き、四万の大軍が救援に向かっていることを聞かされる。だが、その帰途、強右衛門は武田方...

天正三年(一五七五)初夏、三河の長篠城は、武田勝頼の軍勢一万七千に包囲され、落城寸前。城を守る奥平信昌の兵は五百あまり。窮状を伝えるため鳥居強右衛門は武田の包囲網を破り、織田・徳川の陣地にたどり着き、四万の大軍が救援に向かっていることを聞かされる。だが、その帰途、強右衛門は武田方に捕らわれ、援軍は来ないと告げるよう強いられるが…。表題作「炎の武士」ほか、男たちの劇的な生を描いた傑作三編を収録。 2008.6 読了

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