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断絶の時代 の商品レビュー

4.3

12件のお客様レビュー

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2021/12/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第2次世界大戦が終わった1960年代に著されたにも関わらず、現代にも通じる考えには驚かされた。 過去の産業・技術の発展だった20世紀前半、今後は過去の続きではなく新たな時代が訪れると筆者は語る。 そこには知的労働が大きな割合を占めていく。 現代、コロナ禍でよりオンラインツールが発達し、働き方改革が進み、知的労働が加速化すると思われる。 冗長に感じるところもあるが、筆者の視点はとても勉強になった。

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2013/01/15

知的資本社会到来について主張した本。 ドラッカーといえば経営の神様として名を馳せているが、深く次代を洞察したこの本も秀逸。

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2012/04/10

約半世紀前の1969年に書かれた、あまりにも有名なドラッカーの社会科学書。この著作名から「●●の時代」とその年を安易に名づけることが流行りましたね。 今読んでもこれが50年前にかかれたものかと驚くほど、的確に時代の流れを見据えています。当時まだ萌芽したばかりのコンピューターにつ...

約半世紀前の1969年に書かれた、あまりにも有名なドラッカーの社会科学書。この著作名から「●●の時代」とその年を安易に名づけることが流行りましたね。 今読んでもこれが50年前にかかれたものかと驚くほど、的確に時代の流れを見据えています。当時まだ萌芽したばかりのコンピューターについても、今の時代が到来することを明白に予想しています。驚くばかりの先見の明には、知の巨人たるドラッカーの面目躍如たるものがあります。 本書あとがきにいみじくも「本書で述べたものはすでに起こった事実であるがゆえに消え去るものではない。解決すべき問題はますます重要性を増す。だが本書は何が起こるかは教えない。何に取り組まざるを得ないかを示した。同時に何が起こりそうもないかを示した。本書の意義は、これからの時代はいわゆる未来予測のいうところとは異なり、これまでの趨勢とは違うものになることを示したところにある」とエクスキューズ的にドラッカー自身が書いていますが、その取り組むべき事柄を明示したことこそ未来予測というものではないでしょうか。 以下印象に残った文章。 ・政治、科学、世界観、慣習、芸術、戦争は変化した。しかし最大の変化があったとされている領域が、この半世紀最も変化しなかった。それが経済だった。確かに戦後の経済発展は急速だった。だがそれは、第一次世界大戦前の産業によるものだった。それまでの半世紀になされた発明を基盤とし、1913年頃すでに確立していた技術に基づいていた。 ・売上げを増やし雇用をもたらすものは技術であると思われている。だが、技術は可能性を教えるにすぎない。可能性を顕在化させるものはマーケティングである。イノベーションとしてのマーケティングである。 ・(高い目標の設定)一流の科学者と並みの科学者を分けるものは才能ではない。知識や努力でもない。ニュートンやファラディをはじめとする一流の科学者は、自らの知識、知能、エネルギーを本当に価値のあるものに集中した。まったく新しいものを創造しようとした。 ・そもそも援助は、機会ではなく問題に注ぎ込まれる。成果の大きなところではなく、必要の大きなところへ向けられる。したがって依存を生み出す。少なくとも依存を続けさせる。外国援助でも国内援助でも同じである。 ・経済発展とは、一人ひとりの人間とコミュニティの活力の問題である。活力はそこに住む人たちのイニシアチブと相乗効果によってのみ生まれる。 ・金がなくとも人がいれば山を動かせるが、人がいなければ金があっても役には立たない。経済発展のためには人材の育成とその機会への登用が不可欠である。優れたリーダーとともに、そのリーダーのビジョンを現実のものにすることのできるフォロワーが必要である。 ・何を捨てるのかという廃棄の決定ほど、重要でありながらなおざりにされているものはない。 ・効率を重視する者は正しく行えば結果は自動的にもたらされるとして、手続きを重視する。これに対し、成果を重視するものは、人間社会の試みにおいては成果の80%は最初の20%の努力によってもたらされ、残りの80%の努力は20%の成果しか生まないとする。さらには最後の5%の成果を得るには95%もの努力を必要とするという。前者の考えでは努力が意味を持つ。後者では結果が意味を持つ。マネジメントのよしあしも、前者では秩序によって、後者では活力によって判断する。前者では、管理が組織の力を表す。後者では管理は後方支援にすぎず、腐敗を防ぐための必要悪にすぎない。 ・いずれの組織も自らの目的を明確に規定するほど強くなる。自らの成果を評価する尺度と測定の方法を具体化できるほど、より大きな成果をあげる。 ・今日に至っては、強い大統領や強い首相は強い政策を持つ者ではない。官僚というライオンを手なづけている者である。 ・若者は操られることに抵抗する。しかし実は彼らが最も恐れているものが、意思決定の重荷である。そこで彼らは意思決定、選択、責任を避けるためにあえて落伍する。 ・中世ヨーロッパの農奴制も、始めは農民が求める恩典から始まった。彼らは領主や修道院に保護を求めた。土地を守ってもらった。無法から守ってもらった。しかしわずか一世代の後には自由を奪われていた。最悪の足枷とは利己心を利用するものである。それこそ最も警戒すべきである。 ・つまるところ、とるべき道はゼネラリストからスペシャリストではなく、その逆である。ゼネラリストたるためには経験との関連において専門知識を理解する能力、すなわち専門を一般に関連付ける能力が必要とされるからである。

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2012/01/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これまでの社会の発展は、19世紀後半からの延長線上にあった。今、これまでとは異なった変化の兆候が見えている。その中でも最も大きな変化が、知識の価値の変化である。 1969年にこの本が書かれたことを考えると、社会は変化しているようで変化していない様な気がした。著者の観察力が素晴らしかったのだろうと思う。 テレビやラジオのコマーシャルは30秒で伝えたいことを伝えてくれるが、この本はたいへん長い。読むのに時間がかかる。でも、面白いので仕方ないのかもしれない。

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2011/10/15

1969年の著書だが、今でも通じる変化について述べている。企業家は今も悩んでいるだろうが、グローバル化は確実に進んでいるし、組織の多元化も同様。卓見ということだろう。そして、色々な書籍で協調している、知識の重要性が増すことは確かにそのとおり。教育も含めて、知識は大切だと言うこと。

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2011/07/24

「コンピュータが現れなかったならば、情報とはエネルギーの一種であるということは理解されなかった。電気は、機会の仕事のための、最も安く最も豊富で最も使いやすいエネルギーである。これに対し情報は、頭の仕事のためのエネルギーである。これからはこの類いの仕事のためのエネルギーが最も必要と...

「コンピュータが現れなかったならば、情報とはエネルギーの一種であるということは理解されなかった。電気は、機会の仕事のための、最も安く最も豊富で最も使いやすいエネルギーである。これに対し情報は、頭の仕事のためのエネルギーである。これからはこの類いの仕事のためのエネルギーが最も必要となる。」 この本って1969年、ドラッカー59歳の時の著作ですよね。 「情報とはエネルギーの一種」っていうことを初めて聞いて驚いてしまいました。もっと掘り下げたいなと思います。 イノベーションの重視、それの土台となる知識の重視。これらにまつわる社会システムについての言及。マクロ的に様々な分野での言及はあるが、自分自身のこととなると自分で考えなければならない。答えを容易に提供している簡単なビジネス書とは違い、様々な示唆を与えてくれる。

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2010/10/31

(読み方が偏っているので他の方と印象が異なるかもしれません。申し訳ありません) どのような変遷を辿って今日があるのか。しかも今日をドラッカーはいつごろ予測していたのか。 何をきっかけに予測したのか。どのような環境にあったのか。 それらを考えれば、実は自分の職業の未来は普通の個...

(読み方が偏っているので他の方と印象が異なるかもしれません。申し訳ありません) どのような変遷を辿って今日があるのか。しかも今日をドラッカーはいつごろ予測していたのか。 何をきっかけに予測したのか。どのような環境にあったのか。 それらを考えれば、実は自分の職業の未来は普通の個人でもかなり予測可能に思う。まさに 温故知新。そのヒントが沢山書かれているように思う。  しかも有難い事にドラッカー没後、幾多もの、現在を踏まえて、さらにドラッカーのエッセンスも含まれた書籍が沢山出ている。それらを参考にして、自分3.0を定義しようと思った。というか作った(笑

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2010/09/20

ドラッカー氏、時代の流れを読むシリーズ。 とても1960年代後半に書かれたとは思えない先見性。 様々な事象の質的、構造的変化を大局的にとらえ、なおかつそれを組織の目的、マネジメント、人材の活用といったことに結び付けられるのは、ドラッカー氏を除いて他にはいないのではないでしょうか。...

ドラッカー氏、時代の流れを読むシリーズ。 とても1960年代後半に書かれたとは思えない先見性。 様々な事象の質的、構造的変化を大局的にとらえ、なおかつそれを組織の目的、マネジメント、人材の活用といったことに結び付けられるのは、ドラッカー氏を除いて他にはいないのではないでしょうか。 経済発展のために行うべきことは、貧しい人々に援助することではなく、資金の生産性、人の生産性を高めることだと氏は説いているところは納得感がありました。 そして、そのための機会を提供する最高の機関がグローバル企業だと。 2025年頃まで続く「断続の時代」。 グローバル社会の一員として、これから何ができるか? 今なお新鮮な気持ちで考えることができる大変貴重な一冊です。

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2010/08/03

[ 内容 ] グローバル化、知識社会、多元化…時代を予期した伝説の書。 [ 目次 ] 第1部 企業家の時代(継続の時代の終わり;新産業の誕生;方法論としての企業家精神;経済政策の転換) 第2部 グローバル化の時代(経済のグローバル化;途上国の貧困;経済学の無効) 第3部 組織社...

[ 内容 ] グローバル化、知識社会、多元化…時代を予期した伝説の書。 [ 目次 ] 第1部 企業家の時代(継続の時代の終わり;新産業の誕生;方法論としての企業家精神;経済政策の転換) 第2部 グローバル化の時代(経済のグローバル化;途上国の貧困;経済学の無効) 第3部 組織社会の時代(多元化した社会;多元社会の理論;政府の病い;組織社会に生きる) 第4部 知識の時代(知識経済への移行;仕事の変化;教育革命の必然;問われる知識) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2010/06/08

私が始めて読んだP.F.ドラッカー。私は経営者でもなんでもないが彼の言葉には自分の生き方、人生に対して多分に影響を受けた。いままで読んだ全ての著書にすぐに役立つ言葉がいっぱいだが、「断絶の時代」で好きなのは、例えば「組織にとっての問題は独創性の欠如ではなく、すでに行なっていること...

私が始めて読んだP.F.ドラッカー。私は経営者でもなんでもないが彼の言葉には自分の生き方、人生に対して多分に影響を受けた。いままで読んだ全ての著書にすぐに役立つ言葉がいっぱいだが、「断絶の時代」で好きなのは、例えば「組織にとっての問題は独創性の欠如ではなく、すでに行なっていることの継続を迫る慣性にある」といった部分。人は今の安定をドラスティックに変えることを嫌がる、しかしそれでは結果組織は衰退してしまう。彼の言葉はいつ見ても新しい。

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