笑いと治癒力 の商品レビュー
著者、ノーマン・カズンズさん、ウィキペディアによると、次のような方です。 ---引用開始 ノーマン・カズンズ(Norman Cousins、1915年6月24日 - 1990年11月30日)は、アメリカ合衆国ニュージャージー州ユニオンシティ生まれのジャーナリスト、作家。広島市...
著者、ノーマン・カズンズさん、ウィキペディアによると、次のような方です。 ---引用開始 ノーマン・カズンズ(Norman Cousins、1915年6月24日 - 1990年11月30日)は、アメリカ合衆国ニュージャージー州ユニオンシティ生まれのジャーナリスト、作家。広島市特別名誉市民。 ---引用終了 本書の内容は、次のとおり。 ---引用開始 不治に近い難病を「笑って」治したジャーナリストが,自らの体験を記すと共に,人間の自然治癒力の驚くべき可能性を取材する.創造力と長寿,プラシーボ効果,痛みの効用など心とからだの微妙な関係に着目し,全人医療のあり方を問う. ---引用終了 それから、本書は、「岩波現代文庫」の1冊。 岩波現代文庫の本棚登録は4冊目になるが、ウィキペディアには、次のように書かれている。 ---引用開始 岩波現代文庫(いわなみげんだいぶんこ)は、岩波書店が刊行する文庫シリーズ。2000年に創刊。内容によって、学術(青)、文芸(赤)、社会(緑)の3つに分類される。 ---引用終了
Posted by
ジャーナリストによる、自身の体験を基にした患者視点の提言。今で言う自然治癒力・自己免疫力について、実体験から述べている。とはいえ、「ニコニコしていれば〇〇は寄ってこない」等という話では全くなく、医師と患者双方で治療方針を決めていく医療、その為に患者自身の啓発と医師の在り方の変化が...
ジャーナリストによる、自身の体験を基にした患者視点の提言。今で言う自然治癒力・自己免疫力について、実体験から述べている。とはいえ、「ニコニコしていれば〇〇は寄ってこない」等という話では全くなく、医師と患者双方で治療方針を決めていく医療、その為に患者自身の啓発と医師の在り方の変化が望ましいという、社会の変革への発信である。最近漸く、日本の医療体制もこの提言に近づきつつあるように思うが、原著が1979年、邦訳が1981年に刊行されている事を考えると、なかなか困難な道のりであったことが窺える…
Posted by
p.171 この書物のテーマは,人間が自分の病気や身体障害から回復しようと思えば,自分自身で,ある程度責任を負わなくてはならないということだ。 ストレスの性質について,あるいは病気に対する人体の抵抗力を引き出す精神の力についての論考+ホリスティックな捉え方,栄養がここに含まれる...
p.171 この書物のテーマは,人間が自分の病気や身体障害から回復しようと思えば,自分自身で,ある程度責任を負わなくてはならないということだ。 ストレスの性質について,あるいは病気に対する人体の抵抗力を引き出す精神の力についての論考+ホリスティックな捉え方,栄養がここに含まれる。 長生き(健康)はするべき仕事とユーモアによってもたらせる。 現実にプラシーボ効果がある。人間自身の治癒力の存在を示唆。思い込みによって治癒力を抑制する。思い込みを外す。あるいは別の思い込みに替える。治癒力は生理学的な過程が備わっている。それを現在の科学力で解明できるか否かの問題。 認知的なプラシーボ効果=ピグマリオン効果? 認知(学ぶこと)を医学的な比喩で表せるか。栄養学的な比喩。人間の全体性。
Posted by
命に関わるほどではなかったが手術で三週間ほど入院した経験、また最近親を看取ったりしたこともあり、医療関係の本に関心を持つというか、身につまされる感がするこの頃で、目にした本書を手に取った。 第一章が、ジャーナリストである著者の膠原病闘病記である。著者の闘病は1964年のこと...
命に関わるほどではなかったが手術で三週間ほど入院した経験、また最近親を看取ったりしたこともあり、医療関係の本に関心を持つというか、身につまされる感がするこの頃で、目にした本書を手に取った。 第一章が、ジャーナリストである著者の膠原病闘病記である。著者の闘病は1964年のことであるが、ビタミンCの多量摂取と、積極的な情緒を呼び覚ますために"笑い“療法を実践する。ビタミンC摂取法が現在の医療水準に照らしてどうなのかは良く分からないが、著者もその治療法自体を普遍化して論じている訳ではない。主眼は、精神状態が身体の化学作用に影響を及ぼすこと、心身の再生能力を過小評価してはならないこと、患者自身の生きる意欲が大切なことなどを語っていく。 二章以下は、著者個人から少し離れて、一般的な考察が進められるが、決して具体性を離れないので、大変読みやすい。例えば、プラシーボの効果について、また、パブロ・カサルスとシュヴァイツアーを例として創造力が心身に及ぼす影響を説明する。さらに、痛みは苦痛であるが、未然の警告を与えてくれる重要なものであることを、痛みを失わせるハンセン病を取り上げつつ、その効用を論じる。 最後は、著者の闘病記録を読んだ、世界3000人の医師からの手紙を通して考えたこと、特に患者と医師との信頼関係の重要さについて、著者は考察する。病院が科学技術の形で提供し得る一切のものよりも、同情の雰囲気のほうがずっと患者の助けになるという確信を抱いたと著者は言う。 確かに、コンピュータや素晴らしい機器によって治療技術がますます進歩していることは間違いない。ただ延命治療の問題に端的に現れているように、人生の質をどう考えるかということを、患者とその家族、医師を始めとする病院関係者間で共有できるのだろうか、ということを改めて感じさせられた。 著者の筆致は、読む者に希望を与える優しさと力強さに溢れている。少し古さは否めないが、一読の価値は十分にあると思われる。
Posted by
1.目的 後輩に教えてもらった本。膠原病を笑いで治したという興味深い内容に興味を惹かれた。その意味とは? 2.得られたこと この本に出会えて良かった。それも難病と付き合う上でとっても大切な考え方でした。 著者本人が担当医と相談しながらビタミンCと笑いで関節リュウマチに対して改...
1.目的 後輩に教えてもらった本。膠原病を笑いで治したという興味深い内容に興味を惹かれた。その意味とは? 2.得られたこと この本に出会えて良かった。それも難病と付き合う上でとっても大切な考え方でした。 著者本人が担当医と相談しながらビタミンCと笑いで関節リュウマチに対して改善できたという実績は、実はプラシーボ効果の一つと言う。著書が伝えたいことは「生への貪欲さ」と「医師との信頼関係」だと説く。この両者がそろった時に自己治癒力が最大限に発揮される。その実例が本人の体験なのだと。 さらに現代の医療技術偏重に対する警笛も鳴らし、最新の機械にの恐怖によって効果が相殺されている事実もあると言う。 3.アイデア 以下、引用します。 「病気を克服して正常な生活に立ち戻れるという自信を持つグループと、病気が長引いて末は死ぬかもしれないと諦めてしまうグループにわかれる。」どちらが長生きするかは当然前者。 ノーマン・カズンズ氏の言葉が響いた。 「重要なのは我々が生きている間に何を行うかである。人生の最大の大悲劇は死ではなく、我々が生きている間に、我々の内面のものが死に絶えることだ。」 妻が元気になって闘病生活を振り返る時、友の会で出会った先輩患者からもらった元気によって一気に回復に転じたことをこの本になぞらえて伝えていこうと思う。
Posted by
笑いと癌治癒との関係性を知ろうと読んだ。しかし、直接的な笑いの効果ではなく、統合治療としての心の影響の重要性を様々な事例を用いて紹介。心への影響という観点で、プラシーボや医師の触診なども重要と説く。膠原病やハンセン病についても知見が深まった。後半は、ビタミンCの効果について書かれ...
笑いと癌治癒との関係性を知ろうと読んだ。しかし、直接的な笑いの効果ではなく、統合治療としての心の影響の重要性を様々な事例を用いて紹介。心への影響という観点で、プラシーボや医師の触診なども重要と説く。膠原病やハンセン病についても知見が深まった。後半は、ビタミンCの効果について書かれており、著者がポーリング博士の論文より以前に、その効果を実感していたことに驚いた。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] 不治の難病を文字通り「笑って」治したジャーナリストが自らの闘病体験をきっかけに、人間の自然治癒力の可能性を徹底取材。 笑いとユーモア、生への意欲が奇蹟を起こすことを例証する。 全人医療の在り方を問う問題提起。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
Posted by
■笑いの治癒力 A.笑うことには、次のようなメリットがある。 ・心理的効果:ユーモアには、辛いと感じる時、その気持ちを紛れさせる効果がある。たとえ苦境にあっても、その中にユーモアを見いだし、笑いのめすことができれば、恐れや落胆、絶望などの感情から抜け出せる。 ・生理的効果:大笑...
■笑いの治癒力 A.笑うことには、次のようなメリットがある。 ・心理的効果:ユーモアには、辛いと感じる時、その気持ちを紛れさせる効果がある。たとえ苦境にあっても、その中にユーモアを見いだし、笑いのめすことができれば、恐れや落胆、絶望などの感情から抜け出せる。 ・生理的効果:大笑いすることは、心血管系や呼吸器系など、体内のあらゆる器官の運動になり、健康をもたらす。 B.イライラした時のために、気分が軽くなるような小道具を手元に用意しておく。例えば、鼻と口ヒゲのついたグルーチョ眼鏡があるだけで、救われることがある。 C.心を暗くするような物事に対し別の捉え方をしたり、呼び方を変えたりする。例えば高齢者を「ヴィンテージ・パーソン」と呼べば、ワインのように成熟した人に感じられる。
Posted by
現代医学も発展途上であった1960年代のアメリカにおける著書。心と体は密接に相関しており、心を適切にコントロールすることが体の病気を治癒する重要な要素である。このことは昔も今も変わらない普遍の事実だ。自分の病気は自分の内に眠る「自然治癒力」を呼び起こし治す。
Posted by
どうしてこのタイトルなのだろう、と疑問がわきました。 決して「笑い」の効果だけに着目した本ではありません。 本書の中では精神と肉体との相互作用について、様々な視点から紹介されています。 自然治癒力について、痛みの意味について、ビタミンCについて、笑いとユーモアについて、生への意...
どうしてこのタイトルなのだろう、と疑問がわきました。 決して「笑い」の効果だけに着目した本ではありません。 本書の中では精神と肉体との相互作用について、様々な視点から紹介されています。 自然治癒力について、痛みの意味について、ビタミンCについて、笑いとユーモアについて、生への意欲について、などなど。 人間のもつ回復力を最大限に引き出すために、何ができるのか、考えていく時のヒントになる一冊です。
Posted by
- 1
- 2