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ベートーヴェンの生涯 の商品レビュー

3.8

30件のお客様レビュー

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2024/02/20

ベートーヴェンが作品のほとんどを耳が聞こえない状態で書いたのに驚いた 古めの文体がベートーヴェンのイメージと合っていてよかった

Posted byブクログ

2023/12/04

歴史というのは証明であり、我々の灯火なんです。 実際にどんな苦難にも打ち倒されずに歩みきった人間がいるのだということ。 この作品を読むと、不幸であることがことごとくベートーヴェンを前に進ませたのだということがわかると思います。 彼ほど思い悩んだ人間はいない。でも彼ほど偉大な...

歴史というのは証明であり、我々の灯火なんです。 実際にどんな苦難にも打ち倒されずに歩みきった人間がいるのだということ。 この作品を読むと、不幸であることがことごとくベートーヴェンを前に進ませたのだということがわかると思います。 彼ほど思い悩んだ人間はいない。でも彼ほど偉大なことを成し遂げた人間もいない。 ベートーヴェンを常に支えていたのは信仰なわけですが、だからこそあのコーラル・シンフォニーと呼ばれる第九交響曲に対して拘ったんですね。最後まで声楽の部分をいかに仕上げるのかを悩み続けた。 それは神の創造物である我々が奏でる音楽であったためなんです。 つまり、彼の中心軸はそこにあった。だから身に降り注ぐ不幸は彼を一時悩ませはしたけど、それが結果的に彼に最大の「歓喜」を与える源泉ともなったんです。 「彼の力は悲哀と戯れているように見える」と。これこそがロマン・ロランの素晴らしい所で。 つまり悲哀が悲哀ではなくなっているのだということなんです。彼ほどの不幸は普通は無いわけだけど、彼の作曲した作品を聴けば、その悲哀が全て昇華されていることがわかる。 人間は闘うことで勝利を得る。闘わない者には勝利は無い。ならば、過酷な戦闘をした者は巨大な勝利を得るということなんです。 不幸というのは実は悪いことじゃないんですよ。ただこういう風に言っても誰にも通じないけど。 でも本当にそれがわかると、人間は「不幸と戯れる」ことが出来るんです。面白いんですよ。まあ、今はみんな不幸を異常に嫌いますからね。私のような人生のベテランになると面白い。不幸が不幸でなくなる。 で、自分の中に不幸が無くなると、他人の中の涙が見える。誰もが辛い思いをし、涙を抱いていることがわかる。歴史は涙の歴史なのだということがわかる。 人生というものが素晴らしいものなのだということがわかります。 ベートーヴェンは不幸を乗り越えようなどとは考えていないんですね。ただひたすらに神、信仰のために曲を創りたいと考えていた。 私はいつも役目を果たす人間になれと言っているんですが、それがどんなことも転換し、価値に変換する生き方になるからなんです。 転換できるのだから、何も恐れることは無いんです。最後には死ぬだけなんですから。 ここがポイントなんですね。自分が価値あることをし続けることなんです。 「私は、はっきりとみせてやりたい。真実高貴なる行為によってのみ、人は不幸に堪えうるものなのだといふことを」(ベートーヴェン「ウィーン市議への言葉」1819年2月1日)

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2023/03/02

ベートーヴェンについての理解が深まる一冊でした。 苦難な人生の中でも音楽への情熱を絶やさなかったベートーヴェンの言葉が熱い。 「悩みを突き抜けて歓喜へ至れ」

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2022/11/18

-人生というものは、苦悩の中においてこそ偉大で実り多くかつまた最も幸福でもある、  このロマン・ロランの序文が、本書のエッセンスだと感じ、書き写した。 『苦悩を突き抜けて歓喜へ到れ!』

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2021/08/14

ベートーヴェンの人生が主要な曲の作曲時期と織り交ぜて語られているので、曲の解釈の参考になった。ベートーヴェンの手紙やメモも転載されていてライブ感がある。

Posted byブクログ

2021/03/17

読んでいて思った。「ベートヴェンすごい苦労人だな~」と。有名な遺書も私の頭で訳すと「私は本来社交好きな活発な性格なのに、耳が聴こえないばかりに孤独にならねばいけない。音楽家の自分が聾だなんて言えるものか!故に二重の苦しみにさいなまされている」・・・めちゃくちゃ苦労している。圧倒的...

読んでいて思った。「ベートヴェンすごい苦労人だな~」と。有名な遺書も私の頭で訳すと「私は本来社交好きな活発な性格なのに、耳が聴こえないばかりに孤独にならねばいけない。音楽家の自分が聾だなんて言えるものか!故に二重の苦しみにさいなまされている」・・・めちゃくちゃ苦労している。圧倒的な音楽の才能もあって5度ものスタンディングオベーションを受けようが、貧乏って・・・切なすぎる。 オススメ度: ★★★☆☆ ノブ(図書館職員) 所蔵情報: 品川図書館 762/R64

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2020/10/03

長い間書棚に眠っていたが、ベートーヴェンの生誕250年にあたる今年、ようやく取り出して読む気になった。もっと早く読むべきだったと思う。ベートーヴェンの伝記かと思いきや、ヒューマニズムに溢れたロマン・ロランによる「ベートーベン讃歌」。非常に興味深い内容で一気に読めた。ベートーヴェン...

長い間書棚に眠っていたが、ベートーヴェンの生誕250年にあたる今年、ようやく取り出して読む気になった。もっと早く読むべきだったと思う。ベートーヴェンの伝記かと思いきや、ヒューマニズムに溢れたロマン・ロランによる「ベートーベン讃歌」。非常に興味深い内容で一気に読めた。ベートーヴェンは特別に好きな作曲家というわけではないが、彼の音楽は生の喜びに満ち、いつも生きる活力を与えてくれる。しかしながら、その生涯は孤独で不遇なものであったことを改めて知らされ、彼の音楽を理解する上での大きなヒントとなった。ロマン・ロランについては『魅せられたる魂』を読んで感動し、すっかりファンになった。「ミケランジェロの生涯」「トルストイの生涯」も読んでみたい。

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2020/08/04

ベートーヴェンの音楽とともに生活してきたロマン・ロランによる伝記、ベートーヴェン賛歌です。 ベートーヴェンの生活、苦悩、情熱など、その人物像が見事に描かれています。 惜しむらくは、翻訳がこなれていなく、読みにくい箇所があり、全体的に難解な感じが残るのが残念です。

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2020/04/24

ベートーヴェンの生き方、音楽への見方、人生へ臨む姿をロマンロランがいきいきと描く。とてもためになった。

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2020/05/19

ロマン・ロランの表現(訳)は本当美しい。読み終えるのが勿体無くて1ページ1ページ噛み締めながら読んた。「賛美」とはまさにこういうものを指すんだろうという気づきを得られる。 『ミケランジェロの生涯』と同様に、天才の裏側にある苦悩を描いている。そんな天才の一人であるベートーヴェンを...

ロマン・ロランの表現(訳)は本当美しい。読み終えるのが勿体無くて1ページ1ページ噛み締めながら読んた。「賛美」とはまさにこういうものを指すんだろうという気づきを得られる。 『ミケランジェロの生涯』と同様に、天才の裏側にある苦悩を描いている。そんな天才の一人であるベートーヴェンを簡潔に表現した一節に心打たれた。 「人生というものは、苦悩の中においてこそ最も偉大で実り多くかつまた最も幸福でもある」とあるように彼は自分の不幸を用いて歓喜を見出した。 これはマルクス・アウレリウス・アントニヌスの『自省録』に書かれている「これは不運ではない。しかしこれを気高く耐え忍ぶことは幸運である。」と通ずる。 ちなみに今年2020年はベートーヴェン生誕250年!

Posted byブクログ