ベートーヴェンの生涯 の商品レビュー
学生時代に入っていた管弦楽団で、先輩からもらった本。ベートーヴェンの頑固で怖そうなイメージがひっくり返され、友達思いで信仰深く、非常に人間味のある人物像が浮き彫りにされる。ベートーヴェンとって魂の表現の最高の手段が、音楽であったことが、彼の芸術家としての一流の生き方を物語っている...
学生時代に入っていた管弦楽団で、先輩からもらった本。ベートーヴェンの頑固で怖そうなイメージがひっくり返され、友達思いで信仰深く、非常に人間味のある人物像が浮き彫りにされる。ベートーヴェンとって魂の表現の最高の手段が、音楽であったことが、彼の芸術家としての一流の生き方を物語っている。私に芸術家としての素質はないに等しいが、この書を読むことでより、彼のことを理解し、曲の良さを味わうことができるのですごくありがたい。ロマン・ロランの「ジャン・クリストフ」もそのうち読んでみたい。芸術の秋をベートーヴェンと楽もう。
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そういえばベートーヴェンって耳悪かったっけな。 伝記かと思って買ったんだけど違った。けど、思ってた以上におもしろかった。普段こういうの(ヨーロッパ文学的なの)を読まないから、表現とかがいろいろ新鮮だった。 フランスの作家ロマン・ロランの「ベートーヴェンの生涯」のほかにベートーヴェンの手紙、思想断片など。 そもそも世界史に詳しくないので時代背景がさっぱり。ナポレオンが何やったかも分からないくらいですから。 耳がどこまで聞こえてなかったのか分からないけど、子どものころは聞こえてたんなら、そのとき聞いた「自然の音」がのちのベートーヴェンにとっての世界のすべてだったんだろうなぁ。ひとが作った音楽とかも聞けなかったのかな。ある意味本当に自分の世界だけで作ってたってことかなぁ。 分かりやすいベートーヴェン賛歌だったので、機会があればベートーヴェンdisも読んでみたいところ。 抜粋。「ベートーヴェンへの感謝」より。 ……「ますます簡明に!」(Immer simpler!)本質をいえ! 他は沈黙せよ! 単純であるが故に持てる強さってあるよな。
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交響曲第九を聞くうちに、読みたくなった一冊。ロマン・ロランによるベートーヴェン論。伝記ではないが、彼の苦悩に満ちた生涯とその音楽を重ねて考察。ベートーヴェンへの感謝が溢れている。 『悩みとつき抜けて歓喜に至れ』
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著者の敬愛するベートーヴェンの生涯についてやハイリゲンショタットの遺書、手紙、講演などが収められていている。貴重な史料である。遺書や手紙には厳しい人生に立ち向かうベートヴェンの強い意志が感じられ、特に良かった。ただ生涯の部分がもう少し詳しく書いて欲しかったので残念である。
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ベートーヴェンを崇拝したロマン・ロランの著。 ロマン・ロランといえば反戦理想主義者のノーベル文学賞受賞者として有名ですね。 ベートーヴェンの音楽には精神性が宿るとし、その艱難に満ちた人生からベートーヴェンの音楽を紐解きます。 タイトルでもある「ベートーヴェンの生涯」は案外短...
ベートーヴェンを崇拝したロマン・ロランの著。 ロマン・ロランといえば反戦理想主義者のノーベル文学賞受賞者として有名ですね。 ベートーヴェンの音楽には精神性が宿るとし、その艱難に満ちた人生からベートーヴェンの音楽を紐解きます。 タイトルでもある「ベートーヴェンの生涯」は案外短い文章で、さらっと読めます。 ほか、有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」が読み応えあります。 自分の聾唖に絶望し、この遺書を書き残しました。 ところが、そのあと「豊作の森」と言われるエロイカなどの名作を次々と生み出します。 絶望が創作意欲に結晶したといわれていまして、その源泉を垣間見ることができました。 また、手紙や思想断片など、ベートーヴェンの内的世界に近づける著となっています。
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ロランによるベートーヴェンの伝記部分と、 ベートーヴェンと友人達の手紙のやりとり、 ベートーヴェンの思想断片、 そしてベートーヴェン記念祭でのロランの講演、 複数の角度からベートーヴェンについて書かれている本。 ただ、ロランの愛情たっぷりで少し偏っているかもしれない。 『ミケラ...
ロランによるベートーヴェンの伝記部分と、 ベートーヴェンと友人達の手紙のやりとり、 ベートーヴェンの思想断片、 そしてベートーヴェン記念祭でのロランの講演、 複数の角度からベートーヴェンについて書かれている本。 ただ、ロランの愛情たっぷりで少し偏っているかもしれない。 『ミケランジェロの生涯』と同じく、悲劇的な側面を大きく取り上げている。 ベートーヴェンが生み出した曲の裏側にある苦悩。 彼を最も苦しめたのは音楽家には致命的な耳の病気。 それに立ち向かう力強い姿と、孤独のうちで苦しむ姿。 筆不精なベートーヴェンが友人に送った手紙から、苦悩が伝わってくる。 ベートーヴェンは自分の障害を乗り越え、曲を残すことによって、他人に役立ちたいと考えていたという。 そしてその曲たちは現代までその役目をしっかり果たしている。 ベートーヴェン歿後100年の記念祭(ウィーン)でのロランによる講演の一節。 この勝利は孤独な一人の人間のもののみにとどまらない。それはまたわれわれのものである。ベートーヴェンが勝利を獲得したのはわれわれのためにである。彼はそのことを望んだ。p.172『ベートーヴェンへの感謝』 一番しびれたのは『第九交響曲』が生まれるエピソード(p.63-68)。 初演では聴衆が泣き出すほどの感激を巻き起こし、演奏会のあと、ベートーヴェンは感動のあまり気絶したという。まさに歓喜の瞬間。 悲劇のうちから歓喜を造りだした、熱い生涯。 ベートーヴェンについて、もっと知りたくなった。
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学生時代に読んだものを再読。無性にドイツに行きたくなります。 『ジャン・クリストフ』のロマン・ロランによるベートーヴェン賛歌。 この本を読みこなすには私のベートーヴェンの音楽に対する知識が足りなかった。 不遇な人生を高貴な魂をもって乗り越えようとしたベートーヴェン。 その孤独な...
学生時代に読んだものを再読。無性にドイツに行きたくなります。 『ジャン・クリストフ』のロマン・ロランによるベートーヴェン賛歌。 この本を読みこなすには私のベートーヴェンの音楽に対する知識が足りなかった。 不遇な人生を高貴な魂をもって乗り越えようとしたベートーヴェン。 その孤独な姿はあたかも「リア王」、髪の毛は「メデューサの頭の蛇たち」と例えられたとか。 以下引用 人類の最良な人々は不幸な人々と共にいるのだから。その人々の勇気によってわれわれ自身を養おうではないか 人生というものは、苦悩の中においてこそ最も偉大で実り多くかつまた最も幸福である 彼は近代芸術のなかで最も雄々しい力である。彼は、悩み戦っている人の最大最善の友である。世の悲惨によって我々の心が悲しめられているときに、ベートーヴェンはわれわれの傍へ来る。 不幸な貧しい病身な孤独な一人の人間、まるで悩みそのもののような人間、世の中から歓喜を拒まれたその人間がみずから歓喜を造り出す 「悩みをつき抜けて歓喜に到れ!」“Durch Leiden Freude.”
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これじゃなく角川文庫の同名本を読んだんですが…、途中ギブアップ! 翻訳者が違うせいもあるのかよくわかりませんが、少なくとも読んだ本は一片の面白さも感じ取れなかった。 恵まれない子供時代、恋愛の破綻、孤独、不良の甥、病気、貧困などなどベートーヴェンの不幸ばかりがクローズアップされて...
これじゃなく角川文庫の同名本を読んだんですが…、途中ギブアップ! 翻訳者が違うせいもあるのかよくわかりませんが、少なくとも読んだ本は一片の面白さも感じ取れなかった。 恵まれない子供時代、恋愛の破綻、孤独、不良の甥、病気、貧困などなどベートーヴェンの不幸ばかりがクローズアップされて気が滅入った。
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ベートーヴェンの音楽には、彼自身の人生の足音を聞くような感覚があります。ベートーヴェンを好む人はみんなそうなのかもしれないと、この本を読んで感じました。
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(1966.10.22読了)(1966.10.12購入) 内容紹介 少年時代からベートーヴェンの音楽を生活の友とし、その生き方を自らの生の戦いの中で支えとしてきたロマン・ロラン(1866―1944)によるベートーヴェン賛歌。20世紀の初頭にあって、来るべき大戦の予感の中で、自らの...
(1966.10.22読了)(1966.10.12購入) 内容紹介 少年時代からベートーヴェンの音楽を生活の友とし、その生き方を自らの生の戦いの中で支えとしてきたロマン・ロラン(1866―1944)によるベートーヴェン賛歌。20世紀の初頭にあって、来るべき大戦の予感の中で、自らの理想精神が抑圧されているのを感じていた世代にとってもまた、彼の音楽は解放のことばであった。
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