月と六ペンス(訳:行方昭夫) の商品レビュー
画家ゴーギャンからインスパイアされた人物を描いている。文学的な面は置いといて、純粋な読み物としてとても楽しめる。モームの読みやすさがよくでている。
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画家ポール・ゴーギャンをモデルにした小説。ロンドンで金融業を営んでいたストリックランドは、突如として芸術にめざめ、家族を捨てて出奔する。パリでは自分を支援してくれた男の妻を奪ったうえに捨て、南の楽園タヒチへむかう。タヒチの自然の中で暮らしながら、芸術の道を極めてゆく。ハンセン病...
画家ポール・ゴーギャンをモデルにした小説。ロンドンで金融業を営んでいたストリックランドは、突如として芸術にめざめ、家族を捨てて出奔する。パリでは自分を支援してくれた男の妻を奪ったうえに捨て、南の楽園タヒチへむかう。タヒチの自然の中で暮らしながら、芸術の道を極めてゆく。ハンセン病で盲目になりながらも最高傑作の絵を仕上げ、自らの死とともに絵を燃やして葬り去る…。 メチャクチャな男の生涯だけど、人間にはこういう非合理な部分が多かれ少なかれあると思う。世間体とかプライドに邪魔されず、自分の欲望のままに生きる人生は、決して否定するものではないと思う。
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SCRIPTの「スナップショット・ランデブー」って曲の歌詞に 「サマセット・モーム読んでる君も」 って一節があって色んな意味でキュンときて読んでみたくなった。 芸術家はこういう人間性であるべきなんだろうかと考えながら読んでました。 そりゃみんながみんな尊敬できるような人格者でも...
SCRIPTの「スナップショット・ランデブー」って曲の歌詞に 「サマセット・モーム読んでる君も」 って一節があって色んな意味でキュンときて読んでみたくなった。 芸術家はこういう人間性であるべきなんだろうかと考えながら読んでました。 そりゃみんながみんな尊敬できるような人格者でもつまんないよな。 他人の評価も他人の好意もどうでもいいって考えられたならそりゃいいだろうけど、それよりも自分の大事なものがあってそれだけに傾けられる情熱があるからこそなんだろうなと思った。 人生においてそういうものを見つけられるって幸運なんだろうなと思いつつも周囲の人々を不幸にさせるのかなとも読んでて思いました。 なにはともあれ「月と六ペンス」ってタイトルはロマンチックでもありシビアでもあり、読んでみたくなる素敵なタイトルだと思いました。
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彼に関わった人物はみんな人生が狂ってしまう。 気の毒だと思いながらも、噴き出さずにはいられない。 逸脱した人物に関わると、凡人の方が道化に見えてしまうのが可笑しいのです。 素晴らしい小説の一つだと思います。 でも読んで楽しい小説ではなかった。 ストーリーテラーである主人...
彼に関わった人物はみんな人生が狂ってしまう。 気の毒だと思いながらも、噴き出さずにはいられない。 逸脱した人物に関わると、凡人の方が道化に見えてしまうのが可笑しいのです。 素晴らしい小説の一つだと思います。 でも読んで楽しい小説ではなかった。 ストーリーテラーである主人公がつまらない。 (後半部分のストリックランドへの考察は面白いが) さも自分が一番まともだと言わんばかりの振舞い、 他人の不幸に同情しながらも、時々は心中で嘲笑ったりする。 読んでいて苛ついた。まるで自分と同じだ。
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モームに評価をつけるなど、恐れ多いことですが、この小説はゴーギャンの壮絶な人生を描いていると言われており、一読の価値はある本だったので、あえて付けました。ゴッホの目線から語られると、たいがい悪者のゴーギャンですが、この小説を読むと、ゴーギャンもまた、楽ではない人生を送っていること...
モームに評価をつけるなど、恐れ多いことですが、この小説はゴーギャンの壮絶な人生を描いていると言われており、一読の価値はある本だったので、あえて付けました。ゴッホの目線から語られると、たいがい悪者のゴーギャンですが、この小説を読むと、ゴーギャンもまた、楽ではない人生を送っていることがわかります。(フィクションではありますけど)
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なんちゃって速読が特技の私を苦しめた本。 読むのにすっごい時間かかりました。 おかげで図書館から早く返却せよと督促メールきました。
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画家ゴーギャンをモデルに書かれた小説。 強烈な印象と魅力を持つ登場人物たちが頭から離れない。 モームの一人称体の心地良さに引き込まれる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
cry for the moon 芸術・理想を表す「月」と現実生活を象徴する「6ペンス」・・・。人間性の複雑さを描写したモーム。 ゴーギャンをモデルにした悪魔的な天才画家と愚鈍な主人公の葛藤が描かれる物語です。 嵐が丘と同じく一人称で語られ、「私たちが好きだったこと」と同じように僕の心をかきむしりました。 裏切りが含まれる描写は辛いものがありますね。たとえそれが著作の主題とは離れるものだったとしても^^; 愛してもいない男に言い寄られるときほど、女が残酷になれることはない これ、奥さんのだんなに対する描写です;; そのだんなはこうです。 とにかくまぎれもない善人ダーク・ストルーヴ像は、「矛盾を蔵しながらも、もっともらしい調和を保つ」モームの描いた人物像の傑作と言えよう (解説より)
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夢と現実。 金と芸術。 パンと戦争。 青年と整合性。 自殺と不可解性。 決して交わることはない。
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ゴーギャンの生涯をモデルにモームが筆を執った彼の代表作。 画家ストリクランドの半生を追う形になるが、あくまで視点は「私」であり、物語内で展開する哲学、思想も「私」のものでしかない。
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