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月と六ペンス(訳:行方昭夫) の商品レビュー

4.1

71件のお客様レビュー

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誰しもが、社会生活に…

誰しもが、社会生活に疲れる。人間関係に疲れる。全ての地位を捨て、家族を捨ててでも、楽園を求めたいと思うのは、今の人も昔の人も一緒。

文庫OFF

2024/09/01

終盤近くまでは人間観察が鋭く面白いと思って読んでいたが、病気になったストリックランドが礼賛され始めたあたりで急に陳腐な感じになってがっかりしてしまった。

Posted byブクログ

2024/07/10

「私」が画家のストリクランドの一生を追い伝記のように記した作品。ストリクランドはゴーギャンを題材にしていると言われているが全ての内容がゴーギャンに一致するわけでなかった。株式仲介人として世帯を持っていたストリクランドはある時妻と子供を捨ててフランスへと旅立ち画家として活動すること...

「私」が画家のストリクランドの一生を追い伝記のように記した作品。ストリクランドはゴーギャンを題材にしていると言われているが全ての内容がゴーギャンに一致するわけでなかった。株式仲介人として世帯を持っていたストリクランドはある時妻と子供を捨ててフランスへと旅立ち画家として活動することとなる。「私」はストリクランド夫人から説得するよう頼まれ彼の元を訪ねたことから二人の関係は続いていく。「私」の友達であった画家のストリューフェはまだ無名だったストリクランドの才能を見出し彼の世話をしていた。ある時ストリクランドが病に侵され彼の看病をするためストリューフェは自分の画廊に連れて行き妻と一緒に看病していたがその過程でストリューフェ夫人がストリクランドに恋をしてしまいストリューフェは追い出された。「私」とストリューフェは唖然としている中、ストリューフェ夫人がストリクランドに捨てられたことから自殺をしたことでストリューフェは悲嘆し本国へと帰ることとなる。 その後何年かして「私」がタヒチへと旅をした時に晩年のストリクランドを知る人たち会い彼らからタヒチ時代のストリクランドの動向を伺う。 そこまで面白い内容でもなかったし、ストリクランドにそんなに魅力は感じなかった。美術の評価ってむずかいしい。題名については、月には手の届かぬものという意味があり、六ペンスは世俗的な取るに足らぬ値打ちしかないものという意味があるらしく相反する二つが連なっていて人間どちらを取るかみたいなとこなのか

Posted byブクログ

2024/05/18

人間は各々にいろんな側面があって 時に矛盾をはらむけど、 人間同士のかかわり合いや環境によって その調和をとりながら生きてる。。 みたいな話でした。 月と6ペンスの題名については 月が夢で、6ペンスが現実という暗示らしく とてもこの小説にぴったりなタイトルだなと 感じました。

Posted byブクログ

2024/04/18

『夫が多すぎて』が面白かったので小説も読んでみた。前半は戯曲のようなテンポの良さはなく、挫折しかけたが、後半はあっという間に読み終わった。特にラスト、締めくくりかたは秀逸。脇役の描写が細かく興味が持てる。登場する女性の変容については、主人公の言葉や訳者あとがきほど意外とは思わない...

『夫が多すぎて』が面白かったので小説も読んでみた。前半は戯曲のようなテンポの良さはなく、挫折しかけたが、後半はあっという間に読み終わった。特にラスト、締めくくりかたは秀逸。脇役の描写が細かく興味が持てる。登場する女性の変容については、主人公の言葉や訳者あとがきほど意外とは思わない。モームはそれをよく知っていて書いているなと感じる。作者の探し求めるものが滲み出ていて奥深い。

Posted byブクログ

2024/03/24

メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1771684996094308470?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

Posted byブクログ

2022/03/23

『リボルバー』に続いて読む。 ゴーギャンのフォルムがいまいちピンと来なかったので、こちらで上書きというか、色付け。 ゴーギャンをモチーフにしてはいるが、あくまでこのストリクランドという画家はフィクションですよと断ってあるにも関わらず、強烈な個性はゴーギャンをイメージ作るのにぴっ...

『リボルバー』に続いて読む。 ゴーギャンのフォルムがいまいちピンと来なかったので、こちらで上書きというか、色付け。 ゴーギャンをモチーフにしてはいるが、あくまでこのストリクランドという画家はフィクションですよと断ってあるにも関わらず、強烈な個性はゴーギャンをイメージ作るのにぴったりだった。 小説としてとても面白い。 同じく、小説に出てくる作家はモーム自身ではないですよ、フィクションですよと言ってはいるけれど、当然作者自身も顔を出すだろうし、いい意味で現実社会を生きるこの作家の生臭さ加減がとても好感が持てた。 月(夢や理想)と六ペンス(現実、生活)というタイトルが端的に中身を表していて素晴らしい。

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2021/09/06

能力主義は正義か?に通じるものがあるような気がした。 1919年の作品が100年を超えて読まれているのも納得できる。

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2020/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

六ペンス。イギリスでは結婚する花嫁がラッキーアイテムとして身につけると幸せになれるとされているそうで、現在は発行されていない幻のコインだそうです。 『月と六ペンス』というタイトルに惹かれて読みました。 ゴーギャンをモデルにしているという予備知識はあったけど、それほどゴーギャンについて詳しいわけでもなく物語として楽しめました。 イギリス文学らしいというのか、結末が「こういう終わり方か…』と少し拍子抜けする感もありましたが、タイトルが意味するところは何なのか?など、読後に自分なりの解釈をあれこれ考えることが出来る作品だと思います。 個人に取っての幸せとは? 作家が作品のなかで表現しようとした幸せとは? それぞれの国・環境・立場で見いだす幸せとは? そして読者が感じる幸せとは? 夜空に浮かぶ月を眺めるも良し、手中に収まる六ペンスを大切にするも良し。タイトルが秀逸すぎる。

Posted byブクログ

2020/01/11

岩波文庫版が一番好き。 読みやすくて美しい行方昭夫氏の日本語訳が秀逸(巻末のモーム略年譜ですら物語性を感じさせてくれて面白く読める)。 日常においては意識にすらのぼらないことが多いけれども、普段いかに制限付きの自由の中でしか安心感を持つことが出来ないでいるのかを突きつけられ、自...

岩波文庫版が一番好き。 読みやすくて美しい行方昭夫氏の日本語訳が秀逸(巻末のモーム略年譜ですら物語性を感じさせてくれて面白く読める)。 日常においては意識にすらのぼらないことが多いけれども、普段いかに制限付きの自由の中でしか安心感を持つことが出来ないでいるのかを突きつけられ、自分の生き方に思いを駆せずにいられない。 常識人の理解を越えた天才は、多くの人々が年を経るごとに身につけてきた常識や規範や、善悪などあらゆる二極分化の知識などを外した本来のかたちの自分を体現している。加えて、美しい自然の中に身を置くとますます本来の自分が顔を出してくるのだろう。それを投影しているこちらとしてはそりゃあもうドキドキさせられます。 「自分」と「世界」というリアルな分離感、 「月」と「六ペンス」という、コントラストの世界がすべてだという固い信念のなかで、悩み彷徨っていたかつての日々に思いを馳せて読むのも楽しい。

Posted byブクログ