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月と六ペンス(訳:行方昭夫) の商品レビュー

4.1

69件のお客様レビュー

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誰しもが、社会生活に…

誰しもが、社会生活に疲れる。人間関係に疲れる。全ての地位を捨て、家族を捨ててでも、楽園を求めたいと思うのは、今の人も昔の人も一緒。

文庫OFF

2024/05/18

人間は各々にいろんな側面があって 時に矛盾をはらむけど、 人間同士のかかわり合いや環境によって その調和をとりながら生きてる。。 みたいな話でした。 月と6ペンスの題名については 月が夢で、6ペンスが現実という暗示らしく とてもこの小説にぴったりなタイトルだなと 感じました。

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2024/04/18

『夫が多すぎて』が面白かったので小説も読んでみた。前半は戯曲のようなテンポの良さはなく、挫折しかけたが、後半はあっという間に読み終わった。特にラスト、締めくくりかたは秀逸。脇役の描写が細かく興味が持てる。登場する女性の変容については、主人公の言葉や訳者あとがきほど意外とは思わない...

『夫が多すぎて』が面白かったので小説も読んでみた。前半は戯曲のようなテンポの良さはなく、挫折しかけたが、後半はあっという間に読み終わった。特にラスト、締めくくりかたは秀逸。脇役の描写が細かく興味が持てる。登場する女性の変容については、主人公の言葉や訳者あとがきほど意外とは思わない。モームはそれをよく知っていて書いているなと感じる。作者の探し求めるものが滲み出ていて奥深い。

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2024/03/24

メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1771684996094308470?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

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2022/03/23

『リボルバー』に続いて読む。 ゴーギャンのフォルムがいまいちピンと来なかったので、こちらで上書きというか、色付け。 ゴーギャンをモチーフにしてはいるが、あくまでこのストリクランドという画家はフィクションですよと断ってあるにも関わらず、強烈な個性はゴーギャンをイメージ作るのにぴっ...

『リボルバー』に続いて読む。 ゴーギャンのフォルムがいまいちピンと来なかったので、こちらで上書きというか、色付け。 ゴーギャンをモチーフにしてはいるが、あくまでこのストリクランドという画家はフィクションですよと断ってあるにも関わらず、強烈な個性はゴーギャンをイメージ作るのにぴったりだった。 小説としてとても面白い。 同じく、小説に出てくる作家はモーム自身ではないですよ、フィクションですよと言ってはいるけれど、当然作者自身も顔を出すだろうし、いい意味で現実社会を生きるこの作家の生臭さ加減がとても好感が持てた。 月(夢や理想)と六ペンス(現実、生活)というタイトルが端的に中身を表していて素晴らしい。

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2021/09/06

能力主義は正義か?に通じるものがあるような気がした。 1919年の作品が100年を超えて読まれているのも納得できる。

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2020/09/28
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六ペンス。イギリスでは結婚する花嫁がラッキーアイテムとして身につけると幸せになれるとされているそうで、現在は発行されていない幻のコインだそうです。 『月と六ペンス』というタイトルに惹かれて読みました。 ゴーギャンをモデルにしているという予備知識はあったけど、それほどゴーギャンについて詳しいわけでもなく物語として楽しめました。 イギリス文学らしいというのか、結末が「こういう終わり方か…』と少し拍子抜けする感もありましたが、タイトルが意味するところは何なのか?など、読後に自分なりの解釈をあれこれ考えることが出来る作品だと思います。 個人に取っての幸せとは? 作家が作品のなかで表現しようとした幸せとは? それぞれの国・環境・立場で見いだす幸せとは? そして読者が感じる幸せとは? 夜空に浮かぶ月を眺めるも良し、手中に収まる六ペンスを大切にするも良し。タイトルが秀逸すぎる。

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2020/01/11

岩波文庫版が一番好き。 読みやすくて美しい行方昭夫氏の日本語訳が秀逸(巻末のモーム略年譜ですら物語性を感じさせてくれて面白く読める)。 日常においては意識にすらのぼらないことが多いけれども、普段いかに制限付きの自由の中でしか安心感を持つことが出来ないでいるのかを突きつけられ、自...

岩波文庫版が一番好き。 読みやすくて美しい行方昭夫氏の日本語訳が秀逸(巻末のモーム略年譜ですら物語性を感じさせてくれて面白く読める)。 日常においては意識にすらのぼらないことが多いけれども、普段いかに制限付きの自由の中でしか安心感を持つことが出来ないでいるのかを突きつけられ、自分の生き方に思いを駆せずにいられない。 常識人の理解を越えた天才は、多くの人々が年を経るごとに身につけてきた常識や規範や、善悪などあらゆる二極分化の知識などを外した本来のかたちの自分を体現している。加えて、美しい自然の中に身を置くとますます本来の自分が顔を出してくるのだろう。それを投影しているこちらとしてはそりゃあもうドキドキさせられます。 「自分」と「世界」というリアルな分離感、 「月」と「六ペンス」という、コントラストの世界がすべてだという固い信念のなかで、悩み彷徨っていたかつての日々に思いを馳せて読むのも楽しい。

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2019/10/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルとあらすじに惹かれて読んだ。 ストリックランドがメインで話が進むようになるまで、少し退屈で読み進めるのに苦労した。でもここを読まないと意味がない。 もしこれを学生時代に読んでいたら、ストリックランドのやりたい放題に嫌気がさすか、その破茶滅茶さを書いて一体何の意味があるのか分からず、呆然としたかもしれない。 でも今正直この物語の意味やテーマを問われても、よく分からない。ストリックランドに振り回されるだけの人々が気の毒とかストリックランドくらい自分の欲望に忠実に生きられたらいいかもしれないけど貧乏だしな……とか、雑多な感想が浮かぶだけだ。 でも本当は特に決まった意味やテーマなどはなく、ただこの物語は置かれているだけのような気もする。それを読んだ人が、こんな人は嫌だとか、自分もこういう風に生きてみたいとか、自分や誰かに照らし合わせていろいろ思い巡らす作品なのかなと思う。

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2018/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ストリクランドについて、最初は理解に苦しんだが物語が進むにつれて少しずつ紐解けていく。 ストルーフェ夫人には驚かされたが、自殺するまでにストリクランドを思う気持ちが痛々しくも響いた。 時代が違っても国が違っても人種が違っても人間の本質は変わらないのだなと思った。

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