カルメン の商品レビュー
まず思ったのは『マノン・レスコー』と良く似た構図でありながら、受けた印象がまったく違ったこと。それはカルメンの魅力に因るところが大きいのでしょう。血の気は多いし物騒で、落ち着いて考えるとかなりひどい人なのだけど、大胆で強か、薄情かと思ったら本当は情に厚い。そんな彼女にはホセならず...
まず思ったのは『マノン・レスコー』と良く似た構図でありながら、受けた印象がまったく違ったこと。それはカルメンの魅力に因るところが大きいのでしょう。血の気は多いし物騒で、落ち着いて考えるとかなりひどい人なのだけど、大胆で強か、薄情かと思ったら本当は情に厚い。そんな彼女にはホセならずとも魅了されてしまいます。世紀をまたいで生き残ってきた作品のヒロインは伊達じゃありません。ただどういうわけか、頭の中でカルメンの声がドロンジョ様で再生されて困惑。それはともかく、ページ数以上の何かを残してくれた愛すべき作品でした。
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ともかく訳が古すぎた。昭和4年(改訂10年)。訳語に問題があるように思った箇所がいくつかあったし、カルメンの台詞が何か…。この訳を選んだのは失敗だったかな。でもその当時でこれだけの訳ができる人がいたのかと驚きもした。 今も通用するんだから大したもの。 概してメリメの評価は高い。し...
ともかく訳が古すぎた。昭和4年(改訂10年)。訳語に問題があるように思った箇所がいくつかあったし、カルメンの台詞が何か…。この訳を選んだのは失敗だったかな。でもその当時でこれだけの訳ができる人がいたのかと驚きもした。 今も通用するんだから大したもの。 概してメリメの評価は高い。しかし、この一冊を読んだだけだからか、その高評価はあまり理解できなかった。機会があればメリメの作品は原文で読んでみたい。それに対して朋友スタンダールの作品は間違いなく一流だと思える。 なんだろう、メリメという観念に付着してしまったこのもやもや。ホセに全く共感できなかった。カルメンに全く魅力を感じなかった。それはいいとしても、文学史的な観点からも何か一過性の流行りでしかなくとても不朽性があるように思えない。 おそらくまだ掘り起こせていないだけだろうと思う。 というのも、それでもやはりメリメという観念には魅力がある。
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迸る情熱と黒い悪意の塊みたいなカルメンを核にしたホセとの破滅的ラブストーリー。 構成として面白いのは二重に語り手がいるところ。 おそらく元の言語で読んだほうが面白いです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
カルメンはジプシーであり,ジプシーはなによりも自由であることを誇りとする民族です。それに対しホセはカルメンを所有しようとしました。しかしラストシーンのカルメンがホセに対し愛していない,といったたぐいの台詞を言いますが,はたしてそれは本心だったのか非常に疑問に思っています。「愛していない者から贈られた指輪をつけていたカルメンは,実は所有を望む気持ちもあったのではないか?」けれどジプシーとしてそんなことを自分にそれを許せなかった。ゆえにラストはあれで正解だと思います。ベスト。 エキゾティズムが溢れる作品です。 オペラで使用されているビゼーの音楽を聴きながらどうぞ。
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以前オケでカルメン弾くことになったときに映画を観たのですが… 世界観が全く理解できず 曲は大好きだけどストーリーはよくわからず 「カルメンが魅力的なのはいいとして、なんで士官やめて彼女の言うとおり盗賊にまでなっちゃうの?ホセ馬鹿じゃん」 「カルメンってただの悪魔だ。こわっ」 とか...
以前オケでカルメン弾くことになったときに映画を観たのですが… 世界観が全く理解できず 曲は大好きだけどストーリーはよくわからず 「カルメンが魅力的なのはいいとして、なんで士官やめて彼女の言うとおり盗賊にまでなっちゃうの?ホセ馬鹿じゃん」 「カルメンってただの悪魔だ。こわっ」 とか思ってました。 でも、今ならホセの気持ちが痛ーいほどわかります。はまったら抜け出せないもんね。(というか抜け出そうとすら思わなくなる)あっもちろん文庫だとストーリーも違うし描写も細かいからかもしれませんが。 そして、今ならカルメンのこともわかる気がする。 彼女はきっと孤独に苦しみながらも、最後まで自分らしく生きることをやめなかったのだと私は勝手に解釈しました。 『カルメン』はどの出版社の紹介文を見ても大体「悲劇」って書かれてるのですが、私には昔からそれがあまり理解できません。 あの話の終わりはあれ以外に考えられない。そして別に悲しくもない。それは、ホセもカルメンも自分の意志で生きて決断したその結果であるから。カルメンも言ってたけど、出会った瞬間には結末が決まってたんだろうと思います。
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悪女にたぶらかされる男。愛するが故に、ほかの男のものになってしまうくらいなら、自分の手で殺してしまった方が良いと云う想いが表現されている。M男的な要素と、愛憎が表裏一体であるということを表しているようにも思える。自分が人殺しであることを告白するという形式をとっているので、もっと...
悪女にたぶらかされる男。愛するが故に、ほかの男のものになってしまうくらいなら、自分の手で殺してしまった方が良いと云う想いが表現されている。M男的な要素と、愛憎が表裏一体であるということを表しているようにも思える。自分が人殺しであることを告白するという形式をとっているので、もっと罪の意識だとか、良心の呵責等がについて書かれていると思っていたので、読んでから多少失望した。まあ、自分にとってそこまで面白いとは言えない作品だ。
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プロスペル・メリメの代表作『カルメン』。カルメンという名前、あるいはビゼー作曲のオペラ等(それからアントニオ・ガデス舞踊団の舞台とかその他、まさかピンクレディー?!)によって、おおよその筋立てを知らない人は少ないでしょう。メリメの原作がフランス語によるものであり、ビゼーのオペラ台...
プロスペル・メリメの代表作『カルメン』。カルメンという名前、あるいはビゼー作曲のオペラ等(それからアントニオ・ガデス舞踊団の舞台とかその他、まさかピンクレディー?!)によって、おおよその筋立てを知らない人は少ないでしょう。メリメの原作がフランス語によるものであり、ビゼーのオペラ台本もフランス語だということ(ビゼーもまたフランス人だものね)をご存じの方も多かろうと思われます。「オペラのカルメンの歌詞ってフランス語なの?」と吃驚したことがある方も少なからずおいででしょう、だってスペインが舞台の物語ですもの、闘牛士も主役級ですもの、ねえ。『カルメン』は、著者メリメ43歳の作。彼の最も有名な最高傑作である、ということに、ほとんど異論はありませんが、「作者自身は『イールの女神像』を以て唯一の傑作と見なしていた」とのこと(「訳者序」より)、それ、ものすごくよくわかります!当然ながら私も『カルメン』を最初に読んだのですが、邦訳で読めるものの中で較べても、他の作品も好きなのです、他のほうが好きかも、つまり、メリメが大好きかも。ああ、イールのヴィーナス、いちばん好きかも!!ということで、メリメについては、あと2~3冊感想を載せようと思っています。それで肝心の『カルメン』。オペラのイメージ、あるいは「スペイン」というだけの印象をお持ちの方(カルメンが口に咥えていたのは、さて何の花だったでしょう?)、もしも更なるご興味がおありなら、ぜひともこういう原作を。スペインを旅行中の考古学者を語り手とする、これまた私の好きな「枠物語」です。古代ギリシア語の2行の詩句が呼び水です、読めば読むほど、面白いです。みんなに知られた「カルメン」なんて、ほんの一部です。きっと新たな(深い)印象が刻まれると思います。その他短篇を加えた、新潮文庫版『カルメン』もあります、こちらは堀口大學訳。いずれ劣らぬ、と言うしかありません。
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「カルメンのように切ないね」とはよくいったもの。ビゼーのオペラのが膾炙してるか。 情熱ゆえの淪落、そして悲劇。BOHEMIAN RHAPSODY.自由人の狂詩曲。 4章は不要。「白鯨」ならそれでもいいかもしれないが、統一性に欠ける。ペダントリー。 作品の舞台は、そのまま「誰がため...
「カルメンのように切ないね」とはよくいったもの。ビゼーのオペラのが膾炙してるか。 情熱ゆえの淪落、そして悲劇。BOHEMIAN RHAPSODY.自由人の狂詩曲。 4章は不要。「白鯨」ならそれでもいいかもしれないが、統一性に欠ける。ペダントリー。 作品の舞台は、そのまま「誰がために鐘はなる」にでてきそうだ。 まことに情熱的な唇には薔薇が似合う。
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魔性の女カルメンと彼女に翻弄されていくドン・ホセの愛のお話です。 ホセの堕落っぷりがなんともまぁ「マノン・レスコー」のシュヴァリエ君といい勝負してます。なにも殺さなくても・・・と思ってしまうけど、もし安易なハッピーエンドだったらオペラの元になることもなく、現代まで語り継がれる...
魔性の女カルメンと彼女に翻弄されていくドン・ホセの愛のお話です。 ホセの堕落っぷりがなんともまぁ「マノン・レスコー」のシュヴァリエ君といい勝負してます。なにも殺さなくても・・・と思ってしまうけど、もし安易なハッピーエンドだったらオペラの元になることもなく、現代まで語り継がれる名作にはなってなかったのでしょうね。愛し愛される人に殺されたからこそ、永遠に文学界のミューズとして君臨できるのかも。情熱的でセクシーでとても魅力溢れる女性です。 カルメンのほかの短編小説もどれも読み応えがあって面白かったです。人物描写が丁寧でまるで映画を見てるように情景が頭に浮かんできて、どのお話にも引き込まれました。メリメ自身のストーリーテリングの秀逸さも然ることながら、訳者さんの腕も良かったのでしょう。メリメのほかの小説も読んでみたいです。
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お互いに愛し合う道が「死」しかなかったとして、あなたは恋人を殺せますか。 愛し合うことは出来なくとも生きていて欲しいと願うか、愛の為に恋人を殺せるか。 私には永遠に答えは出せない問題です。
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