避暑地の猫 新装版 の商品レビュー
久しぶりの宮本作品。 何とも恐ろしい物語でした。 最初はプロローグがあって、ある無口な男性が入院することになったのですが、突然過去のことを医師に打ち明けるところから始まります。 軽井沢の別荘とその番人家族の物語なのですが、何もかもが異常な世界で、人間てこんなにも冷酷になれるのかと...
久しぶりの宮本作品。 何とも恐ろしい物語でした。 最初はプロローグがあって、ある無口な男性が入院することになったのですが、突然過去のことを医師に打ち明けるところから始まります。 軽井沢の別荘とその番人家族の物語なのですが、何もかもが異常な世界で、人間てこんなにも冷酷になれるのかと衝撃でした。
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- ネタバレ
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読み始めると、この不思議な世界にすぐにひたってしまう 軽井沢の霧の中で、坂を転げるように危険な思考に落ちていく なんども読んでいて、経過も結果もわかってはいるけど それぞれの人たちの気持ちを考えると苦しく悲しくなる また、違う夏に読むんだろうなと思います
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題名の猫に惹かれて手にしたので、一回目はとばし読みしました。でも、どうにも気になって仕方がないので、再読してみました。感想も変わったので更新を。裕福な別荘族と別荘番として雇われた家族の真逆な立場からもつれ合った人間関係が引き起こした悲劇。この物語は、とくに読み人によっていろいろな...
題名の猫に惹かれて手にしたので、一回目はとばし読みしました。でも、どうにも気になって仕方がないので、再読してみました。感想も変わったので更新を。裕福な別荘族と別荘番として雇われた家族の真逆な立場からもつれ合った人間関係が引き起こした悲劇。この物語は、とくに読み人によっていろいろな方向から見る事が出来るんじゃないかというところが面白いと思います。プロローグの「猫は好きじゃない。尻尾を振らないから」という医者の言葉があとで意味を持ってくるような気がするので、初めからしっかり読むことをおすすめします。
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複雑な関係と感情のもつれの中にいる少年は10代らしい短絡さと潔癖さでゆっくりと地獄へ向かって走り出す。 地下室が表れてから物語の全体に淫靡で官能的な空気が霧のように立ち込めた。 とても面白かった。また再読したい。 ところで、これは作り話だし、物語を面白くさせる要素だとわかってい...
複雑な関係と感情のもつれの中にいる少年は10代らしい短絡さと潔癖さでゆっくりと地獄へ向かって走り出す。 地下室が表れてから物語の全体に淫靡で官能的な空気が霧のように立ち込めた。 とても面白かった。また再読したい。 ところで、これは作り話だし、物語を面白くさせる要素だとわかっていても、若い女性に性的に籠絡されて行く男性、という物語を書く男性作家は、女性を幻想に近いものを下書きにして見てるのではないかといつも思う。 同じような物語でも谷崎潤一郎の「痴人の愛」は割と実態に近い。
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軽井沢の別荘でお嬢様をやりたくなったが…。 宮本輝は全然読んだことなかったけど、なんか、色々めんどくさい感じですなあ。
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混沌としたまどろみ かけぬけるラスト なんともいえない後味 一気に読める。 何度も読める。
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う~~~ん、好き嫌いのはっきりわかれる”内容”だと思う。僕は好きじゃない。けど、次へ次へと読み進んだ。。。。。やっぱり“宮本ワールド”に浸かってるからかな。
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初版が1985年。再読。誰の言っていることが真実なのか。貴子の可憐さがどろどろな別荘での出来事との対比で際立つ。修平の母親の表裏の乖離が受け入れ難いところあった。久保家の人々が、布施家の人々も、著者が好んで使う「魔」という隘路に迷い込み軽井沢の地で翻弄されていく。とても悲しい物語...
初版が1985年。再読。誰の言っていることが真実なのか。貴子の可憐さがどろどろな別荘での出来事との対比で際立つ。修平の母親の表裏の乖離が受け入れ難いところあった。久保家の人々が、布施家の人々も、著者が好んで使う「魔」という隘路に迷い込み軽井沢の地で翻弄されていく。とても悲しい物語だ。
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う~む。マジで誰か解説してほしい。主要人物の心情や言動の脈絡がわからないというか、矛盾を感じるというか、最後は???の連続でした。期間をおいて読んだので、理解が足りなかったか。 ・株買い取りは秘密裏のはずが、地下室を暴露するとはどういう料簡? ・父はいつ知った?知った後の心の変化...
う~む。マジで誰か解説してほしい。主要人物の心情や言動の脈絡がわからないというか、矛盾を感じるというか、最後は???の連続でした。期間をおいて読んだので、理解が足りなかったか。 ・株買い取りは秘密裏のはずが、地下室を暴露するとはどういう料簡? ・父はいつ知った?知った後の心の変化の軌跡は?あと無口になった理由も理解できず。 ・母の真意は?最後の驚愕の事実との関連性は?二重取り?(これ一番のなぞ)猫? ・主人公は少し激しすぎやしないか?(笑) ・姉をそそのかしたのは?自ら?正体は猫?蛇? ・刑事はなぜわかったのか?勘?(笑) などなど、他にもありますが・・・、ネタバレにならないように奥歯に挟まった言い方になりました。すみません。 最初は昼メロ調で、少し萎え気味になったが、3章の出来事からミステリー調となり俄然面白くなって猛烈に読み進めたが、ミステリーとしては失速した結果だったように思う。そのまんまだったから。小説としてエロス的表現にはぞくぞくきました。(笑) 情感あふれる記述とテンポの良い展開はとても良かったが、肝心なところでミステリーでありがちな直截的でない描写の手法がそのまま放置されてしまった感があり、説明不足の思いを強くしてしまった。そのため「狂気」「魔」を描いたとはいえ、現実感のなさが目立ったような気がする。 これはひょっとして作品としては失敗作なのでは・・・という感が強い現在です。自分の理解不足もあるので、暫定、星3つです。
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