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自動車の社会的費用 の商品レビュー

4.1

45件のお客様レビュー

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2026/04/04

日頃から自動車に抱いているモヤモヤを言語化してくれている。やっぱり自動車の通行を歩行者が妨げないようにするのは違うよね。逆だよね

Posted byブクログ

2025/11/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自動車の社会的費用、というタイトルに惹かれた。自動車を運転することが歩行者の基本的人権を如何に蔑ろにしているかについて論じている。その費用は一台200万円だという。 もっとも、交通事故による障害や死亡もしくは排気ガスによる疾患などは、当事者にとっては不可逆的な事象であり、金銭に換算できない『費用』である。目が覚めるような論考であった。 そしていっそう不味いのは、そのような当事者には低所得者層が多く含まれる。富裕層は自動車の交通量の多い・排気ガスの多い地域からは、その財力を使って容易に逃走できるからである。 我々の世界は社会的費用を内部化する方向に向かっているのだろうか。それとも、深刻な外部不経済を生贄の羊として積極的に捧げるようになっていくのか。どうも昨今は、後者が勢力を強めているように感じる。

Posted byブクログ

2025/04/16

伊藤 裕顕先生のおすすめ本 地域マネジメント学科 ーーーーーーーーーーー 宮代キャンパス 配架場所コード:2F:受付カウンター前 分類記号:685 著者記号:U ーーーーーーーーーーー

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2024/12/02

この本が出版されたのが1974年、 高度成長期の真っ最中に、自動車による外部不経済の発生を指摘した宇沢弘文の先見の名には脱帽するばかりだ 自動車は騒音や排気ガスを発生させている。また、我が国の道路政策も自動車のために最適化されている、すなわち歩行者道路と自動車通行道路は明確に分...

この本が出版されたのが1974年、 高度成長期の真っ最中に、自動車による外部不経済の発生を指摘した宇沢弘文の先見の名には脱帽するばかりだ 自動車は騒音や排気ガスを発生させている。また、我が国の道路政策も自動車のために最適化されている、すなわち歩行者道路と自動車通行道路は明確に分けられておらず、また自動車通行道路の開発に巨額の財源が当てられている。この結果、歩行者の歩行の権利は侵害されており、また公共交通サービスの低下が顕著である。 そして、こうした費用に対して自動車ユーザーは負担をしていない。いわば、自動車による外部不経済が発生している。 宇沢は、このような事態の背景にはこれまでの古典派経済学が環境破壊や公共財へのダメージを考慮してこなかったことが問題として存在すると指摘し、これらを考慮する理論的根拠・計算式を定立した。 ただ、第3章以降の内容は難しくて私はわからなかった。だがとりあえず趣旨だけわかったからいいでしょ

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2024/05/12

Ⅲ「自動車の社会的費用」のうちの3「新古典派の経済理論」と4「社会的共通資本の捉え方」、5「社会的コンセンサスと経済安定性」あたりは、経済学の理論の紹介が主な内容で、いささか難しいところもあった。 クルマ社会を「社会的費用」という観点から」捉えるという視点は、なかなかおもしろいと...

Ⅲ「自動車の社会的費用」のうちの3「新古典派の経済理論」と4「社会的共通資本の捉え方」、5「社会的コンセンサスと経済安定性」あたりは、経済学の理論の紹介が主な内容で、いささか難しいところもあった。 クルマ社会を「社会的費用」という観点から」捉えるという視点は、なかなかおもしろいと思う。

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2022/11/13

自動車によって様々なことが便利になり、経済も車がないと成り立たない状態になっている しかし、自動車を優先し過ぎることによるデメリットもあり、自動車を使用する環境や制度は本当に人のためになっているのかを考えさせられた 確かに日本は自動車優先が当たり前みたいな環境

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2022/10/15

 自動車の社会的便益と社会的費用を比較して、社会的便益が上回れば望ましい公共投資として採択されるという新古典派の経済理論に基づく費用=便益分析は、所得分配の不平等化を引き起こす。また、従前の社会的費用の計測の試みは、人間を経済的側面でのみ捉えようとする考え方だった。筆者は、市民の...

 自動車の社会的便益と社会的費用を比較して、社会的便益が上回れば望ましい公共投資として採択されるという新古典派の経済理論に基づく費用=便益分析は、所得分配の不平等化を引き起こす。また、従前の社会的費用の計測の試みは、人間を経済的側面でのみ捉えようとする考え方だった。筆者は、市民の健康・安全歩行の権利が侵害されないように、予め社会的費用が発生しないようにした上で、その社会的便益と建設・管理費用とを比較することによって、公共投資の配分が決定されるべきという。原発などあらゆるものに応用できる考え方だと思う。

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2022/03/30

同時期に発売されたシューマッハーの『スモールイズビューティフル』と土地の扱いに関する提案でほとんど同じことが書いてあったことに、そしてこの提案が今ほど必要な瞬間もないと痛感することに、驚き。 多くの人に読んでほしい。

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2022/03/01

特に印象に残った部分 → 近代社会を支えている社会的自由の原則は、他人の自由を侵害しない限りにおいて各人の自由が存在しうるということを、一方では意味していた。ところが、自動車の普及によって、この社会的自由の原則は崩壊しつつあり、またこのことが自動車のいっそうの普及をたすけるという...

特に印象に残った部分 → 近代社会を支えている社会的自由の原則は、他人の自由を侵害しない限りにおいて各人の自由が存在しうるということを、一方では意味していた。ところが、自動車の普及によって、この社会的自由の原則は崩壊しつつあり、またこのことが自動車のいっそうの普及をたすけるという悪循環がおきてきた。(P171) 日本が経済的に大きく成長した時代に損なわれたものの縮図が自動車産業において強く現れていたのだろうか。 経済的な成長を優先し、人々の生活や環境を犠牲にするとは皮肉な結果と言わざるをえない…。 「TPPは社会的共通資本を破壊する」videonews.com https://m.youtube.com/watch?v=29XZo5p_ZY8 https://m.youtube.com/watch?v=2QGXmHUsAyg

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2021/12/24

「資本主義と闘った男」宇沢弘文氏の名著。自動車に限らず、任意の製品や仕組みを導入するときに、社会全体でどのように費用が発生しているのかという思考実験を実演している。本書が出版された1974年は世の中に急速に自動車が流通され始めた時代であり、政府が一斉に高速道路の建設など、社会を自...

「資本主義と闘った男」宇沢弘文氏の名著。自動車に限らず、任意の製品や仕組みを導入するときに、社会全体でどのように費用が発生しているのかという思考実験を実演している。本書が出版された1974年は世の中に急速に自動車が流通され始めた時代であり、政府が一斉に高速道路の建設など、社会を自動車向けにし始めた時代でもある。社会の変化において、何か恣意的な変化をもたらす場合には、その変化にかかるコストとベネフィットを精緻に比較する必要がある。宇沢氏の問題意識としては、当時の時代状況として、自動車のベネフィットをことさらに主張する人間が多く、コストについて今一度目を向けるべきであると主張している。結論を先取りすれば、道路建設による非人間的な横断歩橋の出現に地域の人々の不便さ、道路建設による自然破壊、排気ガスによる環境破壊、自動車事故による死亡者・後遺障害が残ってしまった人の逸失利益などがコストとして挙げられる。また、非人間的な横断歩橋の出現や自動車を中心に作られた道路建設は、街の形を変えてしまい、結果として自動車に乗れない老人や子供に不利益を与えているという。製品や仕組みを導入することによる、格差の拡大にも注目しているところが新鮮であった。自動車の増産や社会への流通は、社会全体の利益向上のために行われているものである一方で、社会が自動車中心になっていくことによる不利益を老人や子供が受け、格差が拡大されるという論理は、人間の社会にとって何が大切なのかということを訴えかけるものであった。このようなコストについては当時の経済学の枠組みでは検証することができない。環境のような不可逆的な資本については、個人に帰属させずに社会で管理させなければならないという社会的共通資本の概念は、まさしく2021年の今、叫ばれているので、宇沢氏の先見性には驚かされる。『人新世の資本論』でも、社会的共通資本の類似概念である「コモン」の概念について詳しく記載されており、昨今のカーボンプライシングなどについては、まさしく宇沢氏の指摘する社会的費用を、実際の市場経済において価格に上乗せしようという働きかけである。そう言った点で、今も色あせない名著と言えるであろう。

Posted byブクログ