集中力 の商品レビュー
オススメ!
21歳の時に史上最年少で名人位を獲得して以来、プロ棋士として頂点を歩んできた著者。棋士としての人生、プロとしての生き方について、濃い内容が詰まった一冊である。ライバル、羽生氏に関する記述も興味深い。
TKS
天才谷川の苦悩が見える本。史上最年少名人にして、羽生さんに心を乱され、ここまでスランプに陥ってしまうのかと、驚くばかりである。開き直って、いかに、自分のペースを守ることが大切か、よく分かった。自分を見失わずに、自分の一番いいところを出していけるようにしたいと思った。 しかし、近年...
天才谷川の苦悩が見える本。史上最年少名人にして、羽生さんに心を乱され、ここまでスランプに陥ってしまうのかと、驚くばかりである。開き直って、いかに、自分のペースを守ることが大切か、よく分かった。自分を見失わずに、自分の一番いいところを出していけるようにしたいと思った。 しかし、近年の将棋の状況については、羽生さんの「決断力」とほとんど同じことが書いてある。これがトッププロの認識というものなのだろう。直感を大事に、新手は一局しか有効ではない。同じ時期の本だからか、取り上げているネタも似ている。升田先生の新手一生、森下卓先生の若手カーナビ論など。現場で空気を吸う大切さなども、羽生さんと谷川さんに共通している。
Posted by
谷川先生のことはあまり知らない。 将棋界もわからない。 どちらかというと、先生のファンが読むべき本というべき。 羽生先生のことも徐々に触れられているので面白い。 本書では、先生の生い立ちからテーマに絡めて書かれている。 正直文面としは、いかにもあまりきれいな文章ではないが、 言...
谷川先生のことはあまり知らない。 将棋界もわからない。 どちらかというと、先生のファンが読むべき本というべき。 羽生先生のことも徐々に触れられているので面白い。 本書では、先生の生い立ちからテーマに絡めて書かれている。 正直文面としは、いかにもあまりきれいな文章ではないが、 言いたいことを必死に伝えようとする意識が強く感じられる。
Posted by
2000年12月1日初版。 プロ棋士の谷川浩司が著者。 集中力とタイトルにあるが勝負に勝つ能力として ・集中力 ・思考力 ・記憶力 ・気力 が上げられ、それぞれ解説がある。 エッセイ風なのでとっつきやすく、将棋を知らなくても十分読める。 ただ、いかに集中力を持続させるかとい...
2000年12月1日初版。 プロ棋士の谷川浩司が著者。 集中力とタイトルにあるが勝負に勝つ能力として ・集中力 ・思考力 ・記憶力 ・気力 が上げられ、それぞれ解説がある。 エッセイ風なのでとっつきやすく、将棋を知らなくても十分読める。 ただ、いかに集中力を持続させるかという事よりは「集中力の大切さ」の方に重点が置かれている。HowToというよりは自己啓発な感じ。
Posted by
21才で将棋の名人に上り詰めた著者が、40才を迎える前に記した、それまでの回顧と将棋観・人生観。 21歳という若さで頂点に到達し、20代、30代を歳を重ねていく中で、羽生善治という超人的な若手が台頭してくる焦り、スランプ、復調といった浮き沈みを通じた人生観が語られている。まさしく...
21才で将棋の名人に上り詰めた著者が、40才を迎える前に記した、それまでの回顧と将棋観・人生観。 21歳という若さで頂点に到達し、20代、30代を歳を重ねていく中で、羽生善治という超人的な若手が台頭してくる焦り、スランプ、復調といった浮き沈みを通じた人生観が語られている。まさしく人生に喩えて語られることが多い将棋であるが、彼の語る言葉は同じ世代を生きる私のような人間にとって金言に満ち溢れている。決して、目から鱗のような目新しい言葉ではないが、将棋という厳しい勝負の世界で、浮き沈みを経験し、その酸いも甘いも知り尽くしている著者だからこその重みがある。われわれが生きる現実社会が、資本主義という競争を前提とした社会である以上、好むと好まざるとをかかわらず、自ずと将棋のような勝負事と同様の側面があるのは否定しようがない。この厳しい現実社会の中で、勝負に打ち勝ち、自分に打ち勝ち、己を高めていくにおいて必要なヒントが彼の言葉から得られるであろう。また、いつか再読したいと思う一冊である。
Posted by
集中力 谷川浩司 2000年12月1日初版発行 2017年7月17日読了 第一部 トップ棋士の条件 トップ棋士への道 第二部 勝負に勝つ能力を伸ばす 集中力、思考力、記憶力、気力 1962年生。 加藤一二三に次ぐ史上2人目となる中学生(14歳)で四段プロになり、21歳で当時...
集中力 谷川浩司 2000年12月1日初版発行 2017年7月17日読了 第一部 トップ棋士の条件 トップ棋士への道 第二部 勝負に勝つ能力を伸ばす 集中力、思考力、記憶力、気力 1962年生。 加藤一二三に次ぐ史上2人目となる中学生(14歳)で四段プロになり、21歳で当時史上最年少で名人位を獲得。「十七世名人」として永世名人の資格を持つ。終盤の寄せの速さから「光速の寄せ」の異名を持つ。 羽生善治のライバルとして数多くの対局をこなす。既に公式戦で115局以上(執筆当時)。年齢は羽生さんの8歳上。 世代でいうと、大山康晴、米長邦雄、中原誠、に次ぐ世代として次代の羽生世代とも数多く対局をこなしている。 読んでいて思ったのは勝負の世界で結構な苦労人という印象。 21歳という若さで名人になった後のスランプ、まだ昔ながらの「豪傑」が住まう時代の将棋界(昔はプロ四段になれば後は本人次第で何をしても良い。酒やギャンブルに没頭する人も)、羽生善治という最強棋士の台頭、そして嫉妬。 阪神淡路大震災での被災。羽生さんの七冠制覇を許すことになった相手が谷川浩司でもある。など。 そうした谷川浩司九段の考えが見えたのは興味深かったです。 勝負の世界の厳しさを谷川浩司の経験値から語っているのだけど、その裏側には人としての弱さもあるのかなあ。と感じる言葉もありちょっと意外に思いました。スランプの時、また羽生さんに対する過剰意識から羽生さんのような真似をして、ますますスタイルを崩してしまったとか 勝負においてリードしてる局面からやや後退してしまった時にまだ五分以上の局面なのに「自分はどちらかというと悲観的になるタイプ」とも言っており、強靭な精神力の持ち主や楽観主義者ではない事が書いてあって知らない谷川浩司の一面を知れました。 他にも棋士として羽生さんも語っている捨てる力=忘れる必要性とか、棋士は基本的に自分で考え抜く力がないと上には行けないとか、効率性だけを求めたやり方は結局は力にならない、自分から「やろう」と考える強さが必要など実生活にも生きる話もあります。 勝負における谷川流の理論を学べる一冊。中々の良書です。
Posted by
将棋の谷川プロが将棋から学んだことを通して人生における様々なことを論じている本。どこかの自己啓発本に書かれているようなことが多かったが、将棋を通して語られると説得力が高い。
Posted by
なんだこれ。読書は大事なところをメモしておくんだけどこれメモし続けなきゃならなかった。困る。 何十年もそばに置いておいて立ち返るときに手に取るべき本だよ。仰るとおりです、そうですよね、と背筋が伸びる思い。ハウツー本じゃなくて、生き方の本。 見出しを見るだけでだいぶ目が覚める……い...
なんだこれ。読書は大事なところをメモしておくんだけどこれメモし続けなきゃならなかった。困る。 何十年もそばに置いておいて立ち返るときに手に取るべき本だよ。仰るとおりです、そうですよね、と背筋が伸びる思い。ハウツー本じゃなくて、生き方の本。 見出しを見るだけでだいぶ目が覚める……いやー! わたしの場合は創作にすべてつながった。将棋を例にされるだけで創作への姿勢が丸々書かれていたという感じ。 いやーやはり、本当にすごい人ってのは、すごいんだなと、当然の結論を導き出しましたよ。まったく。
Posted by
羽生さんをはじめ、棋士の著作を読むのが結構好きです。といって将棋は門外漢でほとんど分からないですが、明晰な頭脳を持つ棋士がどのように論理展開をして将棋を指していくのかとても興味があります。 本著は真剣に考えること、つまり集中について御自身の体験をちりばめて書かれています。 少...
羽生さんをはじめ、棋士の著作を読むのが結構好きです。といって将棋は門外漢でほとんど分からないですが、明晰な頭脳を持つ棋士がどのように論理展開をして将棋を指していくのかとても興味があります。 本著は真剣に考えること、つまり集中について御自身の体験をちりばめて書かれています。 少年時代から天才棋士であった著者が天才の上にあぐらをかかず、集中して将棋に打ち込んだからこそ名人になれたというのがよく理解できました。 いみじくも「天才と呼ばれるのは本意ではない。それでは、費やした時間や努力がかさいそうというものだ」と著者が言うとおり、天才と呼ばれる人は、途中で飽きて投げ出してしまわずに集中を持続させたものが初めて得る称号だと思います。 好きだから持続が出来、持続が天才が生むのではないでしょうか。 以下印象に残った文章 ・好きなものがあり、それにどれだけ深く集中して打ち込んでいられるかだと思う。好きなものに打ち込んで育てた集中力があれば、一時は誘惑に引きずられることがあったとしても、すぐに立ち戻れるだろう。 ・問題は毎日継続して続けられるかということ。そのためには、好きになることだ。 ・朝が来ない夜はない。夜明け前というのは、実は一番暗いのです。 ・先を読むのが仕事の棋士から見ると、情報をどんなにたくさん集めても、ロジカルに分析するだけでは情報におぼれるだけということを経験から知っている。(中略)私が将棋を指す場合は、直観によって読む場合が多い。その時の判断基準は完成である。(中略)強い棋士は、奥の深い感性を発揮するのである。 ・何事に対して「できる」という方向で考えないと物事は進まないのである。「できる」という方向から攻めると、思わぬアイデアが生れるものだ。また、これは「自分がやるのだ」というやる気を持てば、ぎりぎりの線までがんばれ、そこから不可能に思える目標も可能に見えてくる。 ・後悔と反省は違う。失敗の記憶は分析し、整理する。 ・いい時ほど記憶が消える。より本能に近かったからかもしれない。何週間かたって、ふっと記憶が戻ったりすることもある。 ・調子の良い時に、もっと積極的に問題意識を持ち、現状を打破する気力が必要だ。
Posted by
棋士である谷川さんの一冊。 将棋界のトップを走り続けてきた谷川さんからは学ぶことが多い。 将棋を通して書かれてあることだが,おっしゃっていることはきわめて一般的。大変勉強になりました。
Posted by