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居酒屋 の商品レビュー

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39件のお客様レビュー

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2026/02/21

いいえ、いいえ、もうたくさん。恥ずかしくてたまらない……。後生だから!立ってちょうだいな。跪ずきたいのはあたしのほうよ。 でも!どうにもならないわ、あたしにはわかっているの……。さようなら。さようなら。こんなにしていると二人とも苦しむばかりだもの。

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2025/01/02

初めて味わう読後感をもたらす小説だった 19世紀、第二帝政期のフランスを舞台にして初めは勤勉で大人しく、慎ましい望みしかもたなかった洗濯女のジェルヴェーズが、時代や人間関係、アルコールに振り回されて破滅していく様を描く自然主義小説 楽しいことといったことは全章を通しても数少なく、...

初めて味わう読後感をもたらす小説だった 19世紀、第二帝政期のフランスを舞台にして初めは勤勉で大人しく、慎ましい望みしかもたなかった洗濯女のジェルヴェーズが、時代や人間関係、アルコールに振り回されて破滅していく様を描く自然主義小説 楽しいことといったことは全章を通しても数少なく、全体的に見たらネガティヴなストーリーだが、詳細な情景・人間描写や目が覚めるような語り口でリーダビリティ唆られる アルコールに振り回されて暴力を振るったり金遣いが荒くなったりする人間の醜態や、貧窮に喘いで心が荒んでいくグート・ドル界隈の人間模様など、誇張も隠蔽もせずに当時の世相を描いた作品として素晴らしい 観念的な話は少なく、具体的で世俗的・卑近な話題が主となっているから一歩引いた目ではなく没入して読むことが出来た

Posted byブクログ

2024/09/08

19世紀後半のフランス文学、エミール・ゾラの「居酒屋」。翻訳は詩人の宗左近さんこと古賀照一氏。「ゾラを自然主義文学の中心作家たらしめた力作」というだけあって、描写がリアリスティックで映像を見ているかのよう。 まだ、映像がない時代のそして現代のパリになる前のパリの場末の汚さ、貧しさ...

19世紀後半のフランス文学、エミール・ゾラの「居酒屋」。翻訳は詩人の宗左近さんこと古賀照一氏。「ゾラを自然主義文学の中心作家たらしめた力作」というだけあって、描写がリアリスティックで映像を見ているかのよう。 まだ、映像がない時代のそして現代のパリになる前のパリの場末の汚さ、貧しさ、人々の生命力、下品さ、欲望、夢、羨望、罵り、光、影、陽気さ、食欲、性欲、ボロ、傷、泥などありとあらゆるものを本当に手に取るように描いてる。 ストーリーとしてはまず、洗濯女ジェルヴェーズが、二人の子供と共に帽子屋ランチエに棄てられるところから始まる。ランチエの愛人の姉ヴィルジニーとシヴェルヴェーズとの洗濯場での取っ組み合いの喧嘩のシーンがまず壮絶で圧巻! 二人の子供を抱え、ただ「働き、三度のパンを欠かさず、住居を持ち、殴られず、寝床で死ぬ」ことだけを夢見て、洗濯女として前を向いて歩き始めたシヴェルヴェーズにブリキ屋の男クーポーがプロポーズする。そして、二人で勤勉に何年か働き、少しずつ蓄え、小さくても快適な住まいと小さな幸せを手に入れたころ、クーポーはブリキの仕事の現場の屋根から落ちて瀕死の重傷をおい、それを機に仕事を怠ける癖がついてしまう。 それでも、借金して、シヴェルヴェーズは夢だった自分の店を持ち、「高級洗濯店」として評判になり、使用人もいて、女達が集うサロンのような店の女主人として生き生きと働き、怠け癖のある夫のことも優しく養っていた。ところが、そこへ昔自分を捨てた男ランチエが戻ってきて、上手くクーポーの親友になり、何故か彼らと同居し、散財させ、堕落させた挙句、棄てる。 借金も返せないまま、店も失い、信用も仕事も失った、クーポー夫婦は毎日喧嘩し、娘のナナもグレて家出し、クーポーはアル中で、シヴェルヴェーズは飢えと寒さの中で亡くなってしまう。 他のレビューを読むと最後が残酷過ぎるなどの意見があるが、その頃のパリに普通にいたような美しく、優しく、正直で勤勉だったのに男運が悪かったせいで落ちぶれていった女性の生涯に光を当てて描く筆致が素晴らしく、久しぶりに「本物の文学を読んだ」といえ満足感を得られた。 主人公だけではなく、当時のパリの下町の噂話でもちきりの様子やケチな様子、面と向かって人を罵る元気さや宴会で盛り上がると順番にシャンソンを歌う陽気さ、登場人物がそれぞれ何かしらの「職人」であるが、気が乗らないと飲みに行ってしまう身勝手さなど、同時代の作家によって描かれたパリが本当に想像していたような「パリ」らしくて入り込んでしまう。 中でも圧巻なのは、料理についての描写。シヴェルヴェーズがまだ、洗濯屋の女主人であったとき、自分の誕生日に十四人もの人を招待して盛大誕生日会を開くのだが、その時の料理が ・太った鵞鳥の焼肉 ・ポトフー ・マカロニ入りポタージュ ・ゆで肉のこま切れ ・子牛のブランケット ・ジャガイモを添えた豚肉のエピネ ・脂肉の入ったグリーンピース ・サラダ ・飲んでも飲んでも無くならないぶどう酒 ・サヴォワ・ケーキ など、何日も前から準備するのだ。 「洗濯物」の仕上がりが遅いとクレームが出るほど、仕事をほったらかしにして。そして、シヴェルヴェーズのことを嫌いな人も招待して、勝ち誇った気分を味わい、敵も金色の脂の滴る鵞鳥をガッツガッツとほおばる。借金してまで食材を用意する食欲と皆んなに振る舞うシヴェルヴェーズの心意気そのものが「美味しい」! また、ランチエがクーポーにたかり、高級レストランを食べ歩くシーンがあるのだが、そこに出てくる店が ・蒙古風のホルモン焼の店 ・上手い牡蠣を食わせる店 ・兎のバター焼きの店 ・牛の頭が特別料理の店 ・バター焼きの腎臓が名物の店 など、フランス人の食道楽ぶりが分かる。 他にも印象的な食の描写がある。クーポー夫婦の結婚式とクーポー婆さんのお葬式では借金してでもレストランでの食事会をした。ランチエがヴィルジニーにさせていた菓子店ではランチエは店番をしながらしょっちゅうボンボンやチョコレートを頬張っていた。シヴェルヴェーズがお金も仕事も無くなって落ちぶれた時、お腹が減って死ぬに死ねなかったのも印象的だった。 異性に対する情欲も食欲も旺盛。まさにこれがフランス人だったのか、生きることに正直なのがフランス人なのかと思った。 シヴェルヴェーズの家出した娘ナナのその後を書いた小説、「ナナ」も読みたい。

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2024/08/13

『居酒屋』は私がゾラにはまるきっかけとなった作品でした。 この作品は発表当初から圧倒的な反響を呼び、賛否両論飛び交う凄まじい状況になりました。パリの場末の悲惨な生活をここまでリアルに描いた作家はこれまでいませんでした。 ゾラの『居酒屋』はフランス文学界にセンセーションを起こし、こ...

『居酒屋』は私がゾラにはまるきっかけとなった作品でした。 この作品は発表当初から圧倒的な反響を呼び、賛否両論飛び交う凄まじい状況になりました。パリの場末の悲惨な生活をここまでリアルに描いた作家はこれまでいませんでした。 ゾラの『居酒屋』はフランス文学界にセンセーションを起こし、この作品がきっかけでゾラは作家として確固たる地位を確立するのでありました。 ゾラ入門におすすめの作品です!

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2024/06/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ここまで後味の悪い小説は初めてだ。 序盤・中盤は、当時のパリの風俗や、庶民の生活が描かれていて、良かったのだが、終盤の凄惨な展開が、最初から作者の頭にあったとしたら、恐ろしい… 普通、ストーリーや登場人物に、作家は愛着を持つものだと思うのだが、そういうのは一切感じられない、救いのない結末。 登場人物が軽佻浮薄な人ばかりなのもつらい。 少しは読まされる読者(おれ)の気持ちも考えてくれよ… 2度と読みたくないです。 間違っても、人には勧められません。

Posted byブクログ

2024/05/15

貧しくとも小さな幸せを夢みる真面目なジェルヴェーズ。どん底から一度は幸せをつかんだように見えたが、周りのならず者たちと、自分の見栄と怠惰のために、何もかも失って人生を終える。 パリ貧民街の臭いまでしてくるような描写。現代でも一歩踏み外せば同じような転落が待っている。

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2023/09/24

全ての元凶はクーポー。最初は実直な男であったが、酒飲みになり、最低最悪のクズ男になってしまう。実直が売りな男が堕落したらお仕舞いだ。よほどのイケメンだったり、愛妻家でない限りは酒飲みの旦那を愛し続けてくれる妻などなかなかいないものだ。 ストレスの蓄積、夫の堕落のせいでジェルベー...

全ての元凶はクーポー。最初は実直な男であったが、酒飲みになり、最低最悪のクズ男になってしまう。実直が売りな男が堕落したらお仕舞いだ。よほどのイケメンだったり、愛妻家でない限りは酒飲みの旦那を愛し続けてくれる妻などなかなかいないものだ。 ストレスの蓄積、夫の堕落のせいでジェルベーズも酒に溺れるようになってからはもう地獄。夫婦がお互いを殴り合い、憎み、娘のナナにまで手がでてしまうのは最悪だろう。 19世紀のブルジョワジー社会のありのままを表現したため、ファンタジー要素もなければ、胸をときめかせる恋愛要素もない。それでも魅了される要素があるのだとすれば、我々一般人も一歩間違えれば彼女たちのような人生を歩みかねないというリアリティである。

Posted byブクログ

2023/03/24

恐ろしいのは、堕落の決定的なきっかけがよく分からないこと 回避できるポイントはいっぱいあったような気はするが、気がついたらこうなってた 卑近な例だと、あと一口、今日は特別、を繰り返してたら太ってた、的なやつだな

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2022/07/16

19世紀後半におけるパリの労働者階級を描いた社会小説。作者ゾラはフローベール(『ボヴァリー夫人』)の弟子の一人。 社会小説などと言ってしまうと小難しく感じてしまうが、要は社会の底辺にいる貧乏人たちをリアルに描いた生々しい話。舞台は1850〜1869年のパリ。おそらく同時代に生き...

19世紀後半におけるパリの労働者階級を描いた社会小説。作者ゾラはフローベール(『ボヴァリー夫人』)の弟子の一人。 社会小説などと言ってしまうと小難しく感じてしまうが、要は社会の底辺にいる貧乏人たちをリアルに描いた生々しい話。舞台は1850〜1869年のパリ。おそらく同時代に生きた作家でなければ書けないような、日々の生活における精緻な描写が特徴。文庫本で700ページ以上の大作のなかにそこまでドラマチックな展開があるわけでもなく、主人公夫婦が少しずつ堕落していく過程をだらだらと読まされることになる。年下の青年とのプラトニックな関係や、虐待に苦しむ少女への憐憫などで、幾度か感情が揺れるシーンはあるけれど。しかし何故か読み続けてしまう不思議。他人の生活を覗き見するような、どうでもいいことでも見てしまいたくなるような、妙な魅力があるのだ。 当時においても現代においても貧困の極地は社会問題ともいえるが、この主人公夫婦に関しては、自業自得では?もう少しなんとかならなかったのか?と思いつつ読み終えた。まぁ確かにほんのわずか、何かのタガをかけ違えば誰にでも、生活が堕落していく可能性はあるかもしれない。実際にこういう人たちはたくさんいただろうし、今も存在するだろう。時代、環境、遺伝、様々な要素に翻弄される人間の本質というものに思索をめぐらせた。行き着くところまで行ってしまったどん底の人間を描き切ったという点でも本作の価値は大きいと思う。 続編で主人公となるナナのあばずれっぷりと、児童虐待を受けつつ健気に働くラリーの聖女っぷりの対比は印象的。

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2021/12/30

なかなかにどん底である。 このどん底の世界にも食物連鎖があって、頂点にひもがいて、使われてしまう女性がいて、その女性に貢ぐ男性がいるという、まぁ型にはまっているっちゃぁ、そうなんだけども。にしても実にしつこいというか、ネチネチとあらゆるどうしようもないシーンを細かく描写するもんだ...

なかなかにどん底である。 このどん底の世界にも食物連鎖があって、頂点にひもがいて、使われてしまう女性がいて、その女性に貢ぐ男性がいるという、まぁ型にはまっているっちゃぁ、そうなんだけども。にしても実にしつこいというか、ネチネチとあらゆるどうしようもないシーンを細かく描写するもんだから、いい加減にしろと言いたくもなるし、しかし名作と呼ばれるわけだし、まぁ面白、、くはやっぱりない。けどもこの文量を読み切ったという到達感というか、頑張ったよママ、と言っていいでしょう。 ともあれ鍛冶屋、あんたが優勝だと言いたい。

Posted byブクログ