大地(4) の商品レビュー
王龍の孫であり王虎の子の王淵がアメリカ留学に行き、その後中国に帰国してからの物語が展開される。アメリカに行くことで目覚める自国へのプライドと自国の実態との乖離に帰国後絶望する心境など、青年への成長、留学での学びを通した王淵の内面の変化が丁寧に描かれている。 同じ景色でも自分が...
王龍の孫であり王虎の子の王淵がアメリカ留学に行き、その後中国に帰国してからの物語が展開される。アメリカに行くことで目覚める自国へのプライドと自国の実態との乖離に帰国後絶望する心境など、青年への成長、留学での学びを通した王淵の内面の変化が丁寧に描かれている。 同じ景色でも自分が変わったことで違く見えてしまい、どこで何をしても何か遠いことのように思え苦悩する王淵。また留学での農業研究での成果は結局実らないなど、順風満帆とは行かない本編だったが、最後の最後は静かなハッピーエンド。読めないとは分かっているがその後の王淵はどうなるのかな?と続編が読みたくなる一冊! 激動の時代に悩み、それでも生き抜いた人々に敬意を持って結びとしますm(_ _)m
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面白かったけど、、 なんだろう、個人的にはこの超大作のなかに込められた作者の哲学を受け取れず拍子抜けしてしまったかも。 トルストイの戦争と平和を読んだ後だからかな?登場人物の心情や行動に整合性はあるものの、いつまでたっても成長しない感じが読んでて人間に絶望を感じる世界観だった。 ...
面白かったけど、、 なんだろう、個人的にはこの超大作のなかに込められた作者の哲学を受け取れず拍子抜けしてしまったかも。 トルストイの戦争と平和を読んだ後だからかな?登場人物の心情や行動に整合性はあるものの、いつまでたっても成長しない感じが読んでて人間に絶望を感じる世界観だった。 とはいえ中国の大地をしかと感じることができたし、人の一生は長く、歴史はどんどんと変化することも感じたし、考えさせられる作品ではあった。 エンディングはもう少し何かあれば良かったのになー!とも思うけど、ここまできたら何をしても終えられなかったよねとも思う。
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長く続いた物語の最終巻。完全に新時代の人間、王龍の孫・淵の物語。親である王虎の気質も継いでか、女性に対して一定の距離を置いている感じがなんとなく、もどかしかった。 さっきまで好きだったことを憎んだり、かと思えばクールダウンして許せるようになったり、そういう矛盾を抱えている感じはとてもリアルだなと思いました。人の感情はゼロとヒャクを内包している…つくづく人間は矛盾を内包した生き物だなと思いました。 王虎の死まで見届けると思いきや、その直前で終わるという。でも最期のシーンは、新時代の男女の希望を感じて、読後感はとてもよかった。 また、この長編を読み切ったことで、読書熱が高まったというか、このサイトでログを残そうと思ったのも、『大地』を4巻読み切った、自分も長編古典文学をちゃんと読めたんだ、という自信がそうさせたのだと思います。とてもいい体験でした。
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解説に曰く、猛がはじめ身を投じたのは国民党で、それに失望して共産党に鞍替えしたらしい。『The Good Earth』につづく二部目『Sons』の発表が1932年で、三部目『A House Devided』の発表が1935年らしいが、その時ですでに国民党や共産党などを認識していたのは脱帽もの。 淵も美齢も、その共産党が奠都した先で、自らの人生を切り拓いていこうという夢を本巻後半で語っているが、その後の共産党もまた歴史の繰り返しに過ぎなかったという歴史の皮肉。作中で猛の"崇高な"理想をきかされた淵自身が、そんなことは今まで主君が易るたびにきかされてきたことだと皮肉っていたのに、幕引きの直前に、美齢の抱負をきかされて変心しているあたり、やはり淵は信用できない。笑 思えば、三巻、四巻と、いづれも主に淵を中心として物語が展開されてきたが、淵の考えに筋らしい筋もついぞ見出せぬまま、幕引けと相なってしまった。個人的には美齢と最後に結ばれたオチが非常に残念。心変わりが劇しく、自己中心的で、世間知らずで、信念もない上に、好きな女一人碌に大事にできず、好きだ好きだの一点張り攻勢で女を口説けると思っている頭の弱い中二病。美齢ともあろう賢女がなにゆえここにきて眼が利かぬ。作者の新時代に対する期待感を無理やりに押しつけられたとしか思えない。 そうとはいえ、人間に対する観察眼や、情勢を悟る肌感、そして中国への理解はやはりいづれもピカイチ。 p.173 ……紅梅は春、白百合は夏、黄菊は秋、雪の下に赤い実をつけている万年青(おもと)は冬を代表していた。 【疑問】日本では万年青は秋の季語になっているらしいが、中国では冬なのか。しかも『大辞林』には常緑多年草と説明がある。
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王虎の息子淵の半生が語られる。 死刑を免れ窮地を脱して留学した外国(米国)での六年間は彼にとっては先進文明を体感し、「大学の講義を受け、図書館に行って書籍に埋まって読み・書き抜き・思索に耽る」ことのできた素晴らしい時間であった。従兄弟たちは新しい時代を満喫し恋愛やダンスに興じるな...
王虎の息子淵の半生が語られる。 死刑を免れ窮地を脱して留学した外国(米国)での六年間は彼にとっては先進文明を体感し、「大学の講義を受け、図書館に行って書籍に埋まって読み・書き抜き・思索に耽る」ことのできた素晴らしい時間であった。従兄弟たちは新しい時代を満喫し恋愛やダンスに興じるなか、淵は学問に没頭し尊敬する老教授一家に迎えられ、娘のメアリーと意気投合するが一線は守る。 故郷に帰り、久しぶりに見た父王虎は無残に老いさらばえていた、又淵のために王ニから巨額の借財を重ねたことも知らされ返済を約す。母が引き取って育てた孤児の美齢を見初め恋に落ちる。従兄弟猛の手引きで革命政府の大学教授になり学生の教育に勤む。故郷の家で美齢とともに父の往生を看取る。新しい時代の到来で混沌のなか昔からの慣習や思潮との狭間を美齢と一緒に切り拓いていくことを決意する。この大河小説の幕引きである。 中国大陸で水呑百姓から大地主になり、子孫がその財産をもとに商人・高利貸しや軍人に、そしてその子が大地を耕す農業の研究者・教師になるという王家一族の三代にわたる顛末である。 当たり前のことであるが、勤勉や努力そして他への誠実と愛という人にとって必須の普遍的な価値が社会や時代の激動に打ち勝つということを言いたかったのであろう。イデオロギーより人道の話であり、中国大陸に生涯を尽くした「戦う宣教師」の父、その娘パール・バックの渾身の大作である。ノーベル賞も宜なるかなだ。 ともに働き抜いた妻の阿蘭から三番目の妻となる梨花、そして淵と結婚する美麗への世代を超えた連なりがこの小説を貫く芯棒となり、人間の未来への希望を感じさせる。
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いつか読みたいと20年思い続けていた宿題を、ようやく読むことができた。知らなければ、白人が書いた作品だとは到底思えない。激動の時代におけるミクロな生活の描写力や東洋的価値観への理解度もさることながら、それらに対する潜在的な人種的優越感がまったく感じられないことに感動した。中国育ち...
いつか読みたいと20年思い続けていた宿題を、ようやく読むことができた。知らなければ、白人が書いた作品だとは到底思えない。激動の時代におけるミクロな生活の描写力や東洋的価値観への理解度もさることながら、それらに対する潜在的な人種的優越感がまったく感じられないことに感動した。中国育ちとはいえ、時代的にも、なかなかできることではないと思う。土に振り下ろされる鍬の音が聞こえてくるような、骨太な大河小説。堪能した。
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第一部「大地」は祖父ワン・ロン(王龍)が小農から逞しく賢く、大地主にはい上がっていく物語。広大な中国の大陸的ともいえる強い生命力を感じ取るところが、『大地』の主題として印象に残っていたわたしは、第二部第三部はすっかり忘れてしまっていたのが再読時。 記憶漏れの 第二部「息子たち」...
第一部「大地」は祖父ワン・ロン(王龍)が小農から逞しく賢く、大地主にはい上がっていく物語。広大な中国の大陸的ともいえる強い生命力を感じ取るところが、『大地』の主題として印象に残っていたわたしは、第二部第三部はすっかり忘れてしまっていたのが再読時。 記憶漏れの 第二部「息子たち」では裕福な大地主になった王龍の3人の息子それぞれの生き方、特に軍人になってある地方を侵略統治する三男ワン・フーの個性的な頑固さを中心に描かれる。 第三部「分裂せる家」は孫の世代、ワン・フーの息子ユアン(王淵)が主人公。父親に溺愛されるのだが、子供時代はおとなしくいじけたように成長する。優柔不断ながら、祖父の土に対する愛着を持つ。ひょんな(女性がらみ)ことから国家罪として死刑になりそうになるが、一族からかき集めた賄賂で逃れ、アメリカに6年留学する。農業を学ぶ留学中、そこでもメアリーという恩師の娘との恋愛にも煮え切らない。帰国後も自国の発展途上のあり様(1920~30年ころ)を見て、相変わらず悩み通しのユアンだが、あれよあれよという間にメイリン(美齢)という自国の女性とハッピーエンド、まるでハリウッド映画みたいな終わり方であった。 さて、三代にわたる中国男性たちの物語だが、あなどれないのは登場する女性たち。 「大地」のワンロンの最初の妻アーラン(阿蘭)の超寡黙で働き者、彼女の功がなければ小農家から脱出できなかったね。でも、大地主となりて第二夫人、第三と手前勝手なワンロンなのであった。しかし、晩年は献身的な第三夫人、リホア(梨花)と土を愛する質素な生活を送るしあわせさ、それも誠実な神様みたいなリホアあってこそ。「息子たち」ワンフー(王虎)の第一夫人もしかり。第二夫人の息子ユアン(王淵)を我が子のようにやさしく包む頼もしさ。彼の恋人メイリン(美齢)もアメリカ時代のメアリーも、頭の良い素晴らしい女性に描かれている。 アメリカ人のパール・バックが両親ともども長きにわたって、中国大陸に住み暮らし、深い理解をしたからこそ中国女性の(東洋の)我慢強い誠実さを描きとったのだ。
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読んだ!読み終わった。 忙しい合間に読み続けました。連続ドラマがとうとう終わったような感覚ですが、それより深い感じがします。 読む心地よさ、自分の中に登場人物が入り込んでくる感じは読書にしか味わえない感覚に、改めて浸っています。 王龍の結婚から始まり、息子の時代、孫の時代と...
読んだ!読み終わった。 忙しい合間に読み続けました。連続ドラマがとうとう終わったような感覚ですが、それより深い感じがします。 読む心地よさ、自分の中に登場人物が入り込んでくる感じは読書にしか味わえない感覚に、改めて浸っています。 王龍の結婚から始まり、息子の時代、孫の時代と話は展開していきますが、それぞれの登場人物に一喜一憂しながらいろんなことを考えさせられました。 長編はやっぱりいいです。 次は何を読もうかな。
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淵(ゆぁん)のブレブレで 自分本意なところが ムリ。 反面教師で 淵のようにならないよう自分も気をつけよう。 王虎(わんふー)には 同情してしまい憎めない。 とりあえず最後まで読み上げたのでよかった。
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