白鯨(下) の商品レビュー
実は私は映画の方を先…
実は私は映画の方を先に観てしまった類の者なんですけどね(笑。これほどの長編になると下地があったほうが入り込みやすいのかも知れません。映画に見られなかったシーンを探すためにも、これを機会に原作を一読してみて下さい。
文庫OFF
世界文学の中でも「難読」で知られる一冊だと思う。難読という評価には主に二つの理由があり、 ・純粋にページ数が莫大 ・ストーリーを追うタイプの小説とは異なる 特に後者の影響が大きかろう。そもそもストーリーだけに絞って書かれたとすれば上下巻になる必要もなく、児童絵本のページ数があ...
世界文学の中でも「難読」で知られる一冊だと思う。難読という評価には主に二つの理由があり、 ・純粋にページ数が莫大 ・ストーリーを追うタイプの小説とは異なる 特に後者の影響が大きかろう。そもそもストーリーだけに絞って書かれたとすれば上下巻になる必要もなく、児童絵本のページ数があれば十分。 では何が書き加えられるかと云えば、鯨に関する生物学的考察、古典文書からの引用、近代芸術における鯨、考古学における鯨、宗教史における鯨、等々である。これら記述の ”熱量” の異常さ、こだわりの "執拗さ" を感知せずに読み終えた読者はいないと思われる。 読んでいてもっとも中てられたのはこの点で、読む時間経過とともに「違和感」→「忌避感」→「畏怖の念」→「畏敬の念」という移り変わり具合。何やら面倒なことに巻き込まれたような地点から始まって、最後はもう好きなだけやってくれという感想に至る。 そもそもの小説の構成として(新潮文庫のページ数でいえば)全884ページであるこの小説、肝心の白鯨との対決の場面は836ページ目のことである。その上、前述のとおり836ページの大半は、鯨に対する学術的考察がコラージュ状に、異様な執着心で書き連ねられているのであるから、そうしてやろうと発想した作者のねらいが異様だ。 アメリカで発表当時なんら話題にならず、作者の死後に再評価をされたという歴史が語るように、ある評価軸からすれば本作は不器用な(ぶざまな?)作品。世界文学の古典として、ここまで「いびつ」な作品は他に思い当たるものもない。
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文章全体が、悪く言えば「遠回しで難しい比喩表現」、良く言えば「知に富んだ詩的表現」の洪水。この読みにくさが魅力。多分。私は好き。 しかし、いかに自分が知識不足かを思い知らされる内容だった。 白鯨を100%楽しむためにはある程度の宗教学(特にキリスト教・拝火教)、鯨類学、帆船の知識...
文章全体が、悪く言えば「遠回しで難しい比喩表現」、良く言えば「知に富んだ詩的表現」の洪水。この読みにくさが魅力。多分。私は好き。 しかし、いかに自分が知識不足かを思い知らされる内容だった。 白鯨を100%楽しむためにはある程度の宗教学(特にキリスト教・拝火教)、鯨類学、帆船の知識…等が必要なのかな。今後の読書のためにも勉強しようと思う。 散々結末についてネタバレされていても(古典なので仕方ない)、読み通して迎える転がり落ちるようなラストは胸を打つ。百聞は一見にしかず。
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一言で言うと、長かった。とにかく鯨に関するあれやこれやの知識を詰めまくった長大すぎる小説なので、多くの人が挫折するのも致し方なし、といった感じ。 鯨の生態、性質、解剖学を微に入り細に入り書き連ねるほか 旧約聖書やら、ヨブ記からの知識まで入れてくるので、本筋(ストーリー)が遅々とし...
一言で言うと、長かった。とにかく鯨に関するあれやこれやの知識を詰めまくった長大すぎる小説なので、多くの人が挫折するのも致し方なし、といった感じ。 鯨の生態、性質、解剖学を微に入り細に入り書き連ねるほか 旧約聖書やら、ヨブ記からの知識まで入れてくるので、本筋(ストーリー)が遅々として進まない。娯楽として小説を好むひとにはかなり退屈なのではないか? しかしこの小説の醍醐味は、その『鯨知識の深さ』にある。ただのストーリーだけを逐う小説だったら、おそらく後世ここまで評価されなかったろう。 鯨に関する知識教養はさることながら、作者の実地体験からくる記述もかなりおもしろかった。例えば、別の船の船乗り同士が打ち解けて交歓をかわす『ガム』という宴会?。粗野なヤロウどもが、お酒を飲んで騒ぐ場面は、とてもワクワクした。 船乗りあるあるみたいなネタも面白い。マレー人の海賊?とっ遭遇したり、大王イカを発見したり、何度かマッコウクジラを仕留めたりもした。仕留めた後の処置(どのように鯨油を搾取するのか等)もかなり詳細に描かれている。ちょっと残酷、というかグロ、というか 昔の鯨捕りは大変だったんだね。単純に、勉強になった 物語根底には、常に気怠い陰鬱なムードが漂っており、海が人をゆっくりと狂わせる様は、その後の凄惨な結末へとつながってゆく。真綿で首を絞められるような感覚だ。 ネタバレになるのでここでは書かないが、主人公イシュメールの体験した『白鯨との戦い』。 終盤の、息を呑む怒涛の展開は読む人をあっといわせ、手に汗を握らせ、その結末にだれもが放心してしまうのではないだろうか。 中盤が冗長だからといって、心折れて本を閉じてしまうなかれ。 読後はなんとも言えない複雑な心境になること請け合いである、 たにみに、だけど、某コーヒーチェーン店の名前は、 一等航海士のスターバック君からとってるんですね へえ~!!って思ったw なお、物語に登場するスターバック君は、作中一口もコーヒーを飲まない。
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☆☆☆2019年10月☆☆☆ 長い長い物語を終えた。 途中から何が何だかわからなかった。 鯨から油を搾り取るために、なんと苦しい旅に出ることか!まったく気が知れない。 一等航海士のスターバックは、エイハブの個人的恨みを晴らすために白鯨を追う事には反対だった。だからこそその死は悼...
☆☆☆2019年10月☆☆☆ 長い長い物語を終えた。 途中から何が何だかわからなかった。 鯨から油を搾り取るために、なんと苦しい旅に出ることか!まったく気が知れない。 一等航海士のスターバックは、エイハブの個人的恨みを晴らすために白鯨を追う事には反対だった。だからこそその死は悼ましい。
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幾重にも重なる捕鯨の記述。重厚な叙情。好奇心と勢いに満ちた上巻に対して破滅の予感と悲壮な下巻。やっと鯨を取る描写が出てくる。当時はこういう取り方をしてたのね。 その知識の厚みと説明は素晴らしいんだけど、やはりモッタリする。登場人物の生き生きとした会話ややり取りがないと。クィークェ...
幾重にも重なる捕鯨の記述。重厚な叙情。好奇心と勢いに満ちた上巻に対して破滅の予感と悲壮な下巻。やっと鯨を取る描写が出てくる。当時はこういう取り方をしてたのね。 その知識の厚みと説明は素晴らしいんだけど、やはりモッタリする。登場人物の生き生きとした会話ややり取りがないと。クィークェグも冒頭では魅力的に書かれていたのに、全く出てこなくて心の内も分からなくなってしまった。しかも索やなどは図解がないと詳細に説明されてもよく分からない。イメージを広げるのには役立ちましたが。 最後の最後まで読まないと白鯨は出てこなかった。 破滅に向かって進む船。あらゆる凶兆に逆らう狂気の船長。スタブが頻繁に出てきて、あの調子が印象に残った。
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大部分がクジラと捕鯨船に関するうんちく。読むのにかなりの時間がかかった。これを名著と呼べるのか、個人的には疑問。 最後は悲劇的な結末だが、あっさりしている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あああ、やっと読み終わった。 下巻も長編なので、何冊か併読しながら読み終わりましたー。 下巻の前半は、またまた鯨サイエンスの解説で、後半からやっと話の展開が早くなって面白くなった。 エイハブはほんとMoby Dickに取り憑かれてたねー。 まぁ、ああまでクレイジーになって海で最期を遂げたのは、彼に相応しい終わり方だったと思う。 その当時の生活に欠かせない鯨油をとるために、何人もの人が犠牲になって、最悪の場合はこうやって船ごと沈んでいく。命がけだったのね。 でも、やっぱり捕鯨は可哀想だよなぁ。 その後、捕鯨が禁止になって良かったです。
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寄り道しながらやっとたどりついたモビーディック。今まで人間にやられた仲間の復讐かというほど敵対心むき出し。上下巻に及んだ長い旅はあっさり終了してしまった。
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