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闇の左手 の商品レビュー

3.9

126件のお客様レビュー

  1. 5つ

    37

  2. 4つ

    38

  3. 3つ

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両性具有の人々が住む…

両性具有の人々が住む、極寒の惑星。そこに訪れた黒人の使節と、現地人の静かで好ましい交わりを描く重厚な作品。

文庫OFF

2026/04/03

両性具有の人たちが住む惑星に、やってきた使節ゲンリー・アイと、彼を助ける王国の政治家エストラーベンの話。 話の内容よりも、両性具有のため、ジェンダー的に差別がないという点がおもしろかった。 単語が難しく内容が最初はいってこなかったが、慣れたのでなんとか読み終えることができた。

Posted byブクログ

2026/04/13

学生の時何度チャレンジしても冒頭から読み進められなかったけど今なら読めるのでは?と手に取ってみた。 結果読めたので良かった。 でもこれは社会に出てある程度揉まれた経験がないとかなり難しいテーマの本だと思った。学生の時分で読んでも身に迫らないことがよく分かった。 舞台は惑星&q...

学生の時何度チャレンジしても冒頭から読み進められなかったけど今なら読めるのでは?と手に取ってみた。 結果読めたので良かった。 でもこれは社会に出てある程度揉まれた経験がないとかなり難しいテーマの本だと思った。学生の時分で読んでも身に迫らないことがよく分かった。 舞台は惑星"冬"、ここでははるか昔に入植した人類が独自の進化を遂げて両性具有社会を形成している。ところが、極寒の惑星なため牧歌的でなく領土争いなどの政治的な側面が多いせいか、作品上で主人公で星間連盟大使のゲンリーの目を通して出てくる冬の人々は翻訳も「彼」となることが多いため、男性に見える。そのためずっと小太りのおじさんたちが出てくるイメージ映像しか浮かばない…のが辛いところ。 読了後の感想は、とにかくエストラーベンがひたすらに誠実で心打たれる。主人公ゲンリーとの絆も、結局二人が男女ではないため、厳しい逃避行を経ていくうえで育んだ友情、敬愛ととれる。 文中に「惑星"冬"ではそうした(男性らしさ、女性らしさの)評価は存在しない。ひとは人間としてのみ顧慮され、判断される。これはぞっとさせられる経験である」とゲンリーが述懐しているが、この辺がおそらく発表当時センセーショナルだったのかなあ。ちょうど今になってやっと時代が追いついてきた感がある。 そして、ゾッとさせられる、というのがミソで、人間は所属しているジェンダー(若い女性であるとかある程度の地位にいる壮年の男性とか)で、本人の希望するしないに関わらずに周囲からの扱われ方が決まって来るが、それが当人にとってメリットなうちは問題ないが、ジェンダーを排除して持っている人間性でのみ判断されるようになった場合に周囲からの評価や扱われ方のハードルが恐ろしく高くなる、ということですよね。そんなに誰からも好かれたり、そこにいるだけで評価が高くなるような人間はいない、と。 そしてそれ故に登場人物エストラーベンの持つ、ジェンダーによる偏見にとらわれない、人間としての誠実さが、彼の話す言葉と、彼の起こす行動が同じであることの一貫性が、際立つのだと思う。 オルゴレインが共産主義国っぽいのはこの時代のディストピアSFを読むと大体資本主義(民主主義)と共産主義が対立しているので冷戦時代だった時代性かな。 実は同じ作者のゲド戦記も読めなかったのだが、そちらも、今作もエンタメ的な起伏に乏しく、哲学的、思索的な構成、そしてル・グウィンの両親が文化人類学的な学者だったとのことで、その影響か、異文化の世界をロマン寄りというより現実的な方面でまるごと構築するためになかなか身近に感じられず入っていけない、というデメリットのせいかなと今回思った。 異世界を丸ごと構築する小説はハマれば十二国記のように面白いけど、ハマれなければただただ造語や地球との文化の違いに読む側が苦戦するとなりがちなので難しい。

Posted byブクログ

2026/02/10

「西の良い魔女」との呼び名もあるSFの女王アーシュラ・K・ル・グィンの『闇の左手』です ル・グィンはSF界で双璧をなす文学賞ヒューゴー賞を5度、ネビュラ賞を6度受賞というまさに女王なんです そしてあのファンタジーの傑作『ゲド戦記』もル・グィンの作でもあるんです とにかくすごい人!...

「西の良い魔女」との呼び名もあるSFの女王アーシュラ・K・ル・グィンの『闇の左手』です ル・グィンはSF界で双璧をなす文学賞ヒューゴー賞を5度、ネビュラ賞を6度受賞というまさに女王なんです そしてあのファンタジーの傑作『ゲド戦記』もル・グィンの作でもあるんです とにかくすごい人! 本書『闇の左手』もヒューゴー賞とネビュラ賞をW受賞している傑作です もうね SFやわ〜って感じですな ル・グィンの思考実験の場にお邪魔させてもらったみたいな感じなんよね 色々あるんだが、まず究極の男女平等社会を異星の中で描いてるんよね それは「両性具有」 性差がないので全員平等w そしてこの世界は戦争がないのよ 男と女があるから戦争があるってことなの?ル・グィンさん! でもなんかちょっと納得 でその星に他の星から友好関係を結ぶために使節(ほぼ我々地球人で男性)が降り立ってしばらくたったところから始まるんだが、この文化の違いが誤解を産んで…みたいな あー、あるね 現実世界でもあるわ といった風に極端な世界を構築することで、現実世界にある様々問題を見えやすくして、どうすりゃいいんだろう?を考える これぞSFなのよ 両性具有の星の物語を読んで「性差」って何?そこを乗り越えるには何が必要?を考える まずは相互理解だよね〜 なかなか難しいけど 奥さんの考えてることぜんぜん分からんちんだもんw(笑ってる場合か!)

Posted byブクログ

2026/02/05

前半は惑星ゲセンの中にあるカルハイド王国、並びにオルゴレインの気候や社会構造や街並み、そして両性具有であるゲセン人の独自文化や感覚、価値観等がたっぷり語られる。その世界観は独特で作り込みがされていて、造語も多いためかなりファンタジー寄りな印象を受けるが理論だっていて納得感と共に理...

前半は惑星ゲセンの中にあるカルハイド王国、並びにオルゴレインの気候や社会構造や街並み、そして両性具有であるゲセン人の独自文化や感覚、価値観等がたっぷり語られる。その世界観は独特で作り込みがされていて、造語も多いためかなりファンタジー寄りな印象を受けるが理論だっていて納得感と共に理解できた。 また、後半はエクーメンの使節である主人公のゲンリー・アイとカルハイド王国元摂政であり国内政治により追放の身となったエストラーベンの過酷な逃避行が描かれる。 同じ人類であれど、異種である2人の友情並びに愛がじっくりじわじわと育まれていくのは歯がゆいと同時に面白く、この2人の幸せを祈らずにはいられなかった。 ファンタジー寄りな印象で本の構造で神話や寓話の挿し込みもちょくちょくあり、若干読みにくかった部分はありましたが、良かったです。 特に後半の、エストラーベンの日記と主人公目線の話が交互に来て、ゲセン人との違いが明確に描かれるのが面白いのと、またシフグレソルという独自概念だったり、一から社会や文化を創造しているのがこの本の特徴であり、特に面白い部分だと思いました。

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2026/01/29
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※このレビューにはネタバレを含みます

すごく良かった… はるか未来の話、打ち捨てられた植民星にいる人々は両性具有なのだけど、それがかつての生物実験の果てだったりして、とてもSF。 世界の説明や人々の風習や思考、交渉するアイの姿は、ガリバー旅行記みたいだなと思いながら読んだ。 後半のアイとエストラーベンの氷河の厳しい旅路を通してのお互いの理解を深めるところとか、異種族間の(向こうは両性具有だし)愛なのか、友情なのかをお互いが考えるところが、とても良かった。 世界観がきちっと説明されているにも関わらず、表現する言葉がなかったり、正しく理解することが無理そうなことを、感じる読書ができた。

Posted byブクログ

2025/12/13

まったく異なる価値観や文化の中で生きる異星人を描いた作品。 SNSでお勧めされていたので読んだが、何がそこまで推薦者の琴線に触れたのか掴めなかった。

Posted byブクログ

2025/12/07

極寒の土地+雌雄同体の異星人という大きな設定から精緻に世界観が作り込まれていて、社会科学的なSFだ。環境も身体構造も違う異星人との交流はとても難しいだろうなあ。主人公が使命や義理人情に苦悩しながら孤独に奮闘する姿が痛ましくも尊敬できる。

Posted byブクログ

2025/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なぜ一人きりでこの惑星へ送られてきたのか、と言う問いに対してゲンリーの言った台詞、「一人ではあなた方の世界を変えることはできない。しかしぼくはあなた方の世界によって変えられることができる。」が印象に残った。 あくまで同盟は各々に主体的に決めてもらうと言うスタンスだったはずのゲンリーが、エストラーベンの愛国心を超えた人類への忠誠心に突き動かされ、彼に報いるため、星船を呼ぶ。さらにその過程で同郷のはずの仲間よりも、ゲセン人に愛着を持つようになる。 文化も価値観も身体構造すら異なる相手と、理解しきれぬまま友情が芽生え、その地に愛着がわき、変わってしまう様子が面白かった。 帰属意識や性、性のない社会での愛とは?色々考えさせられる小説だった。 序盤は見慣れない固有名詞が多く、とっつきづらいが、慣れれば合間に挿入される神話や民話は面白いし、後半の過酷な旅パートも読む手が止まらなくなるほど物語に引き込まれた。長いこと積んでいたが、読み始めればあっという間に読んでしまった。 あとは細かいところではエストラーベンの朝が弱そうな描写が2回くらいあって面白かった。

Posted byブクログ

2025/10/08

両性具有の人類が出てくるSF小説、としか覚えていなかったこの作品を、30年以上ぶりに手に取った。大学のゼミで取り上げられた作品で、怠惰な学生だった私は日本語訳の文庫本を読んだのだった…。 宇宙に点在する星々を訪ねてくるエクーメンの使節の想い、その行動を可能にするエクーメンという...

両性具有の人類が出てくるSF小説、としか覚えていなかったこの作品を、30年以上ぶりに手に取った。大学のゼミで取り上げられた作品で、怠惰な学生だった私は日本語訳の文庫本を読んだのだった…。 宇宙に点在する星々を訪ねてくるエクーメンの使節の想い、その行動を可能にするエクーメンという組織の大きさと盤石さに、物語を読み進めるうちに圧倒される。 空を飛べるなどと考えたこともない国の住人が、異星人の使節に自らの命を賭して行動を共にするにはどれほどの頭脳と勇気が必要だろう? 作者は著名であるものの、2018年に亡くなっていたことを知らなかった。 長く読まれる作品にはそれだけの理由がある。

Posted byブクログ