リア王 の商品レビュー
因果応報と理不尽とが入り乱れるまごうことなき悲劇。 多層的な過失・悪意の連鎖がやがてカタストロフィに達する過程で、どこに共感しどこに憤懣を抱くか、恐らく人によって異なるのだろう。 同時代の常識で眺めたらどう感じるのだろうか。
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2017/03/08 シェイクスピア 福田恆存訳『リア王』新潮文庫 読了。甘言を弄した長女次女に領地を与え、実直な末娘の物言いに激怒した老王が破滅していく悲劇。身に纏うものを失うことで見えてくることがあるだろう。家臣が親子問題で不幸に陥る副筋が類似的に展開されるので、主題の見通し...
2017/03/08 シェイクスピア 福田恆存訳『リア王』新潮文庫 読了。甘言を弄した長女次女に領地を与え、実直な末娘の物言いに激怒した老王が破滅していく悲劇。身に纏うものを失うことで見えてくることがあるだろう。家臣が親子問題で不幸に陥る副筋が類似的に展開されるので、主題の見通しを効果的に導いてくれる。
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年老いた王リアは、退位にあたり、三人の娘のうち上の姉妹二人に、その甘言を見抜けず、権力・財産を全て譲ってしまう。そのうえ、王を心から慕う末娘コーディーリアを無一文で他国へ嫁がせ、また、腹心ケントの忠告にも耳を貸さず追放する。まさに裸になった王は、邪悪な二人の娘とその取り巻きの策略...
年老いた王リアは、退位にあたり、三人の娘のうち上の姉妹二人に、その甘言を見抜けず、権力・財産を全て譲ってしまう。そのうえ、王を心から慕う末娘コーディーリアを無一文で他国へ嫁がせ、また、腹心ケントの忠告にも耳を貸さず追放する。まさに裸になった王は、邪悪な二人の娘とその取り巻きの策略により、何の力も持たない老人へ貶められる。そして、流浪の末、自分を愛してくれる娘コーディーリアを亡くし、失意の中で自分の命をも失うことになる
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リア王は悲劇の主人公だ。娘であるリーガン・ゴネリルからは信用されず、一番素直なコーディーリアを可愛がらなかった。だから側近も亡くなっていく。やはり人は信用しないと人からは信用されないと思う。人間不信、どん底を極めれば笑いに変えられる、等人としてどうすべきかが良くわかった。信用が第...
リア王は悲劇の主人公だ。娘であるリーガン・ゴネリルからは信用されず、一番素直なコーディーリアを可愛がらなかった。だから側近も亡くなっていく。やはり人は信用しないと人からは信用されないと思う。人間不信、どん底を極めれば笑いに変えられる、等人としてどうすべきかが良くわかった。信用が第一なのだと思う。
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古典を読もうと思ってシェイクスピア四大悲劇の2冊目に手を伸ばしました。(1冊目はハムレット) 感想として、一言で言うとあまり面白くは感じませんでした。 原因として老王リアの気狂いと壊れていく様子が痛ましく感じたことがあります。また、私にはリアの側に出てくる道化が言っていることが...
古典を読もうと思ってシェイクスピア四大悲劇の2冊目に手を伸ばしました。(1冊目はハムレット) 感想として、一言で言うとあまり面白くは感じませんでした。 原因として老王リアの気狂いと壊れていく様子が痛ましく感じたことがあります。また、私にはリアの側に出てくる道化が言っていることが全く理解できなく、走り読みしました。しかし、一見理解できないところにこそ、17世紀のシェイクスピアが伝えたかったことが凝縮されているのではと思います。
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老害の悲劇の後、予想外の展開 娘から 「力のない者は無いように振舞ってください」などと言われてしまっては 父のプライドはズタボロ ハムレットやマクベスより 人生に役立つ言葉が多くある
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最後の解説で、道化師が中世の職業であって高貴の人に毒舌を浴びせかけることを許されていたというのが、面白い。日本なら斬るだろうし、向こうでも「無礼者!」みたいになりそうなのに、ならなかったから不思議に思ってたがそうでしたかと思いました。
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シェイクスピアは高校で読んだ以来だが、前よりも楽しく読むことができた。 主要な登場人物の大半が死ぬという大変な悲劇であり、展開が目まぐるしく楽しく読み通すことができた。長さもちょうどよい。 いったい王の悲劇はどこにあったか、それはそもそも娘に領土を渡したことにあるのであろう。一時...
シェイクスピアは高校で読んだ以来だが、前よりも楽しく読むことができた。 主要な登場人物の大半が死ぬという大変な悲劇であり、展開が目まぐるしく楽しく読み通すことができた。長さもちょうどよい。 いったい王の悲劇はどこにあったか、それはそもそも娘に領土を渡したことにあるのであろう。一時の熱い感情が本質を隠し、それゆえにあらゆることを取り返しのつかないところへ追いやってしまうことになる。 後は悪党と善人の区別もしやすいのが良い。時々誰が誰だかわからなくなることがあったけど、何度か見返すとわかる程度なので、そんなに読みづらいこともなかった。 悪女が話題になるのはもうずっと昔からの定番なんですね。
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もうすぐ、観に行くお芝居があるということで読んでみた。 以前、ハムレットを読んだ時は随分皮肉が効いていてシェイクスピアさんっておもしろいなぁと思ったものの、ハムレットの凄さがわからなかったのだけれども、リア王は読んで、こりゃなんか凄いんじゃないかと感じたし、お話の流れがスッキリし...
もうすぐ、観に行くお芝居があるということで読んでみた。 以前、ハムレットを読んだ時は随分皮肉が効いていてシェイクスピアさんっておもしろいなぁと思ったものの、ハムレットの凄さがわからなかったのだけれども、リア王は読んで、こりゃなんか凄いんじゃないかと感じたし、お話の流れがスッキリしていてすんなり頭に入ってきた。 訳された福田恆存さんの解説もすごくて、人が、人間を信じられなくなって宇宙論にはまる理由なんかが説かれていて、とってもためになりました。 しばらく、シェイクスピアさんにはまりそうです。 Mahalo
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嵐の中をさまよう、狂気となったリア王の内面と自然界が一体となった悲劇の表現がすごい。 後期テンベストのあらしは、晴れたと思ったけれど。 連れ合いもなく、頼れる身内もない老後に踏み込むのはまさに荒野、未開の地へ踏み込む気持ちかもしれない。 親子の自然な絆を信じれはよかったのに、こと...
嵐の中をさまよう、狂気となったリア王の内面と自然界が一体となった悲劇の表現がすごい。 後期テンベストのあらしは、晴れたと思ったけれど。 連れ合いもなく、頼れる身内もない老後に踏み込むのはまさに荒野、未開の地へ踏み込む気持ちかもしれない。 親子の自然な絆を信じれはよかったのに、ことさら虚飾や打算の入り込む機会をつくってしまった愚かさ。
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