虐げられた人びと の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
不幸な面は多々あったけど、後味が悪いという感じではない。 タイトルからして嫌な終わり方で全部が終わってしまうのではと思ったが、そうじゃなかった。 お前さえいなければ、何人もが救われただろう。そんな奴が出てくる。 大人は頑固者だ。愛と憎しみは紙一重。 繰り返される悲劇を子供がとめる。 悪魔からも天使が生まれる。
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ラスト30ページほどで、息を飲む謎が明かされる。幾重にも巡らされた入れ子構造。悪人、善人の描き方。金への執着。ネリーが登場してから、俄然物語は進み始めたが、やはり肝だったのだな。舞台装置もドラマチックだった。
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【印象】 二重底、三角関係、四人目はいない。 クズ父子やぐちゃぐちゃな愛憎、人間の両面的分裂を楽しめる人へお薦めします。 【類別】 小説。 ロマンスの要素が多め。 【脚本構成】 主人公と同程度の鈍感を持つなら、物語展開の楽しみを味わいつくせるでしょう。 本作は小説家である主人...
【印象】 二重底、三角関係、四人目はいない。 クズ父子やぐちゃぐちゃな愛憎、人間の両面的分裂を楽しめる人へお薦めします。 【類別】 小説。 ロマンスの要素が多め。 【脚本構成】 主人公と同程度の鈍感を持つなら、物語展開の楽しみを味わいつくせるでしょう。 本作は小説家である主人公によって執筆された手記の形を成すため、作中作の色も帯びています。 【表現】 文体は平易であり、地の文は一人称視点。 頁221で「ぶたれたっていい!」を反復する表現に錯乱を感じます。
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日曜の午後、急にドストエフスキー読みたい!気分になって一気読み。今まで読んだ彼の作品のどれよりも読みやすかった。それに、主人公(語り手)を素直にかっこいい!と思ってしまった。今まで読んだ彼の作品は、どれも、「自分にもこういう弱い部分がある」と共感しつつ、親しみは持ちたくなかった。...
日曜の午後、急にドストエフスキー読みたい!気分になって一気読み。今まで読んだ彼の作品のどれよりも読みやすかった。それに、主人公(語り手)を素直にかっこいい!と思ってしまった。今まで読んだ彼の作品は、どれも、「自分にもこういう弱い部分がある」と共感しつつ、親しみは持ちたくなかった。(持てない、ではない。笑)けど、ワーニャ。彼は本当に素敵だったので、驚いてしまった。ナターシャと父の関係性には、舌を巻くリアリティがあった。家族って近すぎて全体像が見えない分、すごく難しい。どの人物も重厚で複雑なドラマを持っていて、読み返したらまた違う人の気持ちにフォーカスするだろうな。けど…なんといったらいいか。これだけ濃いドラマが書けるドストたんやっぱり偉大
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面白かったです。特に最後にナターシャが父親に許される場面がとても好き。ネリーのあまりにも救いのない悲惨な物語と、妻の怒りと、それまでの父と娘の苦しみ…これらから生まれた、必然的で無理のない、人間心理に即した許しだったと思います。 頑なさがなにを生むというのでしょう? 残酷さばかり...
面白かったです。特に最後にナターシャが父親に許される場面がとても好き。ネリーのあまりにも救いのない悲惨な物語と、妻の怒りと、それまでの父と娘の苦しみ…これらから生まれた、必然的で無理のない、人間心理に即した許しだったと思います。 頑なさがなにを生むというのでしょう? 残酷さばかりが蔓延るこの世界で、どうしてわざわざ人間同士が傷付け合わなければならないのでしょうか? 我々人間は皆それぞれに必ず苦しんでいるというのに。泥と血に塗れ、胸に剣を刺され、折れて思う通りに動かない脚で、それでもどうにか立っているのは、言葉と心を持つ仲間同士が互いに支え合っているからではないのか…。娘を呪い、許しを与えぬまま死なせてしまい、狂人のように街をさ迷い野垂れ死んだネリーの祖父は、どんな理由があろうと間違っていたとしか思いようがありません。許すこと、なんといってもこれが大事なのだと思います。 …なんだか大袈裟な書き方になってしまって、もしこの無意味に長いレビューを読んだ方がいたなら、馬鹿馬鹿しく思われそうですね。まあ、聞き流してください。いや、本当に、ドストエフスキーの作品は面白いですね。
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人間に対しての希望みたいなところと、限界みたいなところを描いた小説という印象で、構成が所々スムーズじゃない感じはしたけども、そういう細かいところを吹き飛ばすような迫力を今回もドストエフスキーからは感じたなぁ・・・!
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一気に読みました。星50ぐらいつけたいです。特に中盤ぐらいまでは。終盤ちょっと失速?と思いましたが、最高です。こんなの読んでたら気が狂いそう…。
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公爵の息子アリョーシャ、適当すぎ。ナターシャもワーニャも人良すぎ。ネリーの存在が強いインパクトありました。
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文庫: 686ページ 出版社: 新潮社; 改版 (2005/10) 内容紹介(amazon) 民主主義的理想を掲げたえず軽薄な言動をとっては弁明し、結果として残酷な事態を招来しながら、誰にも憎まれない青年アリョーシャと、傷つきやすい清純な娘ナターシャの悲恋を中心に、農奴解放を迎...
文庫: 686ページ 出版社: 新潮社; 改版 (2005/10) 内容紹介(amazon) 民主主義的理想を掲げたえず軽薄な言動をとっては弁明し、結果として残酷な事態を招来しながら、誰にも憎まれない青年アリョーシャと、傷つきやすい清純な娘ナターシャの悲恋を中心に、農奴解放を迎え本格的なブルジョア社会へ移行しようとしていたロシアの混乱の時代における虐げられた人びとの姿を描く。人道主義を基調とし、文豪の限りなく優しい心情を吐露した抒情溢れる傑作。
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