赤と黒(下) の商品レビュー
これがなぜ教科書にも出てくるような名作なのか?が、最後の解説を読んでわかった。 当時のフランスの時代背景とか政治とか文化とか、その辺りをわかっていると何倍も楽しめるんだろうな。 実際にあった事件を題材にしてるらしく、このような現実を描き、等身大の人物が主人公の小説、というのが画期...
これがなぜ教科書にも出てくるような名作なのか?が、最後の解説を読んでわかった。 当時のフランスの時代背景とか政治とか文化とか、その辺りをわかっていると何倍も楽しめるんだろうな。 実際にあった事件を題材にしてるらしく、このような現実を描き、等身大の人物が主人公の小説、というのが画期的だったために、文学的にも価値が高いのだとか。 なるほど。
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読書会のプレゼント企画でいただいた一冊。学生時代以来、約20年ぶりの再読になる。物語の大半はフランスの貴族階級における恋の駆け引きの描写に費やされる。ただそれも興味深いシーンが多くて、引き込まれるものがあった。ラストはあっけない印象が残るも、それが返ってよかったように思う。末尾に...
読書会のプレゼント企画でいただいた一冊。学生時代以来、約20年ぶりの再読になる。物語の大半はフランスの貴族階級における恋の駆け引きの描写に費やされる。ただそれも興味深いシーンが多くて、引き込まれるものがあった。ラストはあっけない印象が残るも、それが返ってよかったように思う。末尾にある訳者解説から、モデルとなる実際の事件があることがわかるけれども、それを知らなくとも十分楽しめる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
上巻に続き「どうやってこの話に収拾つけるんだろう」と読んでて気が気じゃなかった。 最後ジュリヤンが地下牢でレナール夫人と再会し死を運命と受け入れる場面、そこに至る心理描写は圧巻。マチルドがジュリヤンの首を持って弔う場面が好き。マチルドはレディだけど、もののふでもある。
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前編のレーナル夫人との関係のあとに、 後編ではマルチド・ド・ラ・モールとつきあいだすが、 マルチドとの関係がようやくうまくいきそうな調子になってきたところに、 別のルートから、レーナル夫人の手紙が二人を危機におとし、 激昂した主人公ジュリアンはレーナル夫人をピストルで撃ってしまう...
前編のレーナル夫人との関係のあとに、 後編ではマルチド・ド・ラ・モールとつきあいだすが、 マルチドとの関係がようやくうまくいきそうな調子になってきたところに、 別のルートから、レーナル夫人の手紙が二人を危機におとし、 激昂した主人公ジュリアンはレーナル夫人をピストルで撃ってしまう。 ジュリアンは捕まったが、レーナル夫人は死なず、 逆にジュリアンと仲を深めていくー・・ 最後に、綺麗に終わりたかったのか、死ぬ描写がないのはちょっと驚いた。 ラ・モール嬢を誘惑するために、わざとつれなくするという恋愛論が、当時は新鮮だったとか。
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1830年7月革命ごろのパリと地方都市を舞台にした恋愛小説 よく見聞きするフランス産小説群でも初期のもので 『ボヴァリー夫人』のような自覚的に時代を超えようとするのに対し 色濃く作者の生きる景色に寝ているので 現代世界異境の地では意味の取れないところも多い作品 それでも当時の恋愛...
1830年7月革命ごろのパリと地方都市を舞台にした恋愛小説 よく見聞きするフランス産小説群でも初期のもので 『ボヴァリー夫人』のような自覚的に時代を超えようとするのに対し 色濃く作者の生きる景色に寝ているので 現代世界異境の地では意味の取れないところも多い作品 それでも当時の恋愛を題材に作者から見えている枠を存分にひろげている様が 荒粗しく面白い 普遍な女性像や人間の感情という捉え方でなく 作者の位置と歪みが登場人物を極端に描いていても 達すれば通ずることを感じさせる
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才と野心、自尊心に溢れた百姓出の若者の最後。 最後の章、ジュリアン青年を、レーナル夫人やマチルドが思うようにいとおしく思ったよ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
上巻までの流れで我が身を滅ぼしそうな雰囲気を存分に出していた主人公のジュリアン。やはりというかなんというか、予想通りに転落人生を送ることになります。こういう悲劇的な展開はフランス文学としてはある種のお家芸という印象です。 序盤から終盤まで、とにかく一貫して各登場人物が自分の気持ちを語り尽くすというフランス文学王道の展開で、一度に読み進めるのは結構キツいです。それぞれが命を懸けてぶつけてくる想いを受け止めるには、読み手側にもそれなりの心構えが必要です。 主人公はジュリアンなのですが、この作品はジュリアンを取り巻く二人の女性、ラモール嬢とレーナル夫人の心の揺らぎとジュリアンを巡る確執なくしては成立しません。その意味で、三人の主人公が舞台を転換させながら進む戯曲であるとも言えるでしょう。 各登場人物がなぜ、このような行動を取るのか?なぜ、このような発言をするのか?なぜ、このような愛憎入り混じる人間関係になってしまうのか? このあたりは、21世紀の日本に生きる身としては理解しがたい部分があります。この作品を読んで、即「傑作だ」という感想も持てません。ただ、ナポレオンが生きた時代のフランスでは、こうした人生観を持ち、愛と恨みとの間で揺れながら生きた人たちがいたのだ、ということを知ることができるという意味で、この小説は今の時代に独特の存在感をもって生き残っているのだと思います。 読みやすいとは言いませんが、当時の愛憎を知るための教養として、読んでみるのもいいかもしれません。
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レーナル夫人との不貞関係は限界を迎え ジュリヤン・ソレルもいよいよ身体ひとつで社会の荒波に飛び込んでいく 神学校をドロップアウトして侯爵家の秘書になり 社交界デビューを果たした彼は 貴族社会の、とりすまして陰険な暗黙のしきたりにも順応していった ジュリヤンは頑張っていた 父親のよ...
レーナル夫人との不貞関係は限界を迎え ジュリヤン・ソレルもいよいよ身体ひとつで社会の荒波に飛び込んでいく 神学校をドロップアウトして侯爵家の秘書になり 社交界デビューを果たした彼は 貴族社会の、とりすまして陰険な暗黙のしきたりにも順応していった ジュリヤンは頑張っていた 父親のように導きをくれる人々との出会いがあり 自由主義者たちとのつながりが生まれ さんざん虐待された実の父親にも孝行をくれてやった 最後はナポレオン同様の軍人になり、ますます躍進する人生だった しかし 昔の女の嫉妬?が、彼の足を引っ張った すべてはジュリヤンの、世界に対する憎しみから始まった 生きることに不満を抱えていた女たちにとって ジュリヤンの存在は希望の扉を開く鍵に見えていたのだと思う その扉とは、結局のところギロチンにほかならなかったが
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あまり馴染めない小説でした…読みにくくはないけれど、登場人物たちの野心、情熱、気位の高さに、心がついていかないです。
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