車輪の下 の商品レビュー
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世間からの期待、要請に応え続けること。 幼年期に年相応の娯楽から隔絶され、抑圧される。 さらにがんじがらめの規則に溢れた学校での生活に馴染めなくなる。 結果が出ているうちは良かった。 結果を出し続ける以外の生き方をしている人が突然現れると、その人が魅力的に見えるよな。 今まで人に役に立つものを作ることがなかった→それが自分の手の中で出来上がっていく感覚はこれまでにない感情を思わせた。 こんな感情を抱くことができたのに… 飲み過ぎで鬱状態になってしまう。 死因は明言されていない。 これで良いんじゃないかな。 大学時代に挫折した一冊でしたが、今読むことができて良かった。
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この作品はとても好きで、手元に置いています。 大学生の時に読んだ際には、生き苦しさに共感する気持ちがかなり大きかったですが、歳を重ねるとまた違った捉え方になるかな?と思います。
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長年、積読だったヘルマン・ヘッセの「車輪の下」。新潮文庫の100冊に入っていたので、この機会に読んでみる事にした。 結果、打ちのめされ、一生心に残る作品となった。 田舎町に住む少年ハンスは非常に優秀で周りから期待される。難しい試験を合格し入った寄宿学校だったが、その厳しい規則と集団生活の中で彼は次第に変わっていく。 ハンスが追い詰められていく様子が伝わってくる。読んでいて苦しく、胸が痛んだ。 幼少期から周りの期待を一心に受け、勉強をし成績をあげる事が良しとされて育ったハンス。寄宿学校で友人に影響され、成長し、傷つき、病んでいく。故郷に帰り、職につき希望が微かに見えたのだが… 彼を助けて欲しかった。誰か彼を理解して欲しかった。大好きな自然の中で自由に過ごさせてあげたかった。 ラストは何が起きたかわからず、読後はしばらく放心状態となってしまった。今後、私自身が若い世代の方達に向き合う時の戒めとなりそうだ。 ヘッセの自叙伝的小説との事で、ヘッセも精神的な病を抱えていた事を初めて知った。繊細な神経を持っているからこそ、心の機微を表現でき、これほどまでに人々の心を打つ物語が描けるのだろう。自然を描く美しい文章の中にハンスの心の状況が投影される。ヘッセの凄みを体感できた読書となった。
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なんで題名が「車輪の下」なのかが分からないまま読み進め、すると何度か車輪(の下)という言葉が出てくる。ハンス少年が心が折れそうな時やしんどい時の表現なのかな、家族や学校、周りの人や自分自身に押しつぶされるって事なんかなぁと。 最後は悲しいほどあっけなく、、、歯車はくるい出すとどんどん勝手に進んでしまうというこわさが、誰のそばにもあるのだろうなと、少し気持ちがザワザワした。
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これを読んだら、自分のアイデンティティが徐々に育まれる少年時代に、子供をひたすら机に向かわせて勉強させるというのは子供にとって良くないと思ってしまうなぁ、、、
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読んだのは高校生の時ですが、かなり衝撃を受けました。こんなに読み返した本は初めてでした。 描写の美しさと少年が向かう運命の物悲しさ、どちらも心を掴まれて、ほんとうに美しく思いました。 悲しいお話、現代にも通じるところはみなさんおっしゃる通りあるなと感じましたが、この小説にかなり救われました
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読んで良かったと思う 社会に搾取されてないか、自分の人生を客観的に見つめ直せる 仕事で疲れた時にふと思い出す言葉として刻みたい
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ヘッセ作品ではこれが1番お気に入り。 優等生だった主人公がどんどん落ちぶれて最後には…というストーリー。 他の作品に比べて説明が丁寧という印象を受けた。描写に対してこれは~の暗示でといった解説が入るので読みやすかった。 主人公が優等生だけど単なる優等生というかイイ子ではないのが...
ヘッセ作品ではこれが1番お気に入り。 優等生だった主人公がどんどん落ちぶれて最後には…というストーリー。 他の作品に比べて説明が丁寧という印象を受けた。描写に対してこれは~の暗示でといった解説が入るので読みやすかった。 主人公が優等生だけど単なる優等生というかイイ子ではないのが良い。ヘッセ作品の優等生は皆こんな感じだけどこういうエネルギーを持つって大事だよな…。 こういう性格は自分にはまだ掴みにくいのでまた読みたい。最後にはボロボロになって死ぬ結末だけどそこまでの心理の動きを次はもっとしっかり捉えたい。
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人生って残酷だね。 どれだけ賢くてもいつ何が起こるかは分からない。 毎日だらけていたって幸せな人生を送る人だっているのに報われないな。 かなり古い作品なだけあって読んでて多少の抵抗はあったということで、評価は3にしておこう。
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悲しく苦しい少年の心理描写が繊細に緻密に書かれていて、心が痛みました。 愛溢れる子ども時代を送ることの大切さを実感しました。
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