海と毒薬 の商品レビュー

遠藤周作(著者)

フィクションだと理解…

[文庫ＯＦＦ]

フィクションだと理解しつつも、現在こんなにも医学が発達している影にはこのような事が行われていたのだと実感せざるを得ません。いろいろな意味で重いストーリーです。

絶対にゆるされない人…

[文庫ＯＦＦ]

絶対にゆるされない人体実験に参加してしまった医師の話です。しかし、私達がもしこのような状況にあったら、はたして人体実験を断ることができたでしょうか？人間とは一体なんなのか、これほどまでに残酷な生き物なのか、倫理と何なのかを考えさせられる一冊でした。

その時代を生きない私…

[文庫ＯＦＦ]

その時代を生きない私たちがどう時代を切れるのか。実情をいったい誰が定義できるのか。神を持たない日本の土足さを考えられます。

救いのない話。「悪魔…

[文庫ＯＦＦ]

救いのない話。「悪魔の飽食」ももっと、救いがないけど・・・。

古い作品ですが結構新…

[文庫ＯＦＦ]

古い作品ですが結構新鮮な感じで読めました。構成がよかったです。

人間の残酷さ冷淡さを…

[文庫ＯＦＦ]

人間の残酷さ冷淡さを淡々としたタッチで描いていた。戦時下という特殊な時代の中で、人間の生命を救う立場にあるはずの医師の犯罪。もし自分がその時代に生きていたら、その時代の流れに流されて同じような過ちを犯してしまうかもしれないとぞっとした。今、平和ってなんなんだと振りかえってしまった。

怖かった。戦時中だか…

[文庫ＯＦＦ]

怖かった。戦時中だから・・・なんて思っても人が人体実験をするなんてあんまりだ・・・。肺を切る場面で吐き気をもよおした。辛い・・・でも耐えて読んで欲しいと思った。

アメリカとの戦争によ…

[文庫ＯＦＦ]

アメリカとの戦争により、医学も日本人の心も汚してしまったという話しです。

2014/08/29

評価は3.5位。実は遠藤周作作品、初めて。

内容は昔に映画で見ていたのですが、映画の印象よりずっと面白かったです。

硬くて難しそうな内容なのに、スムーズに読み進められる筆力が凄いと思いました。

ただ、冒頭と主人公が変わってしまったのに違和感を感じました。

実話だそうですが、悪魔の飽食シリーズを読破している私にはさほど驚くことでなく、当時の日本人なら平気でやれてしまうのだろうと…。

2014/04/07

勝呂は自身の良心と正義を抱きながら、戦時下という時代背景や大学病院での自分の立場の弱さ、権力というものに挟まれ苦悩しながら自分なりの抵抗をしてみるが、努力もむなしく結局は周りに流されてしまう。なんとも、救いようがなく胸糞悪い。
死にゆく患者を救えず、医学の発展のためだと人を殺す。それは、勝呂の医師としての自尊心も大義もなにもかもを揺るがすものになったに違いない。

この作品は、人体実験を取り上げながらも登場人物の見栄と欲望、嫉妬がちらちらと見え隠れする。汚れながらも不器用に生きていく人間の姿、周囲をうまく利用してずる賢く生きている人間の姿が描かれている。彼らは生体解剖の場に立ち会いう。しかし、そのような人達が生体解剖の後、どう感じてその後どうなるのか、それは描かれておらず私たち読者に丸投げである。